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映画音楽紹介②「アフリカの大地を飛ぶ」愛と哀しみの果て


こんにちは。映画音楽をこよなく愛するペリーです🌟
今回は、映画『愛と哀しみの果て』から「アフリカの大地を飛ぶ」を取り上げます。
作曲家は、「007」シリーズ、「ダンス・ウィズ・ウルブズ」、「ある日どこかで」で有名なジョン・バリー
彼の紡ぐ美しい音楽をご紹介いたします🌹


映画『愛と哀しみの果て』 概要

映画『愛と哀しみの果て』は、1985年公開のアメリカ映画。
20世紀初頭、アフリカを舞台に繰り広げられる一人の女性の愛と冒険に満ちた半生を描いた。
原作は、カレン・ブリクセン著「アフリカの日々」
監督は、『トッツィー』のシドニー・ポラック。
主演はメリル・ストリープ、ロバート・レッドフォード。
音楽はジョン・バリーが担当した。
1986年第58回アカデミー作品賞を含む計7つ部門において受賞という快挙を成し遂げた。


「アフリカの大地を飛ぶ」場面解説

主人公のカレン(メリル・ストリープ)が、恋心を通じ合わせるデニス(ロバート・レッドフォード)の操縦するプロペラ機に乗り込み、2人一緒にアフリカの広大な大地の上を飛んでいく。
プロペラ機が舞うと同時に、広大な山々や草原を駆けるサバンナの動物たち、一面に広がる湖等々雄大なアフリカの自然が映し出される。
飛行機が舞う終盤のシーンでは、カレンはデニスへとそっと手を伸ばし、お互いの手を握る。

圧巻の映像美と美しい音楽が魅力の本場面は、映画史に残る名シーンとして人々の記憶に生き続ける。


「アフリカの大地を飛ぶ」音楽紹介

ジョン・バリーの音楽からは優しい音色や音のスケール感を大事にする姿勢が伝わってくる。
私にとって本曲は長年に渡って聴き続けている曲の一つである。

ジョン・バリーによって描かれた本曲のテーマは「自然と愛」
曲は前半と後半の2つでテーマが分かれている。
前半では男声女声のコーラスによって美しく広大なアフリカの大地が表現されており、後半は管弦楽オーケストラによって奏でられるカレンとデニスの愛が語られている。

前半部分では、男声と女声が交互に登場する。男声からは地上の荘厳さや力強さを感じ、女声からは天上の世界のような神々しさが聴いて取れる。聴いている者としては、まるで自らが飛行機を操縦し地上と天上の狭間をさまよっているような感覚にさせられる。
前半と後半をつなぐのは、女声と弦楽の指ではじかれた穏やかな音。悠久の時の流れを感じさせてくれる。
後半部分では音の高低差が大きく感動に伴う心の高鳴りとともに、カレンとデニスの間の絆にも近い愛の形が表現されている。

前半の男声と女声の掛け合いは、まさに地と天の声である。大いなる自然界の力に心を奪われる。とりわけ、女声は天の象徴のような神々しく体を包み込み、雲の切れ間から光芒が放たれたような美しさと開放感がある。
また、全体を通して音数が少ない分、響きがより一層目立ち、神々しさに拍車をかける。
聴いていると、身体がふっと軽くなり、時の流れと共に心が浄化されるような、そんな感覚に陥る。

監督のシドニー・ポラックは教会の聖歌のように“感じる音楽”を望んでいた。ジョン・バリーは的確に監督の期待に応える音楽を描いたと言えるだろう。
また、作曲者ジョン・バリーは、インタビューにて、本場面では豊かな感情表現人物への感情移入ができるような音楽が必要で難しい工程だったと語る。

本作品『愛と哀しみの果て』の楽曲は見事1986年第58回アカデミー作曲賞を受賞した。
まさに本曲は“音楽が語る”を体現した作品。
名実ともに映画史に名を残す本曲を是非お耳に入れていただきたい。


ジョエル・マクニーリー指揮 ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル・オーケストラの演奏でどうぞ♪


最後に

最後まで読んでいただき誠にありがとうございました🌟
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参考文献

  • 映画『愛と哀しみの果て』シドニー・ポラック監督1985年

  • BBC Documentary Omnibus "John Barry" 2000年

  • "Flight Over Africa" John Barry Joel McNeely · Royal Scottish National Orchestra

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