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文化イベントも盛況 学外からも来場者多数 第12回紫熊祭レポート(2日目)

 2日目は祝日とあって、前日よりも多くの人が訪れ、特に子ども連れや中高生、三世代家族など学生以外の市民により会場は賑わった。昨年と比較して出店数は数倍、例年通り食べ物も販売できるようになったテント群には午前中から客が途切れず、午前中だけで1日分を想定していた量を売り尽くしたテントも発生するなど大盛況となり、各テントの売り子の呼びかけも昨日よりさらに力が入っていた。
 ポケモンサークル「めざ熊」の部員は、「大会には昨年の2倍以上の参加者を集めることができ、部員以外も多く参加してくれて嬉しい」と喜びを語る。またダイビング部の水中写真の展示ブースにも人が途切れなく訪れており、取材に対し部員は「今年は昨年の数倍の新入生が入ってきてくれた。今回の展示にも新入生の写真を展示しており、今後の活動に期待」と語った。

多くの人で賑わった2日目=11月4日、熊大構内(以下同)

五高記念館のマント体験会

 五高記念館では学生アンバサダー主催の「マント体験会」が行われ、旧制第五高等学校時代の制服を着用して館内で撮影するイベントが行われた。前回は熊本地震以前で8年ぶりの開催となり、制服の数も10着に増やして挑んだ。体験会の受付には午前中から人々が訪れ、館内で思い思いのポーズや構図で写真を撮り、歴史ある館内で五高生の雰囲気を楽しんでいた。学生アンバサダーは「想像していたよりも多くの人たちに参加していただき良かった。学生だけでなく、カップルや子づれの親御さん、小さい子どもとおじいさんおばあさんなども来られており、さまざまな世代の人たちに楽しんでいただけたと思う」と手応えを語った。

マント体験会で対応する学生アンバサダーのボランティア=同
五高記念館内で写真を撮る体験会参加者=同

「甦る歴史資料群―近世初期細川家の『御国』と公儀』―」

 附属図書館では第38回貴重資料展に合わせセミナー「甦る歴史資料群―近世初期細川家の『御国』と公儀』―」を開催した。
「修理工房宰匠」の藤井良昭代表が古文書修復の実践と知見の蓄積に関して説明。「修復」ではなく「修理」という言葉を使う理由として「古文書や文化財の持っていた役割や機能を元に戻す」という理念を込めているとした上で、文化財の修理は現状維持のための修理に加えて、後に再度修理する際に再修理可能な方法で行うことも重要である、と指摘。その上で「文化財修理は1回やって終わり、ではない。修理が何世代にも渡り繰り返されることで後世に貴重な文化財が伝わっていく。安全で定期的な修理のサイクルを継続することで、次の世代に文化財を伝えていく、修理という行為自体が「文化」であり、文化財と共に伝えていきたい」と語った。

講演する稲葉教授=同
新発見の薩摩藩へ派遣された密偵の報告書を興味深そうに見る参加者=同

 永青文庫研究センターの稲葉継陽教授が講演し、細川家家老の松井家の資料をもとに熊本入封直前から藩政成立期にかけての近世初期細川家の「御国」と「公儀」の概念・体制が確立してく過程を解き明かした。細川家の九州国替えに関し、旧大名との引き継ぎをめぐる緊張・対立の存在を明らかにした上で、稲葉教授は「新領国の百姓に対しては大名の側が家臣の略奪や圧政の禁止を自ら表明して規律を維持することで、新たな領主―百姓関係が構築される過程がわかる」と指摘した。 また近世初期に幕府によって諸大名に賦課された「公儀普請」に関しても説明し、大名らにとって公儀普請が晴れ舞台として意欲的に参加する場であった反面、普請現場に動員される人夫たちは領内の百姓と日雇人によって賄われており、稲葉教授は「公儀普請は諸大名統合のために政策的には有効であったものの、同時に莫大な日雇銀の捻出と長期間の百姓動員は特に御国の百姓らの極端な疲弊を招いた」とした上で、これが島原・天草一揆へと繋がっていく要素の一つであった、と説明した。 他にも稲葉教授は島原・天草一揆に関する資料を紹介。地域のキリシタンが全員一気に参加したわけではなく、禁教政策と一揆がキリシタンとそれ以外とを敵同士として対立させた社会的分断の深刻さを指摘しつつも、「一揆に参加する信仰以外の要因・動機がどこにあるかを真剣に検討するとき、これらの資料は非常に重要になってくる」と資料の価値について述べた。 講演のまとめとして、稲葉教授は近世初期の藩政機構の確立に関しても松井家文書から追えるとした上で、「御国」で統一的に行われる統治行政の確立を目指し、自治的地域管理体制の整備がその画期となったと述べた。そして「公儀」と「御国」という上部構造の成立には、それを可能とする厚みのある土台=地域社会こそが重要であった、と指摘した。

紫熊祭随一の盛り上がり—夜の筋肉祭り 史上初の三連覇を達成

  黒髪北キャンパスの武夫原グラウンドで行われた夜の筋肉祭りは多くの人で賑わった。筋肉祭りは紫熊祭で一番の盛り上がりを見せ、すっかり日が暮れライトで照らされた武夫原には数百人の観客が詰めかけ、大歓声が上がっていた。
 筋肉祭りは新立順一さん(1番)が優勝を果たした。腕相撲、バランス耐久、ボディビル、綱引き、ローション相撲の5種目が行われ、気合とユーモア十分の9人が筋肉を競い合った。優勝は新立順一さん(教育学部保健体育科4年)、準優勝は神田晧平さん(法学部法学科3年)、3位は松田空さん(工学部土木建築学科4年)。

「夜の筋肉祭り」を観るために集まった人々=同
ローション相撲、相手を投げ飛ばす瞬間=同
勝者に対して大歓声が上がる=同


 優勝した新立順一さんは夜の筋肉祭り初の3連覇を達成した。ステージ上で、「ありがとうございました。めちゃくちゃうれしい。安心しました。最初は余裕と思ったけど途中勝たなければと真剣になりました。」「もうプロテインいらん!彼女と焼き肉行きたい。もうこれで引退です。3年間一緒に闘ってくれた竹生さん、藤森さん、松田さんの3人ありがとう。この中から次優勝者出てくれると嬉しいが、新しい人も頑張ってほしい」と喜びを爆発させていた。初出場で準優勝の神田晧平さんは、「めっちゃびっくり。ほんと僕でいいの!?」と答えていた。

熊本大学新聞社、「鍋を囲みながら現在の社会情勢を考える会」開催

 紫熊祭の期間中の4日、熊本大学新聞社は大学近くのシェアハウス「ナベノハウス」で10月号完成の打ち上げと共に、「鍋を囲みながら現在の社会情勢を考える会」を開催し、学生10人が参加した。

熊本大学新聞社主催の鍋会=11月4日、ナベノハウス

 各々が持ち寄った食材で鍋を作りながら、「ガザと連帯する熊大生の会」や音楽系グループの学生らと共に、パレスチナ情勢やアメリカ政治、ミスコン・ミスターコン問題、フェミニズム、アマチュア音楽の存在意義や伝統文化のあり方など、幅広い内容に議論が及び、活発な会となった。

【写真特集】

2日目の会場入り口
ミスターコン会場
アカペラのパフォーマンス
合気道部による演武
メインステージでのパフォーマンス
書道部の展示
漫画研究会こんぺいとうの展示
熊大ウイルス研究者の会・熊大ヒトレトロ研の展示会
所属学生による説明に熱心に聞き入る
めざ熊のゲーム大会会場
昨年の2倍以上の参加者が訪れた
五高記念館には元気な子どもの姿も

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