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#俳句
大晦日108句チャレンジ2023-2024
画竜点睛ゆく年の硝子戸に雨
古日記燃えゆく甘き香を残し
どれだけ愛したつてせいぜいはつゆき
死ぬときの飾りはきつと冬の月
去年今年などと小石を蹴り飛ばす
帰り花てのひらに汝が香は残り
サファイアの裸眼を洗ふ寒さかな
しろさざんくわ自涜はいつだつて習作
いたずらな右手左手ふゆがすみ
いもうとの押し花かろし冬銀河
八王子千人同心に雪重たい雪
臘日の弔ひ盆の窪浅く
甲板の鳴くや玄
俳句のアドベントカレンダー2023
12月1日 そばかすを隠さず十二月来たる
12月2日 冬紅葉たいがい置き去りで微熱
12月3日 風邪の子の額にくすむ羽音かな
12月4日 しゆんしゆんとおでんは泣き顔に沁みる
12月5日 羊文学跳ねるよ凍星とともに
12月6日 ひとりぼつち重たい雲を石蕗の花
12月7日 鍋焼饂飩にやけた猫に見られつつ
12月8日 焼鳥にさみしき表題が浮かぶ
12月9日 十二月八日
ジャイフェス2023に添えて
ジャイアン来る黄雀風を蹴散らして
梅雨晴の空き地焦土にして歌ふ
夏雲の湧いてジャイアンフェスティバル
水番のあいつの口はε
汗と笑ふ木村昴を見習つて
空蟬を沈めジャイアンシチュー凪ぐ
妹がための半裸だ嗤つたら殴る
入道雲のはじめたてかべ和也かな
愛滴るクリスチーネのペン先に
やいのび太おまへはおれのもの 溽暑
のび太追ふ剛田武を反故にして
ジャイアン降臨涼しき臍をゆるしつつ
大晦日108句チャレンジ2022-2023
パンツ穿く数え日の窓しんしんと
鰐の歯に隙間があつて山眠る
雪うさぎ翳なき肉を愛しけり
指で描く絵の泣きやすく冬の窓
マインクラフト寒し愚行権重たし
賀状書くスポンジ状の国ぢゆうへ
風呂桶の音抜けてゆき冬の山
鳥鳴いて家より墓のあたたかさ
フェチズムが脱色されてゐるティッシュ
着膨れてハンドル軽き真昼かな
和菓子屋のあかるく閉ぢぬ木守柿
注連飾る始め終はりに太き指
寒晴に呼
俳句のアドベントカレンダー2022
1日 階段をくるんと廻り十二月
2日 肝油ドロップ冬の陽をこはさぬやうに
3日 冬の月抱き寄せて真水とおもふ
4日 枇杷咲いて晩学の頬やはらかし
5日 ささやきは毛布のなかの湖に触れ
6日 オリオンや私信のやうに片笑窪
7日 冬のパフェ誰かの平凡を逃げよ
8日 初氷あかるい犬ばかり通る
9日 蕪漬けてきうきうと夜を探すなり
10日 さぼる日の