俳句のアドベントカレンダー2023
12月1日 そばかすを隠さず十二月来たる
12月2日 冬紅葉たいがい置き去りで微熱
12月3日 風邪の子の額にくすむ羽音かな
12月4日 しゆんしゆんとおでんは泣き顔に沁みる
12月5日 羊文学跳ねるよ凍星とともに
12月6日 ひとりぼつち重たい雲を石蕗の花
12月7日 鍋焼饂飩にやけた猫に見られつつ
12月8日 焼鳥にさみしき表題が浮かぶ
12月9日 十二月八日まだ空があるうちに
12月10日 珈琲に薄目の残るレノンの忌
12月11日 息紡ぐ引退犬の日向ぼこ
12月12日 古日記指に泥める棒人間
12月13日 野に沈むささくれのあり馬下げる
12月14日 義士の日のネクタイにうつろな矜持
12月15日 脊髄の歌つてしまふ小六月
12月16日 にしんそば暗渠の音のほの甘く
12月17日 音楽がさみしい夜を白鼻芯
12月18日 懐手して愛欲の乾かざる
12月19日 頰に頰しろさざんくわは翳のいろ
12月20日 白息の漏れてくちびるぜんぶ塞ぐ
12月21日 白菜の芯に幽けきこゑのあり
12月22日 あくがれのとほく浮かべる柚子湯かな
12月23日 雪の夜の宛名は鏡文字になる
12月24日 選べない木のあり聖樹煌々と
12月25日 離れ眉あかるしメリークリスマス
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今年も参加させてもらいました、俳句のアドベントカレンダー。
生活に追われる中で、俳句が背後から迫ってくるような2023年だったけど、文フリに初めて出かけたり、まとまった文章を短期間で書き上げたり、大変だけど楽しかった。
来年も新しい充実が待っているといいな、と願いつつも……大人はサンタさんが来ないぶん、自分で楽しさを見つけなきゃいけないから、なかなかしんどいよね。
一緒に楽しさを共有できる人がいることに、いつだって感謝しています。
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