記事一覧
「ある音楽プロデューサーの死をめぐって」
音楽プロデューサーのフィル・スペクター(Phil Spector)が、収監先のカリフォルニア州立刑務所内で、米現地時間の2021年1月16日に、新型コロナウイルスによる合併症により享年81歳で亡くなった。
この固有名詞に馴染みのない人でも、上記の記述だけで、もうすでに映画を観ているような感触があるかもしれない。映画畑の人にフィル・スペクターについて説明するには、「イージーライダー」の最初の方の
民主主義のエクササイズnote版
この原稿は、2021年6月16日発売の、新しい問いを考える哲学カルチャーマガジン「ニューQ・Issue 03名付けようのない戦い号」に掲載されたものです。
発売前の雑誌の原稿全文を、書籍が発売される2021年6月4日から6月16日までnoteに無料で全文が読めるという実験を行いました。この実験に関するレポートは改めて書くことにします。おかげさまで様々な反響をいただきました。この試みに賛同して実現に
生涯学習note2020.05.29
クラフトワークはいかに後世の音楽に影響を与えたか?(第二回)
前回は、クラフトワークが後世の音楽に与えた影響について、大きく分けて以下の3つのように説明してきました。
1:これまでの音楽史における、固有の楽器のイメージから離れた音色をシンセサイザによってクリエイトし、周波数で重心を思考してアンサンブルを構築した。
2:特に打楽器のパートをシンセサイズしたことによって、音楽における低音域の表現領域
生涯学習note2020.05.16
クラフトワークはいかに後世の音楽に影響を与えたか?(第一回目) 音楽家にとって生死のピリオドはさほど重要ではなく、作品数 x 総再生回数が、重要な時間の概念となる。個人の生は反復できない(輪廻転生というある種の宗教上の概念を除いて)、しかしながら音楽上にトレースされた生はいくらでも反復できる。その反復は個人の聴取においてと、汎世界的な規模においてでは、意味合いが変わってくる。Music non s
もっとみる生涯学習note2020.05/01
アンドレアス・ドーラウの「みんちゅちゅぎ」
これは民主主義です-それは決して退屈することはありません
ババババババババババババババババババ
まあ、なぜ繁栄が勝つのですか?
それが問題です
すべての動きのことを
誰もが自分自身で答えを持っている
当時のドイツにおける政治状況や政治家の顔と政策が結びついていれば、より面白くこのPVは見られるのでしょう。しかしながら、この曲のテーマは、メディア
生涯学習note2020.04/29
8回に渡ってお届けしてまいりました「誓い空しく・2020年エディション」の解説ですが、結局のところ、京浜兄弟社という音楽集団についての説明に多くを費やす形になりました。年表や証言などを交えて、その解析に努めてきましたが、自分でも説明しきれたとは思っていません。
ひとつには、京浜兄弟社という音楽的な潮流が、バンドでもユニットでもサークルでもなく、とても流動的なオーガナイズによって成立していた、ひ
生涯学習note2020.04/27
京浜兄弟社年表 「21世紀の京浜兄弟者」所収の京浜兄弟社の年表を加筆訂正し、二回に分けてお届けします。第一回は1982年から87年までの6年間です。念のためにファミリー・ツリーも掲載し直しますので、ツリーを横軸、年表を縦軸で頭の中で組み立ててみてください。ばるぼらくん、ベガスくんという社史編纂室部が、国会図書館に日参し、82年から94年までの「ぴあ」誌、「シティロード」誌のライブ情報ページ、自主上
もっとみる生涯学習note2020.04/26
今回は「21世紀の京浜兄弟者」のブックレットに収録されている私のインタビューに、加筆訂正したものをお届けします。ブックレット自体の級数が小さく、ルーペを使っても読めない、という声が大きかったので、最適なサイズにカスタマイズしてお読みください。ここ1週間でだいぶテキストを書く感覚が取り戻されてきました。近年5年ほどは原稿の依頼があっても全て断り、盆踊りのアップデートや実践的なまちづくりのオーガナイ
もっとみる生涯学習note2020.04/25
前回はDISC1の「誓い空しく・2020年エディション」の全曲解説をお届けしました。16000字くらいの分量でしたが、お楽しみ頂けましたでしょうか。
今回はDISC2の『Snack-O-Tracks』全曲解説をお届けします。10枚組「21世紀の京浜兄弟者」のライナーに加筆訂正を加えたものです。資料として、92年当時にカセットテープで発売された時の解説も付記しておきます。※今回の2020年エディ
生涯学習note2020.04/24
「誓い空しく」2020年度版エディションについて まだ現物を手にしていないので確認が取れていないのですが、オリジナル版にトラック6として収録されていたオーガニゼーションが収録されていないようです。再発では度々このような事が起きますね。オリジナル版の曲の並びはかなり考え抜いたものですので、気になる方はオリジナル盤の方も探して聞いてみてください。10枚組の「21世紀の京浜兄弟者」の方には、オリジナル
もっとみる生涯学習note2020.04/23
「誓い空しく」、京浜兄弟社とは? 昨日22日に再発されたコンピレーションCD「誓い空しく」、皆さん入手できましたでしょうか? 現在、流通の関係から、様々なCDが発売延期になっているようですが、無事に通販で届いたという報告を受けて一安心しています。
このコンピのアーティスト名となっている「京浜兄弟社」とはなんなのか? 資料を整理していたところ、音楽評論家の松山晋也さんよりのメールを発見しました。
生涯学習note2020.04/22
本日「誓い空しく」再発! 30年近く前、私が24歳から26歳の時にかけて作ったコンピレーション・アルバムが本日(2020年4月22日)再発になります。私はアルバム全体のプロデュースと、コンスタンス・タワーズというバンド、そして、どくろ団という、このアルバムに収録されている「野球王国」を録音するためのユニットで参加しています。
このアルバムが作られた背景と、2020年から振り返ってみた考察を、何回