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紀の善じゃないけど、あんみつ食べられればそれ以上の贅沢は望まない。
喫茶チャイティーヨ 珈琲と貴女と。
春。
ツーブロックを入れ、ピアスを手始めに2つ開けるゴリゴリの高校デビューを決め、無事に教師のお小言を頂戴し、クラスメイトから距離を置かれるスタートダッシュに成功した僕は、足取りも軽く放課後の街へと繰り出した。
先立つものが必要だった。
音楽に陶酔するにも、喫茶で珈琲に舌鼓を打つにも、財布に厚みが必要なのだ。いずれ軽音部にでも入るとしたって、安定した収入源は確保しておきたい。なにはともあれ、と
喫茶チャイティーヨ 音と君と。
???「え…、どうしたんですか。卒業式位は真面目にって感じですか?」
高校の卒業式。
伝えておかねばならないことがあって、1年の後輩を呼び出した。つい数日前、彼女に会った時は長い髪をまとめてマンバンにして、左右合わせて7つのピアスをしていた僕。今は坊主頭で、ピアスは一つもつけていない。
???「似合ってないですよ笑」
〇〇「自分でも思うけど、後輩が先輩にそこまで歯に衣着せず言うもんかね」
??
チャイティーヨの舞台(設定集)
・喫茶チャイティーヨ
乃木駅から徒歩6分ほどの路地にある、
隠れ家的な喫茶店。
カウンター5席、2名がけテーブル席2つ、
4名がけテーブル席1つ。毎週水曜定休日。
13:00頃〜19:00頃まで営業。
月に1、2回、19:00〜1:00までの営業を行う、
夜喫茶チャイティーヨの日もある。
・乃木駅
チャイティーヨ最寄りの架空の駅。
周辺を学校に囲まれており、放課後は学校帰りの学生で賑わう。
東に
喫茶チャイティーヨ 雨と君と。
〇〇「降ってきちゃったか〜」
この間の微妙な雲行きの際、鞄に突っ込んだままだった折りたたみ傘のおかげで事なきを得たものの、お店につくまで保っててほしかったお天気に裏切られ、歩みを早める。
4月頭。
世間は入学式や始業式、新生活を迎える時期。
僕自身もこの春、大学生になると共に一人暮らしを始めた。未だ軽い髪と耳に違和感を感じつつも、新たな生活に少しずつ気分が軽くなる思いだった。
この雨さえなけれ
The Show Must Go On
ずっとずっと昔。
人々の中から、特殊な異能を持つ者たちが現れた。
10%しか使われていない人間の脳の、残り90%の部分を発揮することによって発現したものとされたそれはSPECと名付けられ、その能力者達はSPEC HOLDERと呼ばれた。SPEC HOLDERは貴重な人的資源として、国家や結社の暗躍によって秘匿された。
より多くのSPEC HOLDERを有することこそ、世界の覇権を握ることだと。まだ