マガジンのカバー画像

社会周りの話

24
運営しているクリエイター

2022年5月の記事一覧

約束され続ける格差是正

 近代の政治を扱うにあたって、暴力は常に正義によって制されてきた。勧善懲悪という概念がある。善とは我々だ。だから滅びた者共は悪だった。と子供騙しの建前を平然と並べ立てて、てんとして恥じない事へ懐疑の念を這わせるなどなくなって久しい。街頭演説で片や日本の歴史を、心を、時には列島から目線を泳がせて煌びやかな大陸世界へ打って出るのだ、と言って毎秒起こる目の前の鈍痛を広告塔として利用した挙句に、政界へ一度

もっとみる

役割分担と効率化

 分業で云々言っていたのはアダムスミスだったかマルクスだった忘れたが、文脈の拘束を受けない分業と受けた分業では発生経緯がそもそも違う。

ジェンダーロール

 昨今の性差を取り扱う議論の中でジェンダーロールという概念が有るらしい。私は勝手に「性別への役割」というニュアンスで理解しているが、役割を振り分けるという行為はそれ自体が複雑な前後関係の認識を要するものである。

 性を捉えるのは男女双方を比

もっとみる

多数派の憂鬱

 久しぶりにロナルド・ドーアとトクヴィルを読んでる人を見つけて悦に入っていた。平たく言えば感化されたので少しそれらも加味して書いてみる。

 民主主義の特徴の一つに多数決というおままごとが意思決定の名の下に行われるというものがある。生学問の方では簡便で最適なものとされていて、世代を経てからはもうその不適切な遊戯に誰も心中で疑義を呈する事さえなくなったように私には見えている。

 多数者の専制と大仰

もっとみる

役所は地方に根付くのが自然。日記

 ここで取り扱うの役所という言葉は主に地方公共団体を指す。それから正しい知識を用いないので悪しからず。

 都心は把握し切れていないが地方でも「お役所仕事」との批判は日常茶飯事である。だから昨今の意識高い系統のコメンテーターがデジタル化云々と思弁するのを見て「事務作業」だけを仕事と捉えているんだろうなと感じる事がある。なので私はこの日記を書くに至っている。

 第1:人類史においての役所の誕生

もっとみる

動物と干渉と9と1

 生態系(ここでは閉じた物を指さない)を把握して個々の生物に向き合って保全や繁殖の補助をする時、私達は飼育するのでない限りこの仕事が生涯終わらない事を悟る。

 現代では動物飼育を行う時、大凡のマニュアルを入手する事が過去数十年に比べて飛躍的に楽になった。しかし実際に接する機会は海外事情を無視すれば格段に減っている。自然から遠ざかったと錯覚した原始人達はそれを文明と呼ぶが、自然を押し分けただけに過

もっとみる