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#89 分数問題の攻略法:児童のつまずきを分析

文章題を解くには、順序があります。
その順序を確認していきましょう。

①問題文を読み、内容を理解する。
②理解したことを図に表し視覚的に捉える。
③式を立てる。
④計算する。

文章題を苦手にしている子どもはたくさんいますが、どの段階でつまずいているのかを分析する必要があります。
そしてそのつまずきに合わせて支援しなくてはならないのです。

問題

3分の2dL(デシリットル)で5分の3㎡ぬれるペンキがあります。このペンキ1dL(デシリットル)でぬれる面積は何㎡ですか?

啓林館 6年算数教科書より

分数が文章題に登場すると、途端に難しくなるというお話を前回しました。
今回は、どうやって考えていくとよいのかについて考えていきたいと思います。
まず、問題文をよみ内容を理解しないといけません。
そのためには、3分の2dLと5分の3㎡という量がどれくらいなのかイメージできないと問題場面を理解できません。
3分の2dLは、1dL(100mL)を3つに分けた2つ分です。
mLにすると66.66666…mLです。
5分の3㎡は小数にすると0.6㎡。
つまり、1㎡の半分よりちょっとだけ広い大きさとわかります。
ちなみに1㎡ってどれくらいの広さがイメージできますか?
さて、突然ですが、クイズです。
「じゃじゃん!」

問題
畳1枚の広さと1㎡どっちが広い?

正解は、「畳一枚の方が広い」でした。
畳はおよそ1.62㎡。
種類によって若干違うようです。

子ども達は畳はイメージできない子も多いので、
学校の児童机の4個分くらいといってイメージさせます。
これは4年生の面積の学習でやります。

この問題文を読み取ると、
ヤクルト飲料容器いっぱいに入ったペンキを使って
児童机4つにペンキをぬっていきます。
これを「ファイト一発!」(古っ!)リポビタン飲料の瓶いっぱいに入ったペンキでは何㎡ぬれますか。
とわかります。

算数障害があり、個別支援を必要とする子であれば、ヤクルト容器とリポビタンDの瓶を用意し、さらに1㎡を新聞紙で作っておいて見せれば問題の意味を理解できます。

算数の問題って、内容を理解すると、ツッコミどころ満載です。
果たして、ヤクルトの容器一杯のペンキで、児童机4つにペンキなんて塗れるのか???

逆に、このようなツッコミをしてくれるようなら、問題文をしっかりと理解できたことになります。

算数の文章題が苦手な子は、この量感がつかめないため、3分の2と5分の3を適当にかけたり、わったりします。

学校の授業では、分数のかけ算なら分数のかけ算しかでてこないため、適当に2つの数量をかけあわせて答えをだしてしまいます。

ところが、分数のわり算は、わる数とわられる数をひっくりかえしたら全然答えが違ってしまいます。
意味が理解できていないので、多くの子は、とりあえずでてきた順番に式を立ててしまうのです。

問題文の意味を理解できたら、次はそれを可視化していきます。
図に表すのです。
これは次回お話したいと思います。

それではまた!






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