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#35 特別支援教育:子どもの心に寄り添う視点で考える「ダメだよ」との向き合い方

今回は、「ダメだよ」と言われた子どもが
「黙る」もしくは「泣いてしまう」事例の紹介です。
前回までの内容を確認しておきたい方はこちらをお読みください。↓

~宿題のやり間違い(2年生)~

漢字の宿題をやる場所を間違えた子どもがいました。
隣の子どもが、提出する前に気付き、

B「ダメだよ。A君、そこは宿題になってないから、やっちゃダメだよ。」
C「あっ本当だ。やっちゃいけないところだよ。」

そのうちに野次馬が集まり、A君を囲みます。
誰もA君を擁護する子どもはいません。
そこで、担任が入ります。

T「何がダメなの?」
B「やっちゃいけない次の漢字を、宿題でやってきてる」
T「A君、どうしてその漢字をやってきたの?」
A「どこをやるのかわからなかったから…」
といい泣き始めます。

T「じゃあみんなにきくけど、間違えることってダメなこと?」
C「先に漢字をすすめたらダメだよ。先生がすすめたらだめっていってたよ。」

まだ小さいからか、間違えることよりも、担任が定めた独自ルールの方が優先されます。
子どもたちには担任絶対信仰があります。

T「じゃあ、もし自分が間違えて宿題にはなっていない漢字をやってしまって、友達に、ダメだよって言われたらどんな気持ち?」
E「悲しい気持ちになる」
T「もう一度きくけど、間違えることってダメなこと?」
ここまで言うとさすがにほとんどの子どもは、ダメじゃないと言います。

もしも、担任が、多数派の意見にのっかり、
「ダメだよ、A君先の漢字をやってきたら」
と言ってしまったらどうなるでしょうか?

大変なことになります。
A君いじめが、始まります。
さらに、対応が遅れると不登校にもなりかねません。

このように、黙ってしまう子どもへの対応を間違えると、いじめを担任が生み出してしまったり、不登校児を生み出してしまったりしてしまうかもしれません。

このタイプはおとなしく、授業を妨害したり、友達とトラブったりしないため、担任はわかっていながら支援を後回しにする傾向があります。
自分の困り感を言語化できないこのタイプほど、支援は必要です。
放っておくと、自己肯定感は下がり続け、不登校や引きこもりになってしまいます。

不登校児童が年々増加傾向にあるのは、このタイプの支援を後回しにしている現状が、原因なのではないかと考えています。

そればかりでなく、放っておくといじめの温床にもなりかねません。

何事にも言えますが、初動が大切です。

教室で「ダメだよ」という言葉が聞こえてきたら、まずは、何がダメだと思ったのかを聞き出していきましょう。

以上、事例紹介でした。

参考になる方がいたら、幸いです。

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