リエゾン学級経営「謎の境界線たるグレーゾーンとは?」#137
グレーゾーンって最近の書籍のタイトルにも頻繁に使われるようになってきました。
この「グレーゾーン」という言葉はいつから使われるようになったのでしょうか?
調べたけどよく分かりませんでした…😿
少なくとも、10年程前から、自分でも使っていたので、その頃から一般的な言葉として普及していたことだけは覚えています。
20年前には、発達障害といった特別支援に関係する言葉すらほとんど、教育現場で聞かれることはありませんでした。
アスペルガー症候群を知っている程度でした。
ということは、つまり、
今から、20年前から10年前のこの10年間に大きな変化があったことは間違いありません。
現在、2023年です。
2003年から2013年の間に変化があったことがわかります。
そこで、特別支援関係の施策や法律のこれまでを調べてみました。
2012年頃、つまり約10年程前から加速的に特別支援教育が普及していったといえます。
そして、
2016年の「障害者差別解消法」の施行により、加速的に普及しました。
今から7年程前のことです。
ですので30歳以下の先生(もしくは、経験7年未満の先生)は特別支援の研修はかなりうけてきていると思います。
そうした中で、「グレーゾーン」という発達障害の診断名がついていないけど、学校生活で困り感を見せる子どものことを表す言葉が浸透していったのだと思います。
このグレーゾーンの子たちは、通級などの支援につなげにくい、保護者との面談が難航する、多数派から特性の理解を得られにくいといった特有の悩みがあります。
グレーゾーンと呼ばれる子については、学校と保護者との連携は不可欠で、お互いの特別支援についての認識にギャップがあると、なかなか支援につなげたくてもつながらないこともあります。
残念ながら、保護者の中には、特別支援教育に対してネガティブな感情をもっている方も一定数います。
そういった感情が子どもの成長を阻害しています。
このネガティブ感情は誤解であることを理解してもらいたいと考えています。
特別支援教育は、診断名がつくつかないにかかわらず、困り感を示す子どもの成長には欠かせない、将来にかかわる大事な教育だという啓蒙活動が必要です。なぜなら、小学校で大きな問題を起こさなくても、青年期や大人になってから生きにくさを感じたり、就職してから対人関係になやみ病気になったり、仕事をやめてしまう人もいるからです。
啓蒙活動自体は、学校の先生でなく、行政の仕事です。
就学前から、親も子も支援がスムーズにいく体制を構築してほしいです。
そのため、このnoteを活用して、特別支援にかかわる様々な記事を書いている次第です。
同時に、子育て世代のパパとママたちにもぜひ読んでほしいと思っています。
特に特別支援教育は早期発見、早期支援がカギです。
なんとなくごまかし続け、小学校高学年になってから困り感が増幅してからでは遅いです。
中学生になってから不登校になることもあります。
大人になったらもっと大変です。
特別支援についてネガティヴ感情をもっている方は、少数派のことを理解できていないので、多数派といえます。
大人も含めて、少数派の理解をして寄り添うことのできる多数派になってほしいと願っています。
それが可能なのが、リエゾン学級経営なのです。
話を戻します。
グレーゾーンの子どもたちに寄り添うためには、その特性をしっかりと理解し、何に困っているのかを見極めることが大切です。
ただ、このグレーゾーンという言葉は、正直しっくりきません。
グレーとは白と黒の間の色。
白とは多数派の健常児。
黒とはここでは、診断名のついた少数派の障害のある子。
白でも黒でもないからグレーとだれかが便宜上つけたのでしょう。
そんな色わけされても、グレーゾーンの子は困ります。
学校生活で困り感があり、それをなんとかしてほしいだけなのです。
なんとなくもやもやしてるだけで自覚していない子だっています。
いずれにしても、何色であれ、ありのままを受け入れ、理解して支援してやることが何よりも大事です。
それには、多数派の子たちの理解がないと、はじまりません。
多数派による少数派の理解が、リエゾン学級経営の基本となります。
ですので、診断名があるのかとか、色がグレーだとかはどうでもいいことです。
大切なのはその子の特性を理解し、困り感に気づいてやり手を差し伸べてやることなのです。
このグレーゾーンという言葉は、多数派の生み出した、都合のよい言葉のように聞こえてなりません。
これからは、少数派の支援も大切ですが、多数派の理解教育の方が重要視されていく時代に突入していきます。
こんな時代だからこそ、リエゾン学級経営が必要とされることでしょう。
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