見出し画像

#33 特別支援教育:子どもと向き合う視点!給食時のダメだよ対応事例

ダメだよ対応編②
前回は、ダメだよと言う子どもに対する対応の原則について話をしました。

今回は、1年生の給食の時間を事例に取り上げて考えていきます。

牛乳は紙パックを使用。
飲み終わったら、開いて返却することになっているので、開く際、手であけるよう指導をしている。

手ではなく、ハサミを使ってパックを開こうとした隣のA君に対し、
「ダメだよ、Aさん」と、Bさんは言いました。
さて、このあとにAさんがとった行動は?

牛乳パックをBさんに投げつけたのです。

投げつけられたBさんは、担任に、
「Aさんが牛乳パック投げてきました。」と報告にきました。

このように、ほとんどの場合、自分がされたことだけを報告します。

みなさんなら、どう対応しますか?

やってはいけない対応例

Bさんの言ったことを鵜呑みして、Aさんのした行為を注意し、Bさんに謝罪させる。

これはまずい対応です。

やはり、ここでは、なぜ牛乳パックを投げたのか理由を聞かないといけません。
ここに正義があるからです。

投げた理由を担任(T)が聞くと、
A「Bさんがダメだよと、強く言ってきたから。」
T「なにがダメだと思ったの?Bさん」
B「ハサミを使ってパックをあけていたから、ダメだよって言った」
T「どうしてハサミであけたと思う?」
B「……」
T「Aさんはどうしてハサミ使ったの?」
A「手であけようとしたけど、開かなかったから、ハサミを使った」
T「ハサミを使ったことはダメなのかな?」
B「ダメ」

1、2年生だと、担任の言ったこと絶対なので、ここまで聞いてもダメと答える子どもは結構います。
自分が信じたもの以外は許さない正義のヒーロータイプが一定数いるからです。

とは言うものの、ダメじゃないと思うと答える子どももいます。
そんな子どもいたら、どうしてそう思ったのか理由を聞いてみましょう。

C「パックを開けないまま片付ける人もたまにいて、当番になると大変です。Aさんは自分の力でなんとかしようとしたからダメじゃないと思います。」

このような考えをクラスから引き出し、ダメだと思っていた行為は、実はダメではなく、ダメだと決めつけた行為こそが、ダメだと価値付けていきます。

こうした指導の積み重ねが、支援を要する子どもたちに対して優しく接することのできるクラスになります。

手で開くというルールは守っていなかったけど、自分の力でパックを開いてきれいに片付けたいという思いがあったのです。

その思いを「ダメ」というひと言で踏みにじられたのですから、怒るのも当然です。

少数派にも正義があります。この正義を受け止めることがらできるかどうかが、学級経営の肝になります。

参考になる方がいたら幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?