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映画レビューまとめ。

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2023年4月の記事一覧

映画#132『ヴィレッジ』

映画#132『ヴィレッジ』

『余命10年』の藤井道人を監督に、『流浪の月』の横浜流星を主演に迎えた今作。舞台はある寂れた農村、そこでゴミ処理施設のスタッフとして働く青年「優」が主人公……

なのだが、ある出来事が原因で優は村の人々からぞんざいな扱い、いわゆる「村八分」を受けている。ましてや舞台は「村」という非常に狭いコロニーのため、我々観客は劇中ずっと心臓に鉛を乗せられてるような感覚に苛まれ続けることとなる。

だが優の幼馴

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映画#131『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』

映画#131『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』

今更気づいたけど、今作は前作の前日譚的な感じなのね。今度のインディは、インドの寂れた村と不気味な神殿を舞台に秘宝「サンカラストーン」を巡って邪教集団と対峙することとなる。

監督、主演は前作と同じ。第95回アカデミー賞にて助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クァンが子役として出演していることでも有名だ。

スティーヴン・スピルバーグは、「『インディ・ジョーンズ』シリーズの中でどれが1番完成度が高いか」

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映画#130『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』

映画#130『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』

博識なる考古学者にして勇敢なる冒険者、インディアナ・ジョーンズ。秘宝と仇敵を巡る彼の冒険譚は、今や全世界に知れ渡り誰もが知る冒険家となった。今作『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』は『インディ・ジョーンズ』シリーズの記念すべき第1作である。

監督は『ジョーズ』や『未知との遭遇』を世に送り出し当時名を馳せたスティーヴン・スピルバーグ。主演は『スターウォーズ』シリーズにてハン・ソロを演じ、一躍スタ

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映画#129『バックドラフト』

映画#129『バックドラフト』

消防士という職業は常に死と隣り合わせ。灼熱の炎に身を焼かれ、焦げた瓦礫の下敷きになり、熱気と共に酸素を失い……たったひとつのキッカケで一瞬で命を失ってしまう、だがそれでも彼らは他人の生命を救うべく、自ら地獄の炎へ飛び込んでいく。

『バックドラフト』は、そんな危険な職業に命を賭す男達の勇姿と葛藤を描いたスリラー・アクションだ。監督は後に『ダ・ヴィンチ・コード』を手がけることとなるロン・ハワード。『

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映画#128『オブリビオン』

映画#128『オブリビオン』

この映画を鑑賞したのは先週の火曜日。つまりそろそろ二週間が経つということになる。その間にもいくつか劇場公開作品を鑑賞しレビューしていたため、改めてnoteにて記事を書くのが随分と遅れてしまった。

「このままだとタイトル通りこの映画の記憶がオブリビオンしてしまう!!」と謎の焦りを覚えたため、今回急遽執筆することとなった次第だ。

監督は『トロン:レガシー』を手がけたジョセフ・コシンスキー、主演は誰

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映画#127『ザ・ホエール』

映画#127『ザ・ホエール』

赦されざる罪を償うことはできるのか。迫り来る「死」という結末にどう立ち向かい、その中で彼は自分自身への救いを見出すことができるのか……

今作『ザ・ホエール』は、『ハムナプトラ』にて主演を務めたブレンダン・フレイザーが、体重200キロ超の巨漢として登場する。あるアパートの一室という狭い空間の中で繰り広げられる、苦しみを背負った者たちによる会話劇。

大学のオンライン講座にて教鞭を執っているチャーリ

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映画#126『AIR/エア』

映画#126『AIR/エア』

「アディダス」「プーマ」などに並ぶ超有名スポーツ企業「NIKE」。
バスケットボール界隈のみならず、全世界のスポーツ界において多大なる影響を与えた「マイケル・ジョーダン」。
その二つが奇跡のコラボを果たして生まれたのが、今も尚全世界にて親しまれる「エア・ジョーダン」。

世界に名を轟かせた「二つの伝説」は、如何にして交わったのか?正真正銘「伝説の誕生」その瞬間を、この『AIR/エア』が描く。

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映画#125『海賊とよばれた男』

映画#125『海賊とよばれた男』

今では日常生活において幅広く使われている「石油」という存在。しかし戦前・戦後の日本……果てには世界の先進国において、石油はエネルギー源として決して欠けてはならない代物となった。

だがしかし、そういった革新的なアイデアが生まれ出たとしても、それが世の中に浸透するには長い歳月と血の滲むような努力が必要なのは言うまでもない。

一世一代の大勝負、勝てば官軍、負ければ大損、いわば「博打」……
それを成し

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映画#124『ミッドウェイ』

映画#124『ミッドウェイ』

太平洋戦争において、日本とアメリカが熾烈な戦いを繰り広げ、その結果多くの命が失われていったのは言うまでもない。真珠湾攻撃、東京大空襲、そして8.11……

そんな数ある出来事の中でも、当時の両者の攻勢を完全に逆転させたのが「ミッドウェー海戦」だ。正にアメリカにとっては運命を決する戦いであったこの海戦が、約80年もの時を経て現代のスクリーンにて蘇る。

監督は『インディペンデンス・デイ』や『デイ・ア

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映画#123『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』

映画#123『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』

ハリウッドでは『LotR』シリーズに代表される、剣と魔法と冒険に彩られた世界観を有するジャンル、通称「ファンタジー映画」。今では映画以外の媒体においても既にやり尽くされたネタではあるが、それでも尚根強い人気を誇っているのは言うまでも無い。今作『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』もまた、正に「王道」と呼ばれるファンタジー映画の一つだ。

今作を一言で言い表すならば「爽快」。主人公らは全

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映画#122『レディ・プレイヤー1』

映画#122『レディ・プレイヤー1』

世の中には、所謂「お祭り映画」的な作品が多数存在する。特にマーベルをはじめとするヒーロー映画では十八番の手法となっており、現にMCUにおけるシリーズの集大成である『アベンジャーズ/エンドゲーム』は空前絶後の大ヒットを記録し、歴代興行収入の内第二位を記録している。私としても「あれほどゴージャスかつ胸熱な映画は最早存在すらしないだろう」と思っていた……この作品を目にするまでは。

今作『レディ・プレイ

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映画#121『スタンド・バイ・ミー』

映画#121『スタンド・バイ・ミー』

「青春映画の金字塔」として名高い今作、そんな名作を今更初見で鑑賞した私は、咄嗟に自分の小学生時代を思い出した。仲のいい友人たちと共に歩んだ帰路、それは我々にとって正に「大冒険」であったと……今ではバイト帰りのチャリで駆け抜けるだけの道は、小学生の私にとってはまさしく「冒険の旅路」だった。

そんな道で友人たちと交わした会話、ちょっとした言い合いで起こった喧嘩、どこに続くか分からない家の塀、落ちたら

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