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映画#124『ミッドウェイ』

『ミッドウェイ』(”Midway”)

監督:ローランド・エメリッヒ
出演:エド・スクライン、パトリック・ウィルソン、ルーク・エヴァンズ、アーロン・エッカート、ニック・ジョナス、豊川悦司、浅野忠信、國村隼、マンディ・ムーア、デニス・クエイド、ウディ・ハレルソン、他
製作会社:サミット・エンターテインメント、セントロポリス・エンターテインメント
配給:ライオンズゲート(米国)キノフィルムズ(日本)
公開:2019年11月8日(米国)2020年9月11日(日本)
上映時間:138分
製作国:アメリカ合衆国

Wikipediaより引用

【あらすじ】
1941年12月7日の日本軍による奇襲とも言える真珠湾攻撃。戦争の早期終結を狙う山本五十六連合艦隊司令官(豊川悦司)の命により、山口多聞(浅野忠信)や南雲忠一(國村隼)がアメリカ艦隊に攻撃を仕掛けたのだ。大打撃を受けたアメリカ海軍は、新たな太平洋艦隊司令長官に、兵士の士気高揚に長けたチェスター・ニミッツ(ウディ・ハレルソン)を立てた。両国の一歩も引かない攻防が始まる中、日本本土の爆撃に成功したアメリカ軍の脅威に焦る日本軍は、大戦力を投入した次なる戦いを計画する。 一方、真珠湾の反省から、日本軍の暗号解読など情報戦に注力したアメリカ軍は、情報部のレイトン少佐(パトリック・ウィルソン)がその目的地をミッドウェイと分析、限られた全戦力を集中した逆襲に勝負を賭ける。そして遂に、アメリカ軍のカリスマパイロット、ディック(エド・スクライン)率いる上空から攻撃をする戦闘機の空中戦と、山口艦長や南雲艦長率いる海上からの戦艦の砲撃の壮絶な激突へのカウントダウンが始まる──。

Filmarksより抜粋

画像出典:映画.com

太平洋戦争において、日本とアメリカが熾烈な戦いを繰り広げ、その結果多くの命が失われていったのは言うまでもない。真珠湾攻撃、東京大空襲、そして8.11……

そんな数ある出来事の中でも、当時の両者の攻勢を完全に逆転させたのが「ミッドウェー海戦」だ。正にアメリカにとっては運命を決する戦いであったこの海戦が、約80年もの時を経て現代のスクリーンにて蘇る。

監督は『インディペンデンス・デイ』や『デイ・アフター・トゥモロー』を手がけた「ハリウッドの破壊王」ことローランド・エメリッヒ。


今作が戦争を題材にした映画であるのは間違いないが、他の戦争映画と比べ戦闘シーンが多めなのが特徴的。アクションシーンは基本的に戦闘機vs戦艦、あるいは戦闘機同士の戦いをはじめとする空中戦が多めなのだが、その迫力はピカイチ。さすがはディザスター映画を多く手がけてきたエメリッヒ監督といった所か……『トップガン』とはまた違った味のスカイアクションであり、非常に見応えがある。

ただ一つツッコミを入れるとすれば、戦艦から放たれる弾幕が濃すぎる点だろうか。実際の戦闘もあんな感じだったのかは定かではないが、「主人公の戦闘機はあれをどうやって避けてるんだ……?」と疑問に思ってしまう程にとんでもない物量の銃撃であり……主人公補正?あぁ、成程……。


アメリカが大黒星を獲得した戦いというのもあって、主人公サイドは当然米軍。だが米国と日本の戦いを描く上で、日本軍の視点もまた当然欠かせない。故に両者の視点をふんだんに取り入れており、人間ドラマ的な要素は米軍側と比べほぼ全くないものの、米国の動きを察知せんと策を練る日本軍の動向もまた魅力的。

個人的には、双方負けられない戦いということで、日本とアメリカのどちらにも情を抱いているようなキャラクターがいても良かったのではと思った。そういう意味では、序盤では日本の祝賀会に出席するなど比較的日本と親密な関係にあったものの、最終的に日本軍の本当の狙いを暴き出し、アメリカを勝利へ導いたレイトンこそが、そういったジレンマを抱えるのに一番適した登場人物ではないかと言えるかもしれないが……

しかしまぁ、今作のメインディッシュとなるのは先述した迫力抜群のスカイアクションである。故にドラマパートは案外無視しても問題ないのかもしれない。


だが私は一点だけ、この映画に文句が言いたい。と〜にかく登場人物が多い。似たり寄ったりな性格&見た目の奴が多すぎるあまり、誰が活躍して誰が生き残って誰が戦死してしまったのか、終始ぐっちゃぐちゃで分からなかった。個人的にはもう少し登場人物を絞って欲しかった……

それにより、ストーリーの流れが若干分かりにくかった部分も。

まぁ、私の読解力の問題のような気もするが。戦争を題材にした物語ってのはある意味群像劇と同義だからね。


今作は所謂「メッセージ性を省いた戦争映画」だと私は思っている。そしてその省かれた部分を、スカイアクションのパワフルさに転換しているような感じだ(いや、そもそも今作を戦争映画と定義するべきなのか……??)。

兎にも角にも「エメリッヒっぽい映像だなぁ〜」がずっと続く2時間弱だった。実は公開当時にも劇場で鑑賞したのだが、その時の思い出も沸々と蘇りつつ。そして何よりも主人公のディック・ベストが超〜〜カッコいい。そんな一本でした。

それではまた、次の映画にて。

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