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映画#121『スタンド・バイ・ミー』
『スタンド・バイ・ミー』(”Stand by Me”)
監督:ロブ・ライナー
原作:スティーヴン・キング『スタンド・バイ・ミー』
出演:ウィル・ウィートン、リヴァー・フェニックス、コリー・フェルドマン、ジェリー・オコンネル、キーファー・サザーランド、他
配給:コロンビア・ピクチャーズ
公開:1986年8月22日(米国)1987年4月18日(日本)
上映時間:89分
製作国:アメリカ合衆国
【あらすじ】
オレゴン州の小さな田舎町キャッスルロック。それぞれに家庭の問題を抱える4人の少年たちが、町から30キロばかり離れたところに列車の轢死体が放置されているという噂を聞き、死体探しの旅に出る。
画像出典:映画.com
「青春映画の金字塔」として名高い今作、そんな名作を今更初見で鑑賞した私は、咄嗟に自分の小学生時代を思い出した。仲のいい友人たちと共に歩んだ帰路、それは我々にとって正に「大冒険」であったと……今ではバイト帰りのチャリで駆け抜けるだけの道は、小学生の私にとってはまさしく「冒険の旅路」だった。
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そんな道で友人たちと交わした会話、ちょっとした言い合いで起こった喧嘩、どこに続くか分からない家の塀、落ちたら死ぬぞと茶化しあった深めの側溝……今ではもう忘れてしまっていた「あの頃の思い出」を、まさかここまで鮮明に思い出すとは。そりゃー「傑作」と呼ばれるわけですわ。「真に童心に帰れる映画」とはこのことだったか……。
今作における抒情的な雰囲気(所謂「エモい感じ」)の真髄は、あのラストにあると私は思っている。あの不良グループを含めた大人たちにはそうでもない距離でも、あの4人にとっては今後体験し得る事のない、壮大でワクワクに満ち溢れた旅路……そんなかけがえのない思い出を共に過ごした四人組、しかしその後彼らが集うことは無かった……
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私的に、今作のミソと呼ぶべき部分はここにあると思っている。ウマは合えど、それぞれの家庭の環境も問題も異なり、各々が煮え切らないフラストレーションを抱いていて……故に、この後彼らが一堂に会することは永遠に無かったのだろう。それまでの経緯を見ると、この結末は非常〜〜〜に切ないものだが、彼らは元よりそうなってしまう運命にあったのだと私は思う。
齢18を超えたとはいえどまだまだ青臭いクソガキである私だが、遂に小学校での思い出が「すぐに忘れてしまいそうな淡い記憶」になってしまう年齢になってしまうとは……うーん、これはできればあんまり味わいたくない感慨深さだ。
だが、そんな儚い思い出たちを限りなくリアルに思い出させてくれた、そんな今作には最大限の感謝を贈りたく思う。少し道を踏み外した先に広がる別世界を、かつての友人たちと共に歩んだ……そんな脆く美しい思い出たちを、この先大人になってもできれば覚えていたいなぁ。そう切に願うばかりだ。
それではまた、次の映画にて。
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