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映画#125『海賊とよばれた男』

『海賊とよばれた男』
(”Fueled: The Man They Called 'Pirate' ")


監督:山崎貴
原作:百田尚樹『海賊とよばれた男』
出演:岡田准一、吉岡秀隆、染谷将太、鈴木亮平、野間口徹、ピエール瀧、綾瀬はるか、小林薫、光石研、堤真一、近藤正臣、國村隼、黒木華、須田邦裕、小林隆、他
制作会社:ROBOT
配給:東宝
公開:2016年12月10日
上映時間:145分
製作国:日本

Wikipediaより引用

【あらすじ】
主要燃料が石炭だった当時から、石油の将来性を予感していた若き日の国岡鐡造は、北九州・門司で石油業に乗り出すが、その前には国内の販売業者、欧米の石油会社(石油メジャー)など、常に様々な壁が立ち塞がり、行く手を阻んだ。しかし、鐡造はどんなに絶望的な状況でも決して諦めず、それまでの常識を覆す奇想天外な発想と、型破りの行動力、何よりも自らの店員(=部下)を大切にするその愛情で、新たな道を切り拓いていった。その鐡造の姿は、敗戦後の日本において、さらなる逆風にさらされても変わることはなかった。そしてついに、敗戦の悲嘆にくれる日本人に大きな衝撃を与える “事件”が発生する。

Filmarksより抜粋

画像出典:映画.com

今では日常生活において幅広く使われている「石油」という存在。しかし戦前・戦後の日本……果てには世界の先進国において、石油はエネルギー源として決して欠けてはならない代物となった。

だがしかし、そういった革新的なアイデアが生まれ出たとしても、それが世の中に浸透するには長い歳月と血の滲むような努力が必要なのは言うまでもない。

一世一代の大勝負、勝てば官軍、負ければ大損、いわば「博打」……
それを成し遂げた男こそが「国岡鐵三」。『海賊とよばれた男』だ。


百田尚樹による大人気小説が、『ALWAYS 三丁目の夕日』『永遠の0』の山﨑貴監督の手によって映像化。率直な感想としては、もう〜とにかく「熱い映画」……これに尽きる。

「いっちょやってみっかぁ……!」というセリフと共に映される鐵三の鋭い目付き。戦場という地獄から帰還しても尚、恩人である鐵三のために石油の採取を行う国岡商店の部下たち。そして鐵三の、まさに「海賊」の如し荒々しさが垣間見える戦略。

とにっっっかくひっっったすらに映画の温度が高め。あまりにも高温な為か脚本は少々荒削りさが目立つが、それすらも消化するほどの熱気にただただ圧倒され続ける約2時間半。

そうして熱い展開が連続し、ようやくほとぼりが冷めた頃に突入するエンディングに泣かされる。公開当時に劇場にて鑑賞した際、年老いた鐵三が徐に手を上げ始め、国岡商店の歌と共に仲間たちと海の上を進み続ける、その姿に思わず涙したのを今でも鮮明に覚えている。

悪く言えば、今回改めて鑑賞するまで今作に対する印象は「ラストが泣けた」ぐらいしか無かったので、この映画の熱気にやられた時はそりゃーもう驚いた……が、同時に懐かしさと新鮮味を味わうことができた次第だ。


だが……何故国岡の油は他国の大御所を抑えるまでに優れていたのか?そもそもそういった良質な油が生み出された経緯は?物語の根幹部分にあたる要素が、明らかに説明不足だった感は正直否めない……

と思うと同時に、タイトル通り今作にて描かれるべきなのは「国岡鐵三という名の男」であり、決して「国岡商店の発展」がメインテーマではないというのも事実。

その点に関しては、前者のテーマはしっかりと押さえられている故、細かい所は実際問題どうでもいいのでは??とも思う。監督の作風上、多少物語が大味になっても良いとは思うので……特定の作品を除いては。


何故、これほどの作品を作れる監督が『ユア・ストーリー』などというヤベェ映画を撮ってしまったのか。本当に疑問でしかない。「最高の作品」か「最低の作品」しか生み出さない映画監督……もしやこれも一種の監督としての特徴なのではないだろうか。笑

せめて今年公開の『ゴジラ』は「最高の作品」にして下さいよ。頼みますよ山崎さん。

それではまた、次の映画にて。

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