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映画#131『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』

『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』
(”Indiana Jones and the Temple of Doom")

監督:スティーヴン・スピルバーグ
原案:ジョージ・ルーカス
出演:ハリソン・フォード、ケイト・キャプショー、キー・ホイ・クァン、アムリーシュ・プリー、ロシャン・セス、フィリップ・ストーン、ロイ・チャオ、他
製作会社:ルーカスフィルム
配給:パラマウント・ピクチャーズ(米国)CIC(日本)
公開:1984年5月23日(米国)7月7日(日本)
上映時間:118分
製作国:アメリカ合衆国

Wikipediaより引用

【あらすじ】
前作より1年前の1935年。上海のナイトクラブでマフィアとトラブルになったインディは、クラブの歌姫ウィリーと現地の少年ショーティを連れて逃亡するが、飛行機が墜落しインドの山奥に不時着してしまう。寂れた村に辿り着いた彼らは、この村の子どもたちが邪教集団にさらわれ、村の秘宝「サンカラストーン」も奪われたことを知る。奪還を依頼されたインディたちは、邪教集団の根城であるパンコット宮殿へと向かう。

映画.comより抜粋

画像出典:映画.com

今更気づいたけど、今作は前作の前日譚的な感じなのね。今度のインディは、インドの寂れた村と不気味な神殿を舞台に秘宝「サンカラストーン」を巡って邪教集団と対峙することとなる。

監督、主演は前作と同じ。第95回アカデミー賞にて助演男優賞を受賞したキー・ホイ・クァンが子役として出演していることでも有名だ。


スティーヴン・スピルバーグは、「『インディ・ジョーンズ』シリーズの中でどれが1番完成度が高いか」という質問に「やっぱり1作目(『レイダース』)かな」と答えた。

一方私としては、前作よりも今作の方が圧倒的に楽しめたと思う。まずはインディの仲間たちのキャラがとにかく濃いこと。天真爛漫なショート、何かとギャーギャー騒ぎまくるナイトクラブ歌手のウィリー。

作中、私はインディを含めたこの3人組が愛おしくて愛おしくて仕方なかった。そんな彼らが繰り広げる冒険活劇は見所満載だし、一見ソリが合わないような彼らでも何だかんだ結束できている所もまた良い味を出している。

ちなみにスピルバーグは今作を「シリーズの中で最悪の出来」と酷評している模様……『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』の時もそうだったが、もしかするとスピルバーグは所謂「続編」を作るのが苦手なのかもしれない。


『インディ・ジョーンズ』シリーズでは、毎作毎作インディが飛行機に乗り込み世界のあちこちを飛び回っている。前作は南米→ネパール→エジプト→ギリシャと、正に「大冒険」と呼ぶべき舞台の移り変わりを見せていた。

一方、今作はさほど舞台が移動することはない。中国・上海にてマフィアに追われ、乗り込んだ飛行機が墜落してインドに落下。以降はずっとインドを舞台に物語が展開していく。

だがこの「飛行機の墜落」という展開、実に冒険活劇的だとは思わないだろうか。ゴムボートで脱出するという荒唐無稽な手法を含めて、実にドキドキとハラハラに満ちたアクシデントだ。


物語終盤では、邪教集団に捕らわれ奴隷として働かされていた子供たちを解放した後、追っ手とのトロッコ・チェイスが繰り広げられる。『インディ・ジョーンズ』シリーズでは度々カーチェイスアクションが展開されるのだが、この異例のトロッコ・チェイスもまた疾走感と迫力に満ちた見応え抜群のアクションシーンだ。

線路のスイッチを切り替えるという一瞬の判断力が試される駆け引きや、線路上の障害物を如何にして乗り越えるのか、といったありとあらゆる場面が詰め込まれたシークエンス。これぞまさに『インディ・ジョーンズ』!!と声を大にして言いたい。


とまぁ熱く熱弁してきた訳だが、スピルバーグが今作を酷評した理由も分からなくは無い。前作と次作に比べ、今作の構成は大分「異質」じみている。まぁシリーズ化されて間もないため、作品が迷走してしまうのは致し方ないものだが……。

とは言えど、だからといって『インディ・ジョーンズ』の面白味が全くもって感じられなかったという訳では決して無いし、第95回アカデミー賞授賞式でのキー・ホイ・クァンとハリソン・フォードのハグがもたらす感動は今作抜きでは成立しなかったろう。

「皆が嫌いって言ってるから自分も嫌いって言っておく」というのは、映画を語る上で決して犯してはならないタブーだと思うので……。

それではまた、次の映画にて。

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