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映画#123『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』

『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』
(”Dungeons & Dragons: Honor Among Thieves")


監督:ジョナサン・ゴールドスタイン
原作:ハスブロ『ダンジョンズ&ドラゴンズ』
出演:クリス・パイン、ミシェル・ロドリゲス、レゲ=ジャン・ペイジ、ジャスティス・スミス、ソフィア・リリス、ヒュー・グラント、他
製作会社:パラマウント・ピクチャーズ、エンターテインメント・ワン、ウィザーズ・オブ・ザ・コースト
配給:パラマウント・ピクチャーズ(米国+α)東和ピクチャーズ(日本)
公開:2023年3月31日
上映時間:134分
製作国:アメリカ合衆国、カナダ

Wikipediaより引用

【あらすじ】
様々な種族、モンスターが生息する世界、フォーゴトン・レルム。盗賊のエドガン(クリス・パイン)と彼の相棒である戦士のホルガ(ミシェル・ロドリゲス)は、ある目的のために旅に出る。特殊能力を持った魔法使いサイモン(ジャスティス・スミス)とドルイドのドリック(ソフィア・リリス)、そして聖騎士のゼンク(レゲ=ジャン・ペイジ)とパーティを組み、全世界を脅かす巨大な悪の陰謀に対峙することになる・・・。

Filmarksより抜粋

画像出典:映画.com

ハリウッドでは『LotR』シリーズに代表される、剣と魔法と冒険に彩られた世界観を有するジャンル、通称「ファンタジー映画」。今では映画以外の媒体においても既にやり尽くされたネタではあるが、それでも尚根強い人気を誇っているのは言うまでも無い。今作『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』もまた、正に「王道」と呼ばれるファンタジー映画の一つだ。

今作を一言で言い表すならば「爽快」。主人公らは全員訳アリな小悪党(一部を除く)であり、『ドラ◯ンクエ◯ト』などで見る様な勇者では決してない。言うなれば「中世版ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」のような存在だ。

だがしかし、そんな「ノリの軽さ」が今作の最大の特徴でもある。故にストーリーも非常に軽快なものになっており、コメディとファンタジーの融合という作風は観ていてとても心躍る。

『LotR』の様な重厚なファンタジーも悪くはないが、小難しい設定が主流となっている昨今の娯楽作から「ある意味」逸脱している今作は、現代における映画という文化にとって所謂「箸休め」的な立ち位置となっており、それがかえって人気を博しているのではないか、と私は思っている。


とは言えど、ファンタジーの世界においては欠かせない「雄大な世界」という世界観は失われちゃいない。特に序盤……エドガンとホルガが牢獄を脱出し仲間探しの旅に出るシーンは、カメラワークも景色の見せ方も完全に『LotR』。おデブな炎の竜が出る遺跡も既視感があるし、エドガンの娘と旧友が待つ街が初登場するシーンはゴンドールを想起させられた。

更にはどこまでも広がる草原、凍てつく雪山に聳え立つ牢獄、聖騎士に守られた農村、死者が眠る墓地、などなど……主人公ら一行は劇中において様々な場所に赴く訳だが、その度に今作の「THEファンタジー」的な世界観に魅了される。

できれば真の黒幕(?)っぽいボスの男をもーちょい掘り下げて欲しかったかも。

そして後半……特に終盤は「荒くれ者パーティー4人組 VS 悪の魔女」というある意味王道の対決へと変化していく(『スーサイド・スクワッド』がこれに近いかも)。4人が自身の能力を発揮し、連携しながら魔女に攻撃を仕掛ける戦闘シーンは見所……なのだが、できればもう少し長く見てみたかった!!けれど魔女の倒し方は実に今作らしいものだったので、とりあえずヨシ。


さて、今作を鑑賞中、私はタイトルにもある「ドラゴン」が主人公らの前に登場するシーンを長らく待ちかねていた。『ホビット 竜に奪われた王国』における邪竜スマウグ、あるいは最近公開された『シャザム!〜神々の怒り〜』におけるラドンのような、デカくてカッコよくて炎のブレスを吐くドラゴンを期待していた。の、だが……

本編にて主人公らの前に立ち塞がるは、地下の遺跡に住まうおデブなドラゴン。いやなんで太ってんだよぉ!!俺はスリムでハンサムでベアリースケアリーなドラゴンを見たかったんだよぉ!!!それによく考えれば、ポスターに写っている赤いドラゴンもほんの一瞬、それも過去の回想にしか登場していない。

下の方にいる、ディアブロスとリオレウスのキメラみたいな奴。

まぁ〜〜〜原作はテーブルゲームだし、今作オリジナルのタイトルではない為仕方ないのだが……。詰まるところ、某大御所RPGと同じネーミングってことだろう。私はそう納得することにした。笑


凄まじい大ヒットを記録した『エブエブ』はとんでもなく複雑かつ脳味噌を酷使するエンタメ作品だったが、今作はそんな現在のハリウッドにおける「小難しい娯楽作品」ムーブに「疲れたろ?ほら」とお茶を出してくれるような、そんな作品だった。

予告編では「うわぁ、B級っぽいなぁ」と思わせておいて、いざ蓋を開けてみたらとんでもなく面白い……という感想を抱いたのは決して私だけではないはずだ。

『エブエブ』のようなユニークな映画もいいけど、たまにはこういう頭カラッポにして観れる映画もいいね……あれ、これ『シャザム2』の時も言ったような気が。笑

それではまた、次の映画にて。

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