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JW480 富士山を鎮めよう

【垂仁天皇編】エピソード9 富士山を鎮めよう


第十一代天皇、垂仁天皇(すいにんてんのう)の御世。

年が明け、紀元前27年、皇紀634年(垂仁天皇3)となった。

ここは、纏向珠城宮(まきむくのたまき・のみや)。

地図(纏向珠城宮)

垂仁天皇こと、活目入彦五十狭茅尊(いくめいりひこいさち・のみこと)(以下、イク)は憂(うれ)いていた。

イク「はぁぁ(*´Д`)。ゼッタイ、良くないよ・・・。こんなことって、良くないよ・・・。」

そこに、中臣大鹿島(なかとみ・の・おおかしま)(以下、オーカ)がやって来た。

系図(中臣氏:オーカ)

オーカ「大王(おおきみ)? 急な、お呼び出し、如何(いか)なることにあらしゃいます?」

イク「実は・・・富士山が噴火して、民(おおみたから)が苦しんでいるんだよ。」

オーカ「富士山が噴火? それは、七代目こと、孝霊天皇(こうれいてんのう)の御世のことではあらしゃいませんか? かなり昔のことにあらしゃいますが・・・。」

イク「その通り。エピソード151で語られた噴火のことだよ。あれ以来、民は離散し、荒れ果てた状態が続いているんだよ。こんなの、ゼッタイに良くないよね? どうして、歴代の大王は、そのままにしてたんだろ? 僕には、全く理解出来ないよ・・・。」

オーカ「そんな余裕が無かったのではあらしゃいませんか?」

イク「まあ、とにもかくにも、何とかしないといけない。そこで、山の御魂(みたま)を鎮(しず)めようと思うんだ。祭祀(さいし)と言ったら、中臣氏(なかとみ・し)でしょ?」

オーカ「えっ? ま・・・まあ、その通りにあらしゃいますけど・・・。」

イク「ということで、山霊(さんれい)を鎮めようと思うんだよね。富士山の麓(ふもと)で、お祀(まつ)りするんだ。祭神は、初代、神武天皇(じんむてんのう)の『ひいばあちゃん』に当たる木花開耶姫(このはなのさくやひめ)こと『サクヤ姫』だよ!」

オーカ「こうして、山麓(さんろく)にて『サクヤ姫』を祀ったのであらしゃいますが・・・。」

イク「特に決まった地で祀っていたわけじゃないんだよね?」

オーカ「そうですぅ。しかし、いつの頃からか、山宮(やまみや)として、決まった地で祀られるようになったのであらしゃいます。ちなみに、静岡県富士宮市(ふじのみやし)の山宮(やまみや)に鎮座(ちんざ)しておりますぅ。元宮(もとみや)とも呼ばれておりますぅ。」

イク「山宮浅間神社(やまみやせんげんじんじゃ)とも呼ばれてるね。」

地図(山宮浅間神社)
山宮浅間神社(鳥居)
山宮浅間神社(遥拝所)

オーカ「そして、西暦806年、皇紀1466年(大同元)に、二千年後の鎮座地に遷座(せんざ)したのであらしゃいます。エピソード151でも、解説されておりますぅ。」

イク「それが、富士山本宮浅間大社(ふじさん・ほんぐう・せんげんたいしゃ)なんだよ。」

オーカ「富士宮市の宮町(みやちょう)に鎮座しておりますぅ。」

地図(富士山本宮浅間大社)
富士山本宮浅間大社(鳥居)
富士山本宮浅間大社(拝殿)

こうして、富士山が祀られることになったのであった。

そんな頃、朝鮮半島の新羅(しらぎ)では、ある事件が起こっていた。

地図(新羅)

新羅に、阿具沼(あぐぬま)という沼があった。

その沼の傍で、一人の女が昼寝をしていると・・・。

新羅の女「ん? ウリ(私)の陰部(いんぶ)に、日の光が、虹のようになって当たっているハセヨ。そして、あっという間に、孕(はら)んでしまったハセヨ?!」

いきなり妊娠(にんしん)した女は、たちまち、赤い玉を出産した。

その様子を見ていた男がいた。

男が、次に取った行動とは? 

次回につづく

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