JW406 先祖を祀ろう
【崇神改革編】エピソード33 先祖を祀ろう
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
ここは、磯城瑞籬宮(しきのみずかき・のみや)。
崇神天皇こと、御間城入彦五十瓊殖尊(みまきいりひこいにえ・のみこと)(以下、ミマキ)の元に、ある男たちがやって来た。
それは、葛城宮戸彦(かずらき・の・みやとひこ)(以下、みやさん)。
大伴豊日(おおとも・の・とよひ)。
久米彦久米宇志(くめ・の・ひこくめうし)(以下、うし)。
中臣探湯主(なかとみ・の・くかぬし)(以下、クッキー)の四人である。
ミマキ「揃(そろ)いも揃って、如何(いかが)致した?」
みやさん「今日は、御願いが有って、参内(さんだい)したのでござるよ。」
ミマキ「もしや、汝(いまし)らも、社(やしろ)を建ててくれと申すのではあるまいな?」
豊日「なして(どうして)分かったんや?」
ミマキ「やはりのう・・・。わしは、大王(おおきみ)ぞ? なんでも、お見通しなのじゃ!」
クッキー「前回、真清田神社(ますみだじんじゃ)の創建が有りましたので、そう思われたのでは、あらしゃいませんか?」
ミマキ「うっ・・・。」
うし「図星(ずぼし)みたいっすね。」
ミマキ「そ・・・そんなことより、何を、何処(いずこ)に建てれば良いのじゃ?」
みやさん「高千穂(たかちほ)に社を建てて欲しいのでござるよ。」
ミマキ「高千穂じゃと?」
うし「エピソード0.5で紹介された、鵜戸神宮(うどじんぐう)を創建して欲しいんすよ。」
ミマキ「鵜戸神宮と言えば、初代、神武天皇(じんむてんのう)の御父君(ごふくん)が祀(まつ)られておる社じゃな?」
豊日「その通りっちゃが。彦波瀲武鸕鷀草葺不合尊(ひこなぎさたけうがやふきあえず・のみこと)こと『ウーガ』様が祀られた社やじ。」
ミマキ「わしの御世に創建されたと申すか?」
クッキー「そうですぅ。ちなみに、鎮座地(ちんざち)は、宮崎県日南市(にちなんし)の宮浦(みやうら)にあらしゃいます。洞窟の中に鎮座してますぅ。」
みやさん「エピソード0.5では、割愛(かつあい)されてしまいましたが、そこの洞窟は、豊玉姫(とよたまびめ)が『ウーガ』様を産んだ地とされているのでござるよ。」
ミマキ「鰐(わに)の姿になって、お産みになられたという話か?」
みやさん「その通りにござるよ。」
うし「それだけじゃないっすよ。『ウーガ』様だけでなく、御先祖様も祀られてるっす。天照大神(あまてらすおおみかみ)こと『アマ』様、その御子息の天忍穂耳尊(あめのおしほみみ・のみこと)こと『耳』様、『耳』様の御子息の瓊瓊杵尊(ににぎ・のみこと)こと『ニニギ』様・・・。」
クッキー「そして『ニニギ』様の御子息の彦火日出見尊(ひこほほでみ・のみこと)こと『ヤマピー』様。こちらは『ウーガ』様の御父君にあらしゃいますなぁ。」
豊日「そして『ウーガ』様の御子息、すなわち、御初代様も祀られてるんやじ。」
ミマキ「まるで、オールスターじゃのう・・・。」
こうして、鵜戸神宮が創建されたのであった。
つづく
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