JW434 吉備国、遥かなり
【崇神経綸編】エピソード9 吉備国、遥かなり
第十代天皇、崇神天皇(すじんてんのう)の御世。
すなわち、紀元前44年、皇紀617年(崇神天皇54)。
ここは、吉備国(きび・のくに:現在の岡山県と広島県東部)。
天照大神(あまてらすおおみかみ)(以下、アマ)が引越を要請。
御杖代(みつえしろ)の豊鍬入姫(とよすきいりひめ)(以下、きぃ)は、この地を訪れていた。
従うのは、舎人(とねり)の紀麻呂良(き・の・まろら)(以下、マロロ)。
そして、今回の解説に加わるのは、大吉備津日子(おおきびつひこ)(以下、芹彦(せりひこ))の家来、犬飼建(いぬかいたける)(以下、犬)。
留玉臣(とめたまおみ)(以下、トメ)。
楽楽森彦(ささもりひこ)(以下、サモリ)である。
きぃ「まだまだ、吉備名方浜宮(きびのなかたはま・のみや)の候補地が有るみたいですね?」
犬「左様にござりまする。此度(こたび)は、おいらたちが解説致しまするぞ!」
トメ「じゃあ、早速、始めるね! まずは、岡山県の総社市(そうじゃし)だよ!」
サモリ「かつて、温羅(うら)殿と戦った地ですねぇ。」
マロロ「して、こちらの候補地が、神明神社(しんめいじんじゃ)にござりまする。総社市の福井(ふくい)に鎮座(ちんざ)しておりまする。祭神は『アマ』様にござりまする。」
トメ「じゃあ、次に行くよ! 次は、広島県の福山市(ふくやまし)だよ!」
きぃ「広島県東部は、吉備国になるのですね? 吉備と言えば、岡山県の印象が有りまするが・・・。」
犬「されど、この地も、立派な吉備国にござりまするぞ。そして、こちらに鎮座しておるのが、今伊勢内宮外宮(いまいせ・ないくう・げくう)にござりまする。」
マロロ「名を聞くに、内宮と外宮が有るということにござりまするか?」
サモリ「そうなんですよねぇ。だから、祭神も『アマ』様と、豊受大神(とようけのおおかみ)ですよ。ちゃんと、内宮と外宮が有るのは、珍しいんじゃないですかねぇ。」
トメ「ちなみに、鎮座地は、福山市の神村町(かむらちょう)になります。」
するとそこに「アマ」様が現れた。
アマ「皆の者、解説、大儀であった。わらわは、しばらく、この地に留まるぞ。」
サモリ「ん? しばらくって言いました?」
犬「また、何処(どこ)かに行くということか?」
トメ「お・・・落ち着かない神様なんですね・・・(;^_^A)」
アマ「悪かったのう! それより、わらわを拝(おが)めて嬉しいとか、そういうのは無いのか?!」
サモリ「ここは、想っていなくても、そう言っておいた方がいいですかねぇ?」
トメ「ちょっと! 『サモリ』殿! 心にもないことを言うっていうのは、どうかと思うよ。」
犬「されど、御怒りになられて、吉備国が酷(ひど)い目に遭(あ)ったら・・・。」
サモリ・トメ・犬「う・・・嬉しいなぁ(棒読み)。」×3
アマ「さすがは、芹彦の家来たちじゃ・・・(´;ω;`)ウッ…。」
マロロ「この方々が、あの温羅を退治(たいじ)なされたのか・・・。」
きぃ「で・・・では、これにて解説を終わりまする。」
こうして、無事に吉備名方浜宮の候補地解説は終わったのであった。
つづく