JW640 二つの社
【景行征西編】エピソード11 二つの社
第十二代天皇、景行天皇の御世。
西暦82年、皇紀742年(景行天皇12)9月。
ここは、福岡県田川市夏吉。
この地を治める魁帥(首長のこと)、神夏磯媛(以下、カンナ)と、景行天皇こと、大足彦忍代別尊(以下、シロ)の一行は、再会を果たしていた。
カンナ「こんなにも早く、再び、お目もじ叶うとは、思いもよらず・・・。」
シロ「うむ。作者が、忘れておったゆえな・・・。」
タケ「して、この地にも、社を建てたいと考えておる。」
カンナ「社?」
ヤヌシ「その名も、岩屋神社なり!」
影媛「祭神は、大国主大神と少彦名命の伝説コンビにござりまする。」
おやた「こんび?」
シロ「して、鎮座地は何処になるのじゃ?」
たっちゃん「エピソード638にて解説された、岩屋権現と思われまする。」
シロ「近くの洞穴にて、麻剝の残党が潜んでおったと申しておったな?」
モロキ「左様にござりまする。」
ウナ「されど『思われる』とは、如何なる意にござる?」
たっちゃん「実はのう・・・。二千年後は、異なる地にて祀られておるのじゃ。」
夏花「遷座したと申されまするか?」
たっちゃん「うむ。西暦1658年、皇紀2318年(明暦4、万治元)に、山中に有るのは不便とのことで、遷座したようじゃ。」
いっくん「せやったら、岩屋権現は、元宮になるわけやね?」
たっちゃん「そういうことじゃな。」
小左「して、二千年後の地名で申せば、何処に遷座したのでござるか?」
たっちゃん「福岡県福智町の弁城じゃ。」
シロ「それだけでは、ないぞ。我は、他にも、社を建てた。」
もち「それが、厳島神社っちゃが。」
野見「福智町の神崎に有る、日思山に社を建てたのでござる。」
ワオン「ん? 野見殿? 日思山なる山・・・。何処にも見当たりませぬが?」
野見「実は、その後、名前が変わり、二千年後は、日王山となっておるのじゃ。」
ナッカ「ん? でも、その山に、社なんて、見当たらないんすけど?」
野見「その後、遷座されてしもうてな・・・。二千年後は、飯塚市の鹿毛馬に鎮座しておる。」
えっさん「今回は、遷座した社ばかりに、あらしゃいますなぁ。」
おやた「ところで、祭神は?」
野見「厳島神社じゃぞ? 宗像三女神に決まっておろう。」
ナッカ「えっと・・・。三女神って、アレっすよね? 野見殿? アレっすよね?」
野見「仕方ありませぬな・・・。田心姫、湍津姫、市杵嶋姫の三柱にござる。」
カンナ「三女神って、航海や交通の平安を司る神よ? どうして、その神様を祀られたの?」
野見「な・・・なにゆえかと問われても・・・。大王? なにゆえに、ござりまするか?」
シロ「うむ。なにゆえか・・・。ロマンとしか言えぬが・・・。」
やぁちゃん「が?」
シロ「『カンナ』を県主に任じようと思う。」
カンナ「えっ!?」
やぁちゃん「大王? なにゆえ『カンナ』殿を県主に? そのようなこと『日本書紀』には、書かれておりませぬぞ?」
いっくん「唐突すぎるやろ!」
カンナ「アタイも、ビックリなんだけど?! どうして、そんな流れになったんです!?」
シロ「実はな・・・。厳島神社の伝承にて、県主を、祭主に定めたと書かれておるのじゃ。されど、県主の名が分からぬ。それゆえ、汝を県主に任じることで、辻褄合わせをしようと考えた。」
カンナ「こ・・・これが、作者の陰謀ってヤツなのね。」
シロ「して『カンナ』を、厳島神社の祭主と成す。喜べ。」
カンナ「まさか・・・こんな展開になるだなんて・・・。」
こうして、作者の陰謀が発動したのであった。
そして、一行は、社を建てると、再び、南へと歩を進めることとなった。
シロ「では『カンナ』よ。この地のこと、汝に任せたぞ。」
カンナ「かしこまりました。皆様方の御息災、祈っておりまする。」
やぁちゃん「『カンナ』殿も、息災でね。」
カンナ「そのような・・・。畏れ多いことにございます。」
リトル「あうわ!」
ルフィ「キキッ!」
真白「ワンワン!」
カンナ「『リトル』様とも、『ルフィちゃん』や『真白ちゃん』とも、お別れなのね・・・(´;ω;`)ウッ…。」
シロ「では、達者でな。」
ウナ「次回は、我が治める、国前国が舞台となるぞ! 喜べ!」
シロ「ん? ウナ? 何処に向かって、話しておるのじゃ?」
次回につづく