菊池ゆみこ

俳優、演劇ワークショップ・ファシリテーター。全国の小中学校・高校で演劇の手法を用いた学…

菊池ゆみこ

俳優、演劇ワークショップ・ファシリテーター。全国の小中学校・高校で演劇の手法を用いた学習活動としてのワークショップを実施しています。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了、都留文科大学非常勤講師。 【Keywords】演劇ワークショップ、演劇教育、応用演劇、ファシリテーション

最近の記事

ファシリテーター日記⑽_ 這いつくばって観察する

埼玉県の中高一貫校でお仕事の日。 プチ乗り鉄なので乗り慣れない電車にわくわくしながら向かう。 今日は中学2年生へ向けてのワークショップ。年に3回実施予定の初回だ。 ここの学校では私はプログラムデザインや全体の進行を行うメインファシリテーターではなく、グループワークをサポートするグループファシリテーターを務めることになっている。 今日は3回実施の初回なので、とにかく生徒の顔と名前、彼らに起きていたことを覚えるのを意識する。メインファシリテーターやほかのグループファシリテータ

    • ファシリテーター日記⑼_場の活性と学びのバランス

      大学の授業の日。 在来線の特急に乗ってゆく。昨年度から通っているのだが、いつも軽く電車酔いするのをどうにかしたい。三半規管が弱すぎる。 始業。大学教員として前に出るので、ファシリテーターと役割は違うものの、今日もきちんと呼吸しながら喋ることは意識する。 スタニスラフスキーを読んできてもらったり、次回までに集まって練習してきてね、と伝えたりするが、これが難しい。 予習している人としていない人がいる、といった具合に授業にきた時点で参加の前提が違うより、全員今日初めてこの活動を

      • ファシリテーター日記⑻_やり慣れたプログラムこそファシリテーションの背骨を通す

        NPO法人PAVLICでの仕事。 小雨のなか向かう。都立高校の2年生を対象にしたワークショップ。 コミュニケーションゲームとジェスチャーゲームをアレンジしたグループ創作、というやり慣れたプログラム。やり慣れているからこそ、考えなくてもまわせてしまう。それはこわいことだ。ねらいとファシリテーションの背骨を通さないと、楽しい活動だった、というだけで終わるか、盛り上がらずに終わる可能性が高い。 前日からプログラムをチェックして、「多様性をみとめあうことが面白さにつながる」というこ

        • ファシリテーター日記⑺_環境デザインも大事

          NPO法人PAVLICでのお仕事。 考えごとをしていたら仕事先の最寄り駅を乗り過ごしていたのでゾッとしながら戻って急いで着く。 10:10集合、11:30ころ始業。 先週からお邪魔している学校で、別の学年を対象にした今年度初回のワークショップ。 比較的上の学年を対象とするので、盛り上げるよりも、どんな人がいるのかをしっかり観察する、そして逆に生徒にも私たちのことを知ってもらうことに重点をおく。生徒をよく観察するには全体を見るのが重要で、よく見るには身体のチカラを抜いておいた

        ファシリテーター日記⑽_ 這いつくばって観察する

          ファシリテーター日記⑹_大学の授業がはじまった

          大学での非常勤の授業の日。今日が初回なのでお互いにドキドキだ。履修システムを確認すると、2限の授業は130名、3限は80名も履修してくれているとのこと。 普段学校でワークショップをするときは1クラス40人を2人〜6人でファシリテーションするので、当然それとは違う進め方をすることが求められる。一方でワークショップ特有の学び合いの要素はきちんと残したい。 その度合いはまだ探っているところでもある。 文献を読んできてもらう、とか、授業時間外で話し合ってきてもらう、とか、その場で

          ファシリテーター日記⑹_大学の授業がはじまった

          ファシリテーター日記⑸_うまくいかないことに意味がある

          今日は2現場をかけもちする日。どちらもNPO法人PAVLICでのお仕事。 1つめは5日ほど前にうかがった学校で、同じクラス・同じ生徒を対象にしたワークショップ。 (そのときの記事はこちら) 生徒も私たちも互いに記憶が新しいうちに2回めのワークショップをやらせていただく。 1回めの記録をもとに、今日どんな変化があるかを見ていくのが今日我々がすべきところだろう。個別の生徒の変化、そしてクラスの雰囲気の変化。 複数クラス実施する中、あるクラスでふと「あ、このクラスは全チーム

          ファシリテーター日記⑸_うまくいかないことに意味がある

          ファシリテーター日記⑷_ただ「へぇぇ」「そうかぁぁ」と違いを味わう

          NPO法人PAVLICでのお仕事。 都立高校の定時制に通う1年生から4年生全員にむけた、クラス開きとアイスブレイクのワークショップ。 夕食をいつ食べたらいいかわからないなーと思いながら欲望の赴くまま家でカップヌードルPROを啜り、ダウンコートをクリーニングに出してから現場へ。 17:00入り、18:00すぎに始業。 プログラムは事前に作成しているが、今日は百戦錬磨のファシリテーターとコーディネーターでの5人チームなので、打ち合わせをしながらひとつひとつ、細部をつめる。 打

          ファシリテーター日記⑷_ただ「へぇぇ」「そうかぁぁ」と違いを味わう

          ファシリテーター日記⑶_ABどっちでいくか

          NPO法人PAVLICでの仕事。 都内の私立の中高一貫女子校で、中学1年生へのクラス開きのためのワークショップ。 大事なクラス開きを預けてくださることがありがたい。 一昨日、昨日と朝から実施だったスケジュールから一転して午後からの実施なので、不安になり何度も集合時間を確認してしまう。 私自身私立の中高一貫女子校出身なので、かつての自分をつい重ねてしまう。教室で席に座ったまま、出席番号順に自己紹介をしたときのことを強く覚えている。といっても自分が何を言ったかはひとことも覚え

          ファシリテーター日記⑶_ABどっちでいくか

          ファシリテーター日記⑵_きちんとリセットする

          NPO法人PAVLICでのお仕事。 自宅に比較的近い現場なので、電動自転車を漕いでむかう。自転車で行ける範囲とはいえ30分漕いでいたので降りたとたん太ももがわなないている。 7:35に学校入り、9:00前に始業。 都立高校の1年生むけに、2校時100分ずつ、クラス開きを目的とした演劇ワークショップを全クラスに実施する。1クラス2人体制でのファシリテーションだが、クラス数も多いので、コーディネーターさんについていただきつつ、10人を超えるファシリテーターでおじゃまする。 こ

          ファシリテーター日記⑵_きちんとリセットする

          ファシリテーター日記⑴_無理に盛り上げない

          NPO法人PAVLICでのお仕事。 7:30に学校入り、9:00前に始業。 都内の中高一貫校の中学1年生むけに、1校時50分ずつ、クラス開きを目的としたワークショップを全クラスに実施する。 新学年が始まって早々にわたしたちに授業時間を預けてくださることがありがたく、気が引きしまる思い。 クラス開きのワークショップ。入学したてで緊張したり期待と不安のさなかでテンションが上にも下にもカンスト状態の生徒もいるかもしれない。そんな中でどんな人がいてくれたら嬉しいかを軸に今日のファシ

          ファシリテーター日記⑴_無理に盛り上げない

          20240408_ブログを立ち上げました

          こんにちは。菊池ゆみこです。 俳優と、演劇ワークショップ・ファシリテーターをしています。 様々なところで「きっこ」「きっこちゃん」と呼ばれています。 こちらでブログを立ち上げました。 日々の演劇ワークショップ現場のことを記していくブログにしたいと思います。 ワークショップ・ファシリテーターとして、私は毎回始まる前に自分のファシリテーションのおおまかな方針というか居方をさだめますし、終わってから、仲間や実施先のかたとの振り返りとは別に、その日のファシリテーションについてひ

          20240408_ブログを立ち上げました