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ファシリテーター日記(16)_初心に返って反省会回

NPO法人PAVLICでのお仕事。本日は初めての高校で5クラス同時にワークショップを実施させていただく。

事前に大まかなプログラムと何を伝えるかを決めていくが、学校に入ってから判断する部分も大きいだろうと考えて現場入り。

昼過ぎに集合。打ち合わせののち、始業。

しかし結果から言うと、もっと生徒の良さを引き出せたのではという思いが残る。悔しい……。

やり慣れているプログラムになりそうだからこそきちんと背骨を通さねばとは思っていたが、より入念な準備をすべきだった。
具体的には、さまざまなシチュエーションを想定し、それぞれのシチュエーションにおいてプログラムではなくどのようなファシリテーションを行うかをシミュレーションできたのではないか。だから、事前の自分の心づもりとして「何を伝えるか」を考えていたがそれは間違いで、「どう伝えるか」の部分、つまり言葉で伝える部分ではなくファシリテーターとしてのあり方、体現する部分をもっと考えなければいけなかった。

もちろんプログラムは破綻していないし、生徒や教室の空気が変化する瞬間は見られた。3回のワークショップの初回の位置付けとして、生徒のことを知ったり、演劇的な活動に対する心理的なハードルを下げることもできた。しかしファシリテーションよりプログラムを重視してしまったのではないか。「ワークショップ屋さん」になってしまった感がある。

以下、こうすれば良かった、と言うポイントについて列挙する形で反省会。

【基本こそ大事】
・名前を呼ぶ、承認するといったかたちでの安心できる雰囲気づくりを粘り強く

【空間の使い方とその流れをシミュレーションする】
・座るのか。立つのか。集まるのか。集まるとしたら誰がどこにどう集まるのかを明確に指示する。
・その空間の中で自分はどこに立って皆に声をかけるのか。いつも前に立つ形の方が良かった。その場合の「前」というのは必ずしも教壇・教卓のある方を指すわけではない。
・一方でカーテンや空調などの環境に早めに気づいて整えられたのは良かった。

【プログラムとファシリテーションの決定・調整】
・プログラムの決定自体は問題なかったかもしれないが、ファシリテーションの方がプログラムより大きな意味を持つ状況について想定できていなかった。
・自分の中で設定していた学習目標と現前の課題にややずれがあると感じられた時に、瞬時に学習目標・活動目標ともに微調整することができなかった。
⇨自分の中で学習目標の設定が漠然としていたのではないか。明確に「生徒間でこういうコミュニケーションを生み出したい」「生徒のこういう表情を引き出したい」という像が出来上がりきっていなかったかもしれない。または今まで経験してきたシチュエーション(学校・生徒)にイメージが引っ張られすぎていたのかもしれない。
⇨過去の経験を雛形として当てはめるとして、その経験は本当に今回も適応できるか?生徒の事前情報や課題、現状をより詳細にキャッチしてイメージをより精密に再構築すべきだった。


だいぶ悔しいな。また初心に帰ってせっせとやろう。
【プログラムとファシリテーションの決定・調整】についてはだいぶ重要な項目なので、場合によっては加筆しながら考えたい。

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「菊池ゆみこのウェブサイト/演じる・あそぶ・まなぶ」



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