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ファシリテーター日記(14)_困っていることを表出してくれるようになりつつある

大学の授業の日。1週間はあっという間だ。
小雨の中出勤。
前回の授業では情報を詰め込みすぎてしまったので、今回はポイントを絞る。
(前回の反省)

ただ、情報を削ってしまうと、複雑な論を極端に要約することに繋がりかねない。そこで複雑なものを複雑なままにしておきつつ、「今日覚えて帰って欲しいこと」「今日頭に置いて活動して欲しいこと」など、楔を打ちながら授業を進行するのが今日の目標。

また、どうしても文献の解説は概念的なことになりがちなので、できるだけ具体例を示しながらインタラクティブに話すのも目標。

諸々準備して始業。
2限はV・Pリッチモンド,Jマクロスキー著・「非言語コミュニケーションの心理学」の冒頭部を扱う。この文献は、演劇的なワークにブーストをかけるための位置付け。文献の位置付けを自分の中で明確にできていると解説もスムーズだし、ポイントを示しながら授業を進められる。

3限は引き続きエリカ・F・リヒテ「演劇学へのいざない」を扱う。
演劇を専門としていないと読みづらい面があるが、豊富に具体例を挙げながら、それもできる限り自分の体験を挟みながら説明したので前回より伝わりやすかったもよう。
また、文献を解説した後は前回と同じ流れにした。同じ流れで何回か授業を繰り返せると、学生もやり方が慣れて、練れていくのではと言う目論見。実際滞りなく進行して一安心。

政治的なイベントや冠婚葬祭も上演のひとつなのだと説明した時、そしてさらにそこから発展させて第二次世界大戦下のドイツでの政治的なイベントについて説明した時、学生の表情がキュッと引き締まったのが印象的だった。

授業5週目、学生が困った時にきちんと困っていることを表出してくれるようになりつつあるし、とんでもないヘンテコなアイデアを表出してくれるようにもなった。このまま丁寧に関係を結びながら授業していこう。


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