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ファシリテーター日記(22)_台本をめくる紙の音だけが教室に響く

大学の授業の日。
大学の授業では身体がリラックスした状態を保てることがわかってきたので、今日も力みすぎず、情報を伝える身体と化す。

2限は戯曲の読解と稽古を通じた他者理解についてのセクション。とくに価値観やその人をとりまく文化や社会情勢、時代が違う人物=遠い他者について、丁寧に戯曲の分析をして、自分の身体を通して演じることで理解が進むか?をテーマに。
役の分析の前に作品の時代背景を説明しながらも、あまり私が熱心に説明しすぎると学生が読み取る部分が少なくなるかもな、と、情報量は変えずに、間や声のトーンに気を払った。

3限は数週間悩んでいた内容。演劇がいかに社会や時代を反映してきたか、しうるか、という講義だ。

単なる知識だけではなく、社会と演劇のつながりの切実さをどう伝えるか。悩んだ末に講義の冒頭に「ガザ・モノローグ」を朗読。

私が台本をめくる「カサリ」という音だけが教室に響いた。

その後のグループワークの取り組みからも、
演劇がいかに社会を反映してきたか、しうるか、切実なまでに不可分かがきちんと伝わっていたようで安心した。


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