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ビデオゲームコラム・エトセトラ

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ビデオゲームについての雑多なコラムです。
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#アーケードゲーム

『ガントレット』イベントとヒップアップ島崎俊郎さんの思い出

『ガントレット』イベントとヒップアップ島崎俊郎さんの思い出

ヒップアップのリーダーだった島崎俊郎さんが亡くなられた。

ぼくが学生のとき、新宿のスタジオアルタで『ガントレット』のリリースイベントがあって(1階の大通り前で)、当時ナムコでバイトしていたぼくも手伝いで駆り出された。そのとき営業で来ていたのがヒップアップでした。

イベントは、来場したお客様に『ガントレット』をプレイしていただくというもので、ぼくはプレイし終えた人に特製の缶バッジを渡す仕事をして

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1980年代のeスポーツ~ベーマガ “チャレハイ” の思い出~

1980年代のeスポーツ~ベーマガ “チャレハイ” の思い出~

ゲームセンターでハイスコアを申請すると雑誌に名前が載るという文化

以前、別のところでも少し話したことがあるのですが、『マイコンBASICマガジン(通称ベーマガ)』の「チャレンジ!ハイスコア」(通称チャレハイ)の思い出を書きます。 ※最近のツイートの転載です

チャレハイとはベーマガの1コーナーで、全国のゲームセンター約100店舗で出された各種ゲームのハイスコアを毎月集計し、ゲーム毎に全国トップを

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アクションゲームにおける“ダイレクトな死”の回避の歴史

アクションゲームにおける“ダイレクトな死”の回避の歴史

 最近、ツイッターでシューティングと難易度の話題が上がっているのを見ました。歴史的経緯などを含め、この話は定期的に繰り返されますね。

 ぼくもこの話題については以前、強制スクロールという視点からnoteに記事を書いたことがあるのですが、今回また違う角度から、シューティングゲームを含め、アクションゲームにおける「死に易さ/死ににくさ」がどう変遷してきたか、少し書いてみました(ちょっと大げさなタイト

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昔のアーケードゲームの移植作を同じ感覚で遊ぶことの難しさ

昔のアーケードゲームの移植作を同じ感覚で遊ぶことの難しさ

 ちょっと前になりますが、移植ゲームの忠実度についての話題を見ました。自分も思うところを少し書いてみます。長いけど個人的な感覚の話で、ほかのかたが書かれていることにどうこうという気持ちはまったくないです。

当時そのままの『パックマン』とは何なのか ぼくが昔のゲームの移植版(とくにごく黎明期のアーケードの)を遊んでいてときどき気になるのは、稼働当時の筐体で遊んでいたときのプレイ感の再現が難しいとい

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昔のゲームセンターは不良のたまり場だったというのは正しいけどすべてではない?

昔のゲームセンターは不良のたまり場だったというのは正しいけどすべてではない?

 先日ツイートした内容の転載です。

 「昔のゲーセンは不良が跋扈してたって都市伝説でしょ?」というちょっと若めの人のツイートが話題になってたけど、すごいなと思ったのが、そこについた引用リツイートによる怒涛のツッコミ数(都市伝説なんかじゃありませんよと)。続々と現れる歴史の生き証人の多さに圧倒されてしまった。

 それらが見事なオーラルヒストリーになってて、同窓会のようなにぎわいにも見えておもしろ

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敵にお邪魔キャラを送り込む対戦ゲーム

敵にお邪魔キャラを送り込む対戦ゲーム

 しばらく前にツイートした内容を少し修正してアップします。

 『スーパーマリオブラザーズ35』にも採用されている「敵を倒すと相手に送り込まれる」システムを最初にやった対戦ゲームって何ですかね?

 『ぷよぷよ』が思い浮かぶんだけど、ゲームボーイ辺りのソフトでいろいろあるのかな。フィールドを共有せずに対戦を成り立たせる優れた発明の一つですよね。

 ……というツイートをしたところ、いくつかリプをい

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ゼビウス総攻撃バグの話題と、同ゲームの伝説化に関する考察

ゼビウス総攻撃バグの話題と、同ゲームの伝説化に関する考察

先日ツイートした内容の転載です。

 発売から40年近く経つアーケード版『ゼビウス』に、今になって敵が総攻撃してくるバグが見つかったということで、ちょっとレトロゲーム界隈で話題になっています。少し検索してみたら、当時偶然これを体験した人もいたみたいですね。

 ナムコにいたときに『ゼビウスアレンジメント』というゲームのディレクションを担当しました。そのときオリジナル版も選択できる仕様だったので、プ

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『ゼビウス』のフォロワーズ

 2017年のツイートの転載です。

 『ゼビウス』大会“うる星あんず杯”開催とのことで、先日久しぶりに高田馬場ミカドに行ってきた(観戦だけ)。合間に数十年ぶりに『イスパイアル』と『ファイヤーバトル』をプレイ。『ファイヤーバトル』難しすぎるw 以下、ちょっと連投。何か間違ったこと書いてたら突っ込んでください。

 『イスパイアル』と『ファイヤーバトル』はどちらも『ゼビウス』の後追いでおそらく慌ただ

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『ヘッドオン』とその仲間たち(?)

『ヘッドオン』とその仲間たち(?)

 2017年のツイートの転載です。

 けっこう前の話だけど、ふと思い出したので。ベーマガメンバーで埼玉にあるBEEPさんの倉庫にお邪魔したときに、いろんなレトロアーケードゲームをプレイさせていただいたのだけど、中でも久々に遊んで一番おもしろかったのが『ヘッドオンII』。これは自分でも意外だった。

 『ヘッドオン』は1979年にセガから発売された、前進+スピード調整+レーン変更しかできないドット

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昔のハイスコアラーと今のeスポーツと

 先日、旧知のメンバーと久しぶりに会って食事をしました。SPREAM-I.Z氏、SPREAM-SOL氏、SPREAM-KDD氏のお三方です。昔のアーケードゲームのハイスコアラーじゃないと分からないと思うのですが、皆さん、当時のゲーム雑誌のハイスコアランキング常連として有名な方々です。

 SPREAM-というのはサークル名です。ハイフン以下は個々人のスコアネームです。スコアネームとはペンネームとか

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『Breakout』と『Asteroids』に対する日米の反応の違い

 自分のお気に入りの昔のツイートを転載しておきます。
 2016年3月に「あそぶ!ゲーム展」へ行ったときのツイートです。

 先日行った「あそぶ!ゲーム展」で『Breakout』と『Asteroids』を見て思ったことがあって、どちらも初期Atariの傑作なんだけど、この2作に対する日米の反応の違いが、その後両国が進む道を端的に表していたのだなと。一面的な見方に過ぎないかもしれないけど。

 『B

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パックマンのモンスターの巣の設計

 ツイッターに書いた文章の転載です。

 先日、久しぶりに岩谷徹さんにお会いして、パックマンについて思い出したことがある。細かすぎて伝わらないかもしれないけど、パックマンの「モンスターの巣のデザイン(設計)」はじつに美しい、と。

 何が美しいって、パックマンのモンスターは全部で4匹なのに、中央にある巣は3匹分のスペースしかない(最初のアーケード版)。普通に考えたら4匹分のサイズの巣を作るでしょう

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ビデオゲームのリメイクってどう定義するのだろう?

 ツイッターに書いた文章の転載です。

 SNSでリメイクしてほしいアニメが話題になっていたけど、ゲームでふと思ったのが、『ギャラクシアン』ってほぼリメイクされてないよね(移植ではなく)。その後の『ギャラガ』などのギャッ!シリーズはリメイクではなく続編だし、『ギャラクシアン3』はタイトルだけ冠した別物だし。

 リメイクと続編の厳密な区分って、まあ難しいかもしれないけど、黎明期の名作アーケードだと

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「『ぺったんピュー』を語り尽くす」イベントに参加しました

「『ぺったんピュー』を語り尽くす」イベントに参加しました

先日、ツイッターやFacebookに上げた文章です。記録に残しておきたかったので、一部直してこちらにもアップしておきます。

2018年11月24日、秋葉原BEEPさんの「『ぺったんピュー』を語り尽くす」という、とんでもなくニッチなイベントにお呼ばれしました。イベントは、このゲームが生まれた経緯や攻略法の話(今この時代に!)などがメインで、和やかに終了しました。

『ぺったんピュー』は1984年に

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