けめこ

特撮オタクから始まり、2.5含む舞台好きへ至る。 感想という名の怪文書を出力し続ける、…

けめこ

特撮オタクから始まり、2.5含む舞台好きへ至る。 感想という名の怪文書を出力し続ける、エンタメ雑食生命体。 ここでは、自分が好きなものたちに関する感想を主に書いていきたいと思っています。

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  • 舞台刀剣乱舞

    舞台刀剣乱舞(刀ステ)の感想や考察をまとめています。

  • TRUMPシリーズ

  • トレギアさんガチ恋勢による怪文書

    タイトルのとおりです。彼の登場作品の感想、彼にまつわる考察や解釈などです。

  • 魔進戦隊キラメイジャー

  • 仮面ライダーゼロワン

最近の記事

舞台「泡沫の空に光を飛ばした」感想

オシャレなシネコンや綺麗な映画館では絶対にかからない物語。こういうのを観に舞台に行ってる。この世の光の当たらない部分で、その他大勢の1人として、這いつくばるように生きてる人たちの物語。 まやかしのハッピーエンドとか、都会の真ん中で恵まれた家庭に育ったJKの話とかいらないんだよ。頭ン中お花畑みたいな作品見ると、あれ自分が変なのかなって不安になるけど、ちゃんとこの世が地獄だと目を逸らさずに言ってくれる作品が好きで、自分だけがおかしいんじゃないことを確かめるためにいつも探してるし自

    • 舞台「ガラスの動物園/消えなさいローラ」

      11/18(土)昼の回、後日譚のローラ役:和田琢磨さんの回を観てきました。以下、ネタバレあり、観劇済み前提の感想です。 全て個人の勝手な解釈です。 トムの閉塞感は、もはや1世紀前の文学が物語と化してしまっていることを感じた。だって今なら同人やれば?で終わりだもん。 今だと仕事の自分の他に、趣味の世界の自分とか、ゲームの世界の自分、Twitter垢の自分とかって複数の自分を持てるけど、あの時代は「倉庫の仕事をしてる」以外のステータスを持ちようがないんだろう。 最も、舞台がアメ

      • 刀ステ「山姥切国広 単独行 -日本刀史-」

        ネタバレあり、鑑賞済みであることが前提となっておりますので未見の方は読まないことを強く推奨いたします 他者を「知る」ことなどできない。自己と他者の間に横たわる、絶対的な断絶。越えられない壁。他者を知るということへの、圧倒的な否定。 しかしそれは、「知ることはできずとも、思いを馳せることはできる」、むしろ「知ることができないからこそ、思いを馳せるしかない」と反転する。「思いを馳せる」つまり、他者の真実を知ろうとするのではなく、己の中で解釈する。 他者を解釈するという行為は、知

        • TXT vol.3 「TQY」(ネタバレあり)

          観劇後前提の感想です またすごいものを見せられてしまった…。 これぞ演劇、というパワーをぶつけられた。 いや、パンフにも書いてあったけど、演劇よりももっと生々しいものを見た気分。あの場で行われていたのは間違いなく「実験」そして「治療」そのものだった。 TXTシリーズには直前の仮面ライダー作品の裏テーマだったりやり残しだったりがあると思っていて、SLANGではエグゼイドの「命を奪うということ、その責任に向き合うこと」をより深く鋭く描き、IDは正直ゼロワンでこれがやりたかった

        舞台「泡沫の空に光を飛ばした」感想

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        • 舞台刀剣乱舞
          15本
        • TRUMPシリーズ
          5本
        • トレギアさんガチ恋勢による怪文書
          4本
        • 魔進戦隊キラメイジャー
          2本
        • 仮面ライダーゼロワン
          3本

        記事

          花影、というか刀ミュの価値観とか歴史観とか

          と、合わない部分の話。 完全に一個人の解釈です。好きな人は好き、合わない人は合わない、そういうものです。 花影観てきて。 なんなんだろうこの、「可哀想な存在が救われた」って建て付け。違うよ。可哀想なんかじゃない。ただそうあってしまった、その事実があるだけ。どうしてそれをそのまま肯定してはくれないんだろう。 歴史は、事実は、もう「一度そうなってしまったもの」でしかないから、それに良いも悪いもなくて。だからこそいっそのこと影でも闇でも地獄でもなんでも、ただありのままを肯定してほ

          花影、というか刀ミュの価値観とか歴史観とか

          舞台「仁義なき幕末」感想~愛憎と野望と意志が渦巻く男たちの群像劇

          ※以下全てネタバレありです 舞台が幕末でも令和でも、メインは大友と村田のクソデカ感情なんだけど、その周りもまたフレーバーとして片付けるには重すぎて…結果2時間10分とは思えない大大大ボリュームだった!!! しかし、毛利さんが死屍累々エンドを描くとこうなるんですよね~。観賞後の感じはGOZEN狂乱の剣に近い。なんか爽やかというか、収まるところにちゃんと収まったなあという感じがする。大団円エンドも好きだけど、こういうどこか達成感と満足感のある皆殺しエンドは好きだ。みんながそれぞ

          舞台「仁義なき幕末」感想~愛憎と野望と意志が渦巻く男たちの群像劇

          刀ステ「禺伝 矛盾源氏物語」感想&考察

          物語が物語であるということ  物語には現実と同じ意味がある、なんなら物語は物語だからこそ意味がある、なんて、自分にとっては当たり前すぎて、初見ではそのメッセージをキャッチしきれてなかったけど、これは紛れもなく物語賛歌なのですよね。  虚伝の宗左が「歴史のままに」と言うけど、今回はまさに「物語を物語のままに」しておくための戦いだった。  源氏物語の存在を否定するわけではない、ただ、あれは紫式部がままならない現実とは違う世界を空想したことに意味があるんであって。そう、物語だから

          刀ステ「禺伝 矛盾源氏物語」感想&考察

          刀ミュ「江おんすていじ」感想

           平日になんとかチケットが当たって見てきましたよーー!!  篭手くん、夢が叶ってよかったね……!!  以下、ネタバレあり前提の観劇直後の書き散らしです!!!  葛藤、曖昧、複雑、そういったものをそのままで許容する、という物語かなと思いました。あるがままにいい意味で丸投げに提示するというか。そしてさらに、このスタンスそのものすら絶対の正解としては描かず、あくまでも江+この2振りはこうです、という感じ。  まさしく刀ミュ本丸の物語なんですよね、曖昧を許容しようとする刀たちは確実

          刀ミュ「江おんすていじ」感想

          舞台「漆黒天-始の語り-」感想&考察

          映画の感想をFilmarks、舞台の感想をふせったーに書いていたのですが、一か所にまとめておきたくなったのでnoteに転記しておこうと思い立ちました。 いずれも初出は別のサイトですが一部推敲しています。 漆黒天、舞台まで見ての結論は、 映画の名無しが元をたどれば陽之介じゃないかというのはなんとなく感じ取れたけど、それでも最終対決の勝敗は確定しない! ですね…。 あらやんがインタビューで語ってくれたとおり「見る人のコンディションによって結末が変わる」ですわ…。 ・陽之介と旭

          舞台「漆黒天-始の語り-」感想&考察

          映画「漆黒天-終の語り-」感想&考察

          映画の感想をFilmarks、舞台の感想をふせったーに書いていたのですが、一か所にまとめておきたくなったのでnoteに転記しておこうと思い立ちました。 いずれも初出は別のサイトですが一部推敲しています。 荒木宏文というとんでもない俳優にぶつける相手が、鈴木裕樹をおいて他にいるとしたら、それは他ならぬ、荒木宏文自身…ということか…。ものすごい作品を見た…。 パンフで坂本監督もおっしゃってたけど、せっかくの映画なので時代劇らしい引きではなくアップが多くて。あのミステリアスなあら

          映画「漆黒天-終の語り-」感想&考察

          刀ミュ「江水散花雪」感想&考察

          大千秋楽!!!おめでとうございました!!!お疲れさまでした!!!!ありがとう!!!!! こんなご時世ですがちゃっかり現地も行き(東京滞在時間わずか4時間の長距離直行直帰)、先ほどライブ配信も見届けました!!!! あの…これほんとに、経験が浅い子が多め、なんです…?例えばもしこれを俳優志望の人が見たら完全に絶望する、それくらいすごかったんですけど…。とにかくみんなすごかった…。歌も芝居も、ホール中を圧倒してた…。 一振りずつに語りたいことがあるなあ。どこからいこう。 まずは

          刀ミュ「江水散花雪」感想&考察

          演劇の毛利さんVol.1「天使は桜に舞い降りて」感想

          よりによって今年初観劇が、雪に降られた日になるとは思いもしませんでしたが。昨日、初日を無事に観劇してきました。以下、感想と言うよりただの書き殴りメモですが、自分の記録用が第一なのでそのまま投稿します。 いろんなみっちゃんが見れました。ふざけ倒してるときのみっちゃん、絶対毛利さんが好きなタイプのエネルギーもってる。そして山賊声の演技も好きだけど、そこから「怖いものなんてねえ!…いや、…そうでもねえか」って切り替わるところのトーン!ふっ、と、儚げみっちゃんになるの…!!!この声

          演劇の毛利さんVol.1「天使は桜に舞い降りて」感想

          刀ミュ「静かの海のパライソ」感想

          TLの皆様の悲鳴を薄目で見ること約2か月、先日ついに宮城公演を見届けてまいりました。なんと丁寧な地獄…。歴史を予習して行ったんですけど、あれもこれもぜんぶウィキペディアで見た…(T_T)ってなりました…。史実のしんどさを全部丁寧に拾い、かつそれを刀ミュとして仕上げている…。歴代刀ミュの中でいちばん好きかもしれません(悲劇好き) 鶴丸が島原に行きたくなかったのは、確実に多くの人をちゃんと歴史通り殺さなきゃいけないってのももちろんありますが、 「おそらく三日月は助けに来ない」こ

          刀ミュ「静かの海のパライソ」感想

          TXT vol.2「ID」

          エグゼイドとTXT vol.1「SLANG」で高橋悠也さんにハマってしまったオタクの感想です。観劇後の書き殴りをわりと生のままお出ししているので、読みにくい箇所もあるかと思いますが、ご容赦ください。 序盤、実験の詳細を聞いての印象は、「檀黎斗も永夢も8人ずつ用意してみました☆さあ実験を始めよう!」って感じだな…、正気か!?!?でした。非人道的であろうと厭わない実験者と、混じりけのない純粋な感情。まあもっとも永夢の純粋は、患者を救いたいというただ一つの感情、ってだけでなくもっ

          TXT vol.2「ID」

          刀ステ「无伝 夕紅の士 -大坂夏の陣-」感想&考察

          美しく爽やかな演練なんだろう、こんなにも爽やかな後味なのは。 これまでの刀ステの、何が起こってるのー!?とか、どうして…とか、そんな感じではなくて、ただただ、美しい儀式を見届けた、って感じです。 高台院は、歴史を変えることを望んではいなかった。ただ、豊臣という物語の終わりを見届けたかった。 だから私たちも、高台院と一緒に、史実通りに終わっていく豊臣の物語を、しっかりと見届けた…そんな感覚です。それこそ私たちは、豊臣の物語を冬の陣から見ていたのだから。その物語の終わりを、ただ歴

          刀ステ「无伝 夕紅の士 -大坂夏の陣-」感想&考察

          刀ステ「天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣-」感想&考察

          ディレイ配信までたっぷり堪能し、ぐつぐつ煮込んでいたら、いつも通り大遅刻。もう无伝が始まっちゃうじゃないですか! 前置きは置いといて、行きますよー! 一期一振とは何者か?「私は、一期一振。粟田口吉光の手による唯一の太刀。藤四郎は私の弟達ですな」 「前の主は背が高くなかったので、それに合わせてわたしはこうなったんです」 「物腰の割に服が派手……ですか。ははは、前の主の影響ですな」 これらは全部、ゲームでのいち兄のセリフです。 もう、これがすべてではないですか。一期一振という

          刀ステ「天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣-」感想&考察