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舞台刀剣乱舞

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舞台刀剣乱舞(刀ステ)の感想や考察をまとめています。
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記事一覧

刀ステ「心伝つけたり奇譚の走馬灯」

観劇済み前提、ネタバレありとなっておりますので、これから配信等ご覧になる方はくれぐれもご注意ください すごく個人的なことから書きます。 観劇した日、仕事も忙しいし体調もあんまりよくないしで、正直ベストコンディションで観れたとは思えてなくて。 両脇のお客さんが泣いてたのに、自分は全然泣かなくて。 うわ、メンタルが疲れてるよ、感受性が死んでるよ、と思ってちょっと落ち込んでたんです。 でも翌日の休みに、録画してたドラマで人が亡くなるシーンで普通に泣いてて。そこで急にアハ体験的に

刀ステ「山姥切国広 単独行 -日本刀史-」

ネタバレあり、鑑賞済みであることが前提となっておりますので未見の方は読まないことを強く推奨いたします 他者を「知る」ことなどできない。自己と他者の間に横たわる、絶対的な断絶。越えられない壁。他者を知るということへの、圧倒的な否定。 しかしそれは、「知ることはできずとも、思いを馳せることはできる」、むしろ「知ることができないからこそ、思いを馳せるしかない」と反転する。「思いを馳せる」つまり、他者の真実を知ろうとするのではなく、己の中で解釈する。 他者を解釈するという行為は、知

刀ステ「禺伝 矛盾源氏物語」感想&考察

物語が物語であるということ  物語には現実と同じ意味がある、なんなら物語は物語だからこそ意味がある、なんて、自分にとっては当たり前すぎて、初見ではそのメッセージをキャッチしきれてなかったけど、これは紛れもなく物語賛歌なのですよね。  虚伝の宗左が「歴史のままに」と言うけど、今回はまさに「物語を物語のままに」しておくための戦いだった。  源氏物語の存在を否定するわけではない、ただ、あれは紫式部がままならない現実とは違う世界を空想したことに意味があるんであって。そう、物語だから

刀ステ「无伝 夕紅の士 -大坂夏の陣-」感想&考察

美しく爽やかな演練なんだろう、こんなにも爽やかな後味なのは。 これまでの刀ステの、何が起こってるのー!?とか、どうして…とか、そんな感じではなくて、ただただ、美しい儀式を見届けた、って感じです。 高台院は、歴史を変えることを望んではいなかった。ただ、豊臣という物語の終わりを見届けたかった。 だから私たちも、高台院と一緒に、史実通りに終わっていく豊臣の物語を、しっかりと見届けた…そんな感覚です。それこそ私たちは、豊臣の物語を冬の陣から見ていたのだから。その物語の終わりを、ただ歴

刀ステ「天伝 蒼空の兵 -大坂冬の陣-」感想&考察

ディレイ配信までたっぷり堪能し、ぐつぐつ煮込んでいたら、いつも通り大遅刻。もう无伝が始まっちゃうじゃないですか! 前置きは置いといて、行きますよー! 一期一振とは何者か?「私は、一期一振。粟田口吉光の手による唯一の太刀。藤四郎は私の弟達ですな」 「前の主は背が高くなかったので、それに合わせてわたしはこうなったんです」 「物腰の割に服が派手……ですか。ははは、前の主の影響ですな」 これらは全部、ゲームでのいち兄のセリフです。 もう、これがすべてではないですか。一期一振という

刀ステ科白劇「改変 いくさ世の徒花の記憶」考察

改変だっていうのに、いや、改変だからこそなのか、重要で示唆的な展開やセリフがいくつもあった科白劇。 改変という、当初の予定とは違う形で届けられたからこそ、こっちにとっては、考察材料が増えることになったわけですね! さあ戦いますよ!私はもう、刀ステとTRUMPシリーズに関しては、末満さんの頭の中を知りたくてたまらなくて、作品と取っ組み合いの戦いをするって決めてるんです。 ちなみに考察じゃないノーマルな?綺伝の感想はこちらです。お時間ある方はぜひこちらもお付き合いいただければ嬉

刀ステ配信「科白劇 改変 いくさ世の徒花の記憶」感想

先ほど再ライブも見届けました…歌仙…本当に美しくて強い刀ですね…。 脈絡ないですがとりあえず2回見たので感想を記しておきたいと思います…。 考察もはかどっているのですがそれはまた後ほど別記事で。 愛とは、赦しとは。ずっとそれを考えていた。 願い、祈り、慈悲。それを人は愛と呼ぶ。(孝高) 憎むことは簡単で、愛することは難しい。だがその困難に立ち向かわなければ。(宗麟) ここで起こったことを、愛なんて一言で片づけることはできない。(歌仙) なぜ憎いか。それは愛おしいから。 だ

一挙無料配信で沼に落ちた初心者の刀ステ考察

このあいだの週末、最低限の買い物や家事以外、ずーっとこれに取り組んでいたのに、まさか終わらないなんてことがあるとは…。 一つ書くと、また新たな可能性や疑問がわいてきて、どんどん長くなるんですよね…。 特撮で鍛えたSF脳と、TRUMPシリーズで鍛えた末満作品脳で、考察していきたいと思います。 あくまで、あの一挙無料配信をきっかけにハマった人間の考察ですので、ゲームでは違うよ!とかあっても、お許しください。こんなこと考えてるやつもいるんだな、程度で…。 あと、長いです。ご容赦くだ

刀ステ一挙無料配信・延長戦「維伝 朧の志士たち」感想

月曜日、前夜の慈伝の楽しさや前々夜の悲伝の衝撃からまだ醒めきっていない頭で、仕事中もぼーっとしながら考察図を書いて過ごし、夜に配信購入して観た、維伝。 慈伝までの自分の考察を大きくひっくり返すことになり、仕事もあって全然まとめられなかったのですが、やっと週末になった…。 維伝単体の感想と、維伝までの考察で2記事に分ける予定です。 ・陸奥守吉行 とてもとても気持ちのいい坂本龍馬だった。(打ち間違いではありません) もう、この刀ステ世界で、元の主絡みのしんどいものは、もう、

刀ステ一挙無料配信「慈伝 日日の葉よ散るらむ」感想

終わって…しまった…。仕事中も刀ステのことが頭から離れず、早く、早く次をくれ、と思っていたあの異常な日々が。いや完全に精神異常をきたしていましたね… 土日はずっと、午前中に前夜見たものに出てきた刀剣男士のことを調べ、午後は前夜の配信視聴中に書き殴ったメモとすら呼べないものを解読し、感想や考察を書いていました。もはや狂っている。 そんな中で一昨日の慈伝は、Twitter諸姉諸兄のおっしゃる通り、癒しでしたね…まさに疲弊しきった我々を慈しむような作品。 というわけで、感想を書い

刀ステ一挙無料配信 第1章考察

えー、この一週間でドボン!と沼に飛び込んだので、 ゲームシステムも何にも知らない初見勢なのに、 時間軸考察を試みました。 頼れるのは、長年特撮オタクとしてSF系の考察を少しはやってきたってことだけ。でもいつもは販促のための変身アイテムの多さと、子供向けだからって気合いでなんとかされるやつに負けっぱなしなんですけどね。 大枠は悲伝までの情報ですが、 慈伝と維伝の予告まで見ての内容になります。 維伝見たらこれ違うのわかるから!ってのあってもお許しください。 まず小ネタから。

刀ステ一挙無料配信「悲伝 結いの目の不如帰」感想

はい。えー、昨日の分なんですが、なんと、配信視聴中に書きなぐったきったない字を解読し、考察し、まとめていたら、次の配信が始まる時間でした。自分でも何を言っているかわからない。 あ、でもちゃんと寝ましたし3食食べてますよ。大丈夫です。明日仕事になる気がしないけど大丈夫です。 そして考察がガチすぎて意味わかんなくなったので、それは別記事にします。 まずは、この衝撃的な悲伝の感想をば。 なんだこれは何を見せられたんでしょう。 一つ言えるのは、各セリフでこれまで刀ステに出たすべて

刀ステ一挙無料配信「外伝 この夜らの小田原」感想

はあ。終わってしまった。虚伝初演がうっかり48時間無料配信とかしてくるから、生配信は苦手な自分でも見てみようとか思ってしまったのが運の尽き。今や刀ステ沼にどっぷり浸かってしまいましたよ。 というわけで、バラバラにツイートしてたり、ふせったーに投げてたりした長文を、改めてまとめておきたいと思います。 ※ゲームもアニメもミュも何も知らないガチ初心者です ※ほぼ自分のために書いてる感想なので悪しからず 3記事目は外伝。 少ない続投キャストが的確にツボをついてこられてもう降伏寸前の

刀ステ一挙無料配信 「ジョ伝 三つら星刀語り」感想

はあ。終わってしまった。虚伝初演がうっかり48時間無料配信とかしてくるから、生配信は苦手な自分でも見てみようとか思ってしまったのが運の尽き。今や刀ステ沼にどっぷり浸かってしまいましたよ。 というわけで、バラバラにツイートしてたり、ふせったーに投げてたりした長文を、改めてまとめておきたいと思います。 ※ゲームもアニメもミュも何も知らないガチ初心者です ※ほぼ自分のために書いてる感想なので悪しからず 4記事目はジョ伝。 いやあ震えましたね…さすが末満、おのれ末満…(←TRUMP