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中国生活で感じたこと#4(休祝日、働き方)

自宅隔離生活6日目です。今日も天気が良いです。昔は天気が良かろうが、悪かろうが何とも思わなかったのですが、歳をとるにつれて晴れの日を好むようになりました。上海では、突き抜けるような青い空を味わうことは出来ませんが、外に出れない状況下、晴れているというだけで有難く感じます。

日本は3連休ですか。というわけで今回は働き方を中心に書いていきます。

1.休日・祝日

中国では定められた国民の休日は以下のとおりです。基本的に旧暦に基づいて決められるので、西暦上、日付は毎年変わります。

清明節(1日)、労働節(3日)、端午節(1日)、中秋節(1日)、国慶節(5日)、春節(5日)。しかもこの国慶節、春節には土日も含まれていたりするのです。これにプラスして、年末年始が1日休みになるくらいですね。だいたい15日くらいでしょうか。

面白いのが、中国では連続休暇にするために、上記の休日前後の平日を休みにして、代わりに土日を出勤日とすることがあります。土曜、日曜がオフィシャルな出勤日になるのです。はじめは非常に違和感がありましたが、週末(特に日曜)が休みというのは、西洋(キリスト教)発想なんだよなと気づき、納得した部分です(やっぱり日曜は休みたいな…)

2.日本は休みが多い?

休日日数を比較すると、中国は日本の半分程度しかありません(日本は28日くらいですよね?)。こういうことをいうと、「有給の取得率が~」と言われてしまいそうですが、確かに「取得率」でみれば、中国は極めて高いです。中国の労働法はまだまだ勉強中ですが、社員に有給を消化させないと、その会社は罰則を受けます。但し「日数」は、在籍年数によって異なりますが、在籍1年以上の社員に対して5日から15日程度です。結構少ないと思いませんか?

アメリカも休日、有給休暇の日数としては中国と同程度と記憶しています。日本が休みの日に働いている時はいつも「日本は今日も休みかよ~」と思っていました。

一方、残業はどうでしょうか。これは日本、中国ともに、会社、組織による違いが大きいと思いますが、法制度上、中国の企業の方が、残業時間を適切に管理し、残業代を適切に払うことが求められます(あたりまえといえば、あたりまえの話ですが)。

中国というと『お上が強くて、下々は弱い』という印象を持つ人が多いと思います。私もそう思いますし、それはそれで事実だと思いますが、国家体としては共産国ですから、労働者保護の法制度は整備されているのです。個人的には、妙に腹落ちした部分です。

3.ジョブ・ディスクリプション(job description)

日本でも少しづつ浸透してきていると思いますが、簡単に説明します。job descriptionとは直訳すると職務記述書となり、職務内容、職務を遂行する上での責任範囲、必要な業務知識を記した書類のことです。特に欧米系企業では、これをベースに組織編制、採用、人事査定などを行うことが一般的です。

これは、私が中国における”外資系企業”に勤務していることもありますが(一括採用ではなく、ポスト毎に募集を行うため。)、中資系企業の話を聞いていても、少なくとも日本よりは、上記のジョブディスクリプションベースの働き方が定着しているという印象です。ただし、欧米ほどガチガチではなく、また就職の際にも、欧米ほどには大学、大学院での専門との一貫性は求められていないようです。

ジョブディスクリプションベースの働き方というのは、欧米の移民社会、ギルド社会を起源としたものという認識だったので、欧米ほど、多国籍、多民族社会ではない中国には馴染まないのかな?と思っていましたが、少しづつ浸透しているようです(考えてみれば、中国も多民族、多くの国家が一つに束ねられた国家ですし、案外日本より、こういった働き方も定着しやすいのかも知れません。)

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ジョブディスクリプションベースの労働スタイルにもメリ/デメはありますが、その人のキャリア性向、実績を明文化するという意味では、他人との差別化も図りやすくなりますし、個々人がキャリプランを描きやすくなるというメリットがあるのでは?と思っています。

新卒一括採用、ジョブローテーション、年功序列の人事体系、給与体系を採用する企業が多い日本では、なかなか定着していません。ただ、個人的にはこの日本式の働き方にもメリットはあると考えています。

これはジョブディスクリプションベースの働き方のデメリットにも繋がる話ですが、ジョブディスクリプションベースの働き方は、その専門領域においては、キャリアアップはし易くなるかも知れませんが、良くも悪くも、キャリアチェンジ、つまり専門領域を変えることが難しくなるとも言えます(社内で業種転換をするためのチャレンジ制度を設けている会社も多くあります)。

この点、しばしばオールドファッションと言われがちな、日系企業のジョブローテーションスタイルというのは、各人に、キャリアチェンジする猶予期間が長く与えられていると考えることもできます。もちろん、はじめから一つの領域で勝負してきた人に後れを取るというデメリットもあります。

まとめると、たびたび批判される日本の労働環境も、少なくともこれまではこの形に合理性、メリットがあったということです。これは働き方だけではありませんが、ある一面だけ見て批判することは簡単ですが、それぞれ、現在の形になった背景、合理性、メリットを考慮することを怠らないようにしたいものですね。その上で改善できるものは、どんどん改善していくことが望ましいと思います。

最後は、中国の話から逸れてしまいましたが、特に海外にいるとどうしてもこのあたりの感覚がズレてきやすいので自戒も込めて書きました。

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ではでは。

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