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複業がキャリアの可能性を広げる!複業における5つの壁を乗り越えるマインドを学ぶ〜マネプロ#37
こんにちは!
DeNAでHRビジネスパートナーをしている坪井(@tsubot0905)です。
マネジメントの進化を探求するnote
『マネプロ』は今回が第37回目です。
このマネプロnoteのシリーズでは、5分で分かりやすく学べるシンプルな構成と、相手とのコミュニケーションで使えるようなシンクロしやすい問いを意識した内容を心がけています。
さて、今回のマネプロの
テーマは「複業によるキャリアの多角化」です。
告知通り、その道のプロに4つの切り口から聞いてみました!
(聞いてみたシリーズの第5弾)
世の中のプロフェッショナルな方々と対話をしながら、学びと刺激を得ていくこのシリーズ、毎回とても刺激的です。
今回の探求で用意した問い/テーマはこちら!
![](https://assets.st-note.com/img/1650964275562-yIL73l6OMs.png?width=800)
この4つのテーマについて対話させていただいた
その道のプロは『複業の教科書』の著者、西村創一朗さんです。
株式会社Mentallyの代表取締役CEO。 2011年から2016年までリクルートキャリア社(当時)で法人営業・新規事業・中途採用を歴任。本業のかたわら2015年に株式会社HARESを創業。「人材力研究会」(経済産業省)の委員を務めるほか、『複業の教科書』を出版するなど複業研究家として活動。
自身の3度のメンタルダウンの経験から「周囲にも世の中にもメンタルで苦しんでいる人が後を絶たない現状を変えたい」と2021年10月に株式会社Mentallyを創業。
複業について1500人以上にアドバイスしてきたという西村さんに話を聞けるということで、ワクワクしないはずありません!
![](https://assets.st-note.com/img/1650964119798-a7tBtab76v.png?width=800)
さっそく、興味深い中身の話へ参りましょう!
目次はこちら!
<そもそも副業と複業の違いとは?>
もう少しお金を稼ぎたい。
もっとスキルアップしたい。
市場で自分の力が通用するか腕試ししたい。
社外でのつながりがほしい。
新しいチャレンジがしたい。
こんな動機から始める人が増えている副業/複業。
どうやって始めるかなどの本題に入る前に、
西村さんの著書『複業の教科書』を参考に、
副業と複業の違いを確認しましょう。
西村さんは、
副業と複業を「完全な別物」と定義しています。
副業とは…
・余った時間を有効活用して副収入を得るためのサブ仕事
・持続や発展を前提としない「時間の切り売り」
・本業とのシナジー効果が生まれにくい
複業とは…
・本業だけではできない“やりたいこと”へのチャレンジ仕事
・単発や短期で終わらない「やりたいことへの第一歩」
・やればやるほど本業へのシナジー効果が期待できる
なんとなく違いがつかめたでしょうか?
こちらの西村さんのツイートの図でいえば、
ライス・ワークを増やすのが副業。
ライク・ワークを始めたり、
ライフ・ワークを広げるのが複業。
そんなイメージです。
明日の講演会@東京23区のとある自治体の資料作成だん。
— 西村創一朗 | Mentally CEO (@souta6954) September 5, 2017
通常、ワークをライスワーク、ライクワーク、ライフワーク、ライトワークの4つで整理することが多いけど、MECEじゃない感じがすごいモヤモヤしたので、Rust Workという概念を導入して解決。寝ます。#新しい働き方の教科書 pic.twitter.com/KFNAMY73n4
たとえば、社内で広報をしたい社員が、自らブログを立ち上げ、いろんな会社のユニークな広報戦略を調べて連載していたら、実際に広報へと異動できた、みたいなことが起きるのが複業です。
<Withコロナ時代は複業に追い風>
西村さんの『複業の教科書』の刊行は2018年。
つまり、コロナのご時世に入る前でした。
リモートワークの普及も進んでいなかったはず。
まず、西村さんが複業を始めた頃、
社会はどのような状況だったのでしょうか。
僕が複業を始めたのは2013年で、
当時は96%の企業が副業を禁止していました。
10年前は複業/副業がまったく一般的でなかったのがわかりますね。その後、国として2017年から副業を解禁する動きが加速しました。
2020年のマイナビの調査では、「副業・兼業」を認めている企業は約5割にのぼります。将来的に認める・拡充する予定の企業も合わせると計57.0%で、もはや副業が出来ない会社の方が少数側になっています。
着実に変化しているのを感じます。
そして
コロナ禍に突入して3年目になろうとしている今、
複業の世界はどのようになっているのでしょう?
zoomやSlackなど、デジタルツールの普及は大きいと思います。時間や場所の制限がなくなったことで、複業する人がさまざまな制約から解放されてスキルを提供しやすくなりましたよね。
たしかに。
特定の場所でしか複業/副業ができないとなれば、
かなりの制約になりますね。
私自身、オンラインでコーチングをしていて、
デジタルツールの普及に恩恵を受けています。
「移動」の時間を気にする必要がないのは、
物理的・心理的なメリットが大きいですね。
どうやら、コロナ禍は複業/副業にとってプラスに働いているようです。
<複業に大事な心構えとは?>
今が追い風の吹く折とあらば、
複業に一歩踏み出してみよう!
そう思った方がいらっしゃるかも?
では、複業を始めるにあたって、
どんな心構えでいるのがよいのでしょうか。
まずは、なぜ始めるのかを明確にすることです。
複業のいちばんの目的は、
自分が本来やりたかった夢や目標に
少しでも近づくためのキャリアパス開拓です。
まず「Why 複業?」の部分が大切なのですね。
そして、西村さんは「楽して稼ごう」など、目先の利益にとらわれることが落とし穴となりがちだと続けて話してくれました。
お金と時間が比例するというマインドでは、複業は上手くいきません。
始めてからしばらくは、まったく稼げないくらいが普通です。
複業で失敗しないために必要なこと。
それは「商売人マインド」で働くことです。
働いた時間ではなく、自分が提供した価値に対してお金が支払われる。世の中の必要な場所に、必要なものをお届けしたお礼として利益が生じる。
こうした考え方が商売人マインドです。
最初は、自分や自分の提供するものを知ってもらうために無償でやることも必要かもしれません。
でも、目に見える、目先の利益がないと不安…。
そんな方にお伝えしたいのは、
お金だけが未来の安心材料じゃないということ。
心構えとして大事なのは、
目先の利益に走らないことです。
先に信頼を貯めることが大事になってきます。「先義後利」です。
貯金ならぬ「貯信」ですね。
あの人は信用できる、頼りたいと思えるという信頼が貯まれば、あとで必要な時に相談や依頼の形につながります。これは未来の大きな財産です。
複業の「業」は、事業の「業」である。
この西村さんの言葉が印象に残りました。
<複業に立ちはだかる5つの壁>
実際に複業を始めると直面する
「壁」についてお話を聞くことができました。
「複業には5つの壁がある」
と西村さんはおっしゃっています。
5つの壁とは
・組織の壁
・意識の壁
・スキルの壁
・有料化の壁
・時間の壁
とのこと。
この5つの壁を順に乗り越えられるかが
複業を続けられるかの決め手となるようです。
組織の壁は複業を会社に認めてもらえないこと。
この壁が変化したトレンドは聞けたので省略。
西村さんがもっとも難しいというのが2つ目の意識の壁。これは先ほどの章の「商売人マインド」を持てるかという話でした。
では、そこを乗り越えたところにある、スキルの壁・有料化の壁を乗り越えるにはどうしたらよいのでしょうか?
商品やサービスが売れるかは、
市場の需給バランスで決まります。
いくらあなたが情熱を持って売ろうとしても、必要としている人が極端に少ないものは売るのに苦労するはずです。無名であればなおさら。
自分には、いったいどんな売りがあるのか?
ここをしっかり押さえておくのが大事です。
自分の持つリソースをすべて棚卸してみてください。売れるものがなければどこかで調達する必要があります。「やりたい&できること」を作る仕込みの期間が必要です。
でも、リソースの棚卸しってどうやればいいの?
そもそも、やりたいことが見つからない場合は?
そんな方に向けたアドバイスもいただきました。
リソースの棚卸しのコツ。
それは「自分の持つコミュニティから反応をもらうこと」だそうです。
複業を始めるコツを聞かれたら、僕はとにかく
「半径5メートル以内のニーズを聞け」と伝えています。
周りから何度も頼まれること。
手伝って感謝されてきたこと。
そうした経験はすべて複業のヒント。
あるコミュニティで「イラストが趣味だ」といったら、「私のTwitterのアイコン描いて」と周りから声がかかり、最初は相手の言い値で受注(有料化の壁の超え方)。コツコツと実績を作った。
気づけば依頼が殺到(需要>供給)。
徐々に値上げして複業にした。
なんてこともあったりするそうです。
では、「そもそも私にはやりたいことがなくて」
という方に向けた話に移りましょう。
<“やりたいこと”はラスボスだ!>
やりたいことがないと複業はできませんよね?
と思っていたら。
いやいや、そんなことはありません。
と西村さんは言います。
やりたいことがないってことで悩むほどムダななことはありません。できることが増えれば視座が上がるので、おのずとやりたいことに出会える確率も上がります。
これは私も実感するところです。
数年前よりできることが増えた今の方が、
断然やりたいことは多くて明確になります。
西村さんいわく、
「やりたいこと」は、RPGのゲームでいう「宝物」ではなく「ラスボス」。ラスボスに出会った時に、それができる自分でいた方がハッピーです。
この表現、すごく分かりやすいですよね。
スライムを倒すことを目的に
ゲームを始める人はいません。
でも、スライムのような弱い敵を倒しながらレベルを上げないと、ラスボスを倒すことが現実味を帯びず、ゲームも面白くならないはずです。
“真のやりたいこと”というラスボスと戦う。
そのための経験値稼ぎが複業の第1ステージ。
そんな西村さんの表現も素敵でした。
<複業を本業に活かすパラレルプレナーの存在>
はじめに、副業と複業の違いで
「本業に活きるか」という観点の話をしました。
自己実現や社会貢献を目的として複業で得た
知識・人脈・経験はいずれ本業に役に立ちます。
本業をもちつつ、本業では得られない知識・人脈・経験を得ているのであれば、それを本業側に活かし、組織だからできることにチャレンジする。
「個のチカラ」に「組織のチカラ」を掛け算ができる
パラレルプレナーこそ、変化の激しい現代には必要ではないでしょうか。
と西村さんは言います。
パラレルプレナーってなんでしょうか?
西村さんが代表理事を務める、
一般社団法人パラレルプレナージャパンの定義を借りて紹介します。
パラレルキャリア(複業)によって得た、知識・人脈・経験を活用し、組織人として本業の組織で、組織の変革に向けて新規事業や社内変革など、新しいことにチャレンジする人を、パラレルプレナーと定義しています。
5つの壁を越え、パラレルプレナーの域まで来れば、Will/Can/Mustが重なった、ど真ん中を生きている理想状態と言えるのではないでしょうか。
6つ目の壁といえる「本業の壁」を超える進化。
私も早く、その壁の先の進化へ辿り着きたい!笑
<終わりに>
最後に。
西村さんはnoteの大先輩。
2016年からnoteを始めていて、なんと5回聞かれたことは記事化しているとのこと。対話中にも「前に書いたんですけど…」とリンクをたくさんシェアしていただきました。勉強になります!
より詳しく複業について知りたい方は、
ぜひ西村さんのnoteもご覧になってください。
個人的におすすめの記事は、
今回の記事の一番下に載せてあります。
<今回のQuestions>
以上が37回目のマネプロで
お届けしたかったコンテンツでした!
いかがでしたでしょうか?
ということでマネプロ恒例、最後の問いです。
今回のテーマを通じて、リーダーやマネージャーの方々に問いかけたい4つの質問を選びました。忙しい皆さんの思考の整理と、新たな行動の後押しになれますように!
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<次回にむけて>
今回は『複業の教科書』の西村創一朗さんと
複業について対話をさせていただきました。
みなさんが今している仕事の外でも、
やりたいことへの第一歩を踏み出す参考になれば幸いです。
さて、次回は
「キャリアプランニング」がテーマです。
キャリア資本の視点からキャリア戦略を考える。
今回のように複業だけでなく、
転職などにも話題が広がる内容をお届けします。
次回は2週間後の水曜日。お楽しみに!
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最後まで読んでもらえて嬉しいです。
ありがとうございました!
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2022年から「変化をリードするコーチ」として社外のリーダーへのコーチ業も取り組んでいます。HR経験者限定のコーチコミュニティも運営中です。ご興味ある方がいたら連絡くださいね!
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