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【私の仕事】 忘備録(5)中国メンズエステ「傷害事件発生」


【私の仕事】 忘備録(4)「顔を全部変える!」レイちゃんの『大整形手術』からのつづきです。


◆この記事の内容:

中国人メンズエステ店で女性同士の殴り合いの事件が起こったことを書いています。


中国人ママさんが経営する日本橋のメンズエステ店「女神」へ6月下旬まで手伝いに行っていた。

地元の夏祭り

7月から8月始初旬までは地元の夏祭りが盛んだ。青年団に入っているため、祭りの準備や動画撮影でとても忙しく「女神」には1ヶ月半ほど行くことができなかった。それでもママさんとは電話では何回は連絡を取り合っていた。


引越し?

地元の夏祭りは終了し、お盆過が過ぎた頃になった頃、久しぶりにママさんの店「女神」に行った。

「女神」のドアを開けて、びっくり!

ママさんがソファやマッサージ用のベットなどを動かしている最中だ。

引越業者だろうか、、中国人の男性も1人いた。その男性は、古いテーブルは捨てるかどうかをママさんと中国語で話しているようだ。

ママさんの顔をよく見ると、さらにびっくり!

殴られたような大きなアザが顔にある。そして、髪の毛を引っ張られたのか、部分的に抜けて頭が禿げている。

ママさんはいつもの明るい調子ではなく、小さな声で僕に説明し始めた。

途中、興奮してきたのか、急に早口になり、誰かに殴られる、今度は自分が蹴るジェスチャーをしている。

とにかく一生懸命、中国語で説明してくれた。

どうやら、ママさんの早口の中国語はまったく分からないけど、どうやら誰かと喧嘩して、ケガを負わされたようだ。

僕は、最初、お客さんとトラブルがあって、その客さんに暴力をふるわれたと思った。 でも、この引越しのように店内のものを外へ運び出しているのと、どのような関係があるのかが分からない。

日本語が流暢な従業員のミミさんが店にいたので、詳しく尋ねると。。

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正統派エステ

「女神」のすぐ隣には、中国人女性が経営する正統派(と思う)エステ店「F」が以前からある。

見た目は女性専用のエステのようにも思えるが、女性のお客さんが店に入っているのを僕は見たことがない。そして、男性のお客さんが入っているのも、一回しか見たことがない。

要するに、「F」店にはお客さんはほとんど来てないようだった。

男性のお客さんは、ママさんの店「女神」と隣の店「F」の看板を見たら、間違いなく「女神」の方へ入ると思う。

それは、「女神」はオイルマッサージ60分4500円(税込)。

すぐ隣の店「F」は、60分6000円(税込)。

2つの店は同じビル2階の隣同士。ドアとドアの距離は1mほど。設置してある看板も同じ場所。

厳密には「隣」というより同じフロアーだ。1つの広いフロアーを壁で仕切って2つの部屋、1つの店にしてドアを2つ付けてあるだけ。

外から見ると同じ経営者の1つの店にも見えなくもない。


隣の店のインタネット料金を払う?

さて、以前より、僕は「F」のママと「女神」のママは仲が悪いことは知っていた。

「女神」には毎日、お客さんが入って繁盛しているが、隣の店「F」はずっと暇なのである。隣りにしてみれば、面白くない。お客さんはドアの前まで来ると、値段の安い方の「女神」に流れる。「F」店のママが客をとられていると思うのも仕方ないのかもしれない。

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ある日、隣の「F」店のママは「女神」にイチャモンをつけてきた。

「女神」のママに「滞納しているインターネット代金を支払え!」と言って、請求書を持ってきた。

それを見るといかにも、一般の人がエクセルで簡単に作った請求書。しかも下手くそ。印鑑もなければ、署名もない。素人が適当に作ったものだ。こんなものは請求書ではない。

それに、なぜ隣の店「F」のネット料金を「女神」のママが支払わなければならないのか?

むちゃくちゃな話だ。

ただし、この「インターネット支払い」の件については、もっと以前から複雑なやり取りが「F」店と「女神」の間であったようだ。そのあたりを、詳しく知りたいので、日本語のできるミミさんに訊いてもわからない。ミミさんも「女神」に1年ほどしかいないので、それ以前のことはあまり知らない。

こんなとき自分が中国語をできないことをイライラしてしまう。

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2対1の殴り合い

ママさん繰り返し話を聞くうちに、ようやく事件の概要がみえてみた。

最初に、隣の店「F」のママが「女神」のママを殴ったらしい。このあたりが、日本人の女性同士ではありえない行動だ。まず、暴力。

しかも、「殴る」というのはビンタではない。グーだ。こぶしのパンチ。もちろん、女神のママさんも殴り返し、さらに何回も蹴ったらしい。そこは、「女神」のママ本人が僕を使って再現してくれた。

とにかく1ラウンド目は「女神」のママの判定勝ち。

「女神」のママさんも顔を切ったりしたが、「F」店のママさんをやっつけたので、その日は気分がすっきりしたらしい。

さて、負けた隣の「F」店のママさんが、そのまま黙って引き下がるわけがない。

翌日、「F」店のママさんは自分の娘をつれて、「女神」復讐に来た。

マンガのようなシーンだが、僕がnoteに書く話は全てノンンフィクション。実話。

2対1のケンカ。卑怯だ。ケンカ上等の「女神」のママさんも2人相手には勝てなかった。ボコボコにされた。

2ラウンド目は相手側の反則勝ち。

「女神」のママは、身体じゅうアザが出来たところを、服をまくりあげて見せてくれた。

そして数枚の写真を持ってきて、僕に見せた。負傷したお腹や腕、髪が抜けた頭など、痛々しい顔をしたママさんが写っている証拠写真だ。

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写真を見れば、もうママさんに色々聞かなくても警察が来たこと、病院で診断書をとったことが分かった。最初から写真を見せてくれたら、もっとはやく状況がわかったのだけど。。。

とにかく、診断書もあるし、「F」店のママを傷害罪で訴えて、慰謝料もとってやろう。「女神」ママもミミさんも「F」を訴えるのを手伝って欲しいと言っている。

ここは僕の出番。裁判は得意するところだ。長年の仕事の経験が生かせる。テンションが上がってきた。

訴えるには準備すること色々あるので、もっと詳しく状況をママさんから聞くため、ママさんが借りている別のマンションに移動した。「女神」の店から歩いて5分くらいのところに、その古いマンションはある。

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キャリアウーマン

エレベーターで上がって、ドアを開け、中に入ると、そこには、ママさんの中国人の友達が1人座っていた。

メガネをかけてグレー系のスーツを着ている。エステ業界の人ではない。普通のOLさんだと思う。日本語の流暢な背の高いしっかした女性だ。助かった、ママさんの話しを正確に通訳してもらえる。

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その女性は、怪我を負わせた相手の「F」店に対して怒り心頭だ。僕と同じように、診断書もあるし、傷害で訴えるべきだと主張している。

診断書には全治10日と書いてあった。僕にはママさん怪我がとても10日で直るとは思えない。

兵庫県◉◉市の病院の診断書を見て、ママさんの本当の歳を知った。僕と1つ違うだけだ。びっくりした。もっと年上だと思っていた。

そうか、、今まで苦労してるんだなぁ。。

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さて、ポイントは、警察が今回の事件をどう処理したかだ。

状況をママさんが話すことを中国人OLさんが日本語で通訳してくれた。

どうやら、警察から「示談にしなさい」と指示されたとのこと。

ママさんは泣きながら相手を訴えたいと言ってるのに。何か変だ。

僕はママさんい「いったいどこの署がきたの?」と聞いた。

僕には身内に警察がいるし、友達も大阪府警の現職なので、どの署が管轄なのは聞かなくてもわかっているけど、一応聞いてみた。

思った通り「女神」の店から近い道路を挟んで向かい側のN署が管轄だ。

消沈しているママさんに色々訊くのもかわいそうなので、なぜ、示談処理になったのか、N署へ確認しに行くことにした。

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警察へ

怪我をしているママさんと、その友達と僕の3人でN署に向かった。N署は店から歩いて5分ほどのところにある。

3人一緒に店を出て大きな交差点を渡っていると、、、

なんという偶然! その交差点上で喧嘩した隣の「F」店のママさんと、バッタリ出会ってしまった。

思った通り、「女神」のママと「F」のママはその交差点上で取っ組み合いのケンカが始まった。

第3ラウンドの開始。「女神」のママにとっては感情的なリベンジ。「F」のママにしてみれば防衛戦。

でも、信号が赤に変わったので、お互い引き分け。

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N署(交番)に着いた。誰もいない。実際は奥の部屋にいるんだけど、忙しいのか、なかなか出てきてくれない。

カメラがあるので僕らが来ているのは分かっているはずだ。しばらくして、女性警官が出てきた。

僕は、そもそも中国人が経営する店のなので、警察は適当な処理で済ませたのではないかと疑っていた。文句を言って、詳しく訊こうと思っていた。

すると、一緒に来てくれたママさんの友達が、僕より先に、強烈な口調でその女性警官をまくしたてた。すると、奥から男性警官も2人出てきた。

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断 念

結論を先に言うと、女神の隣の「F」店を訴えるのはやめることにした。理由は「やぶへび」になるからだ。警官たちに詳しく状況を尋ねると、ママさんの方も、ケンカに負けたとはいえ、相手の二人に相当なケガを負わせていて、こっちが訴えるなら、相手も訴える準備はできているとのこと。

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なるほど、ママさんが黙って殴られている訳がない。僕はそのあたりをママさんからよく聞いてから警察に来ればよかった。それと、N署の警官たちは、正式な手続きをし、傷害罪で訴えるとなると、「女神」の店がどういう商売なのかなどいろいろと明るみになると言った。

また、「女神」が風俗店許可書を取らないでサービスをやっていることをN署は知っていること、以前に数回、警告されたことを警官と話しているうちに分かってきた。

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やめたほうがいい。そう思って、僕たちは警察に低調にお辞儀をして店に戻った。


【私の仕事】 忘備録(6)中国としばらくお別れ へつづく。。。



*このnoteで書いてある記事はすべて実話です。「忘備録」として自分のために書いています。

◆ご注意:一部の記事はnoteのシステムによって18歳以上向けに分類されていますが、すべて18歳以上向けです。

よい子の皆さまは読まないでくださいね。





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