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【私の仕事】 忘備録(4)「顔を全部変える!」レイちゃんの『大整形手術』


【私の仕事】 忘備録(3)中国合宿から帰国 からのつづきです。


◆この記事の内容:

中国人メンズエステ店の女性が顔を全面手術したことを書いています。

帰国後

ママさんの中国エステ(「女神(仮称)」大阪日本橋)から久しぶりに自宅に帰ってきた。

数日間は「やっぱり日本はいいな~」と感じていた。1週間以上自宅に居なかったので、本当に中国へ海外出張していた気分。楽しかったが、体力的・精神的には多少疲れていたのだと思う。

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言葉が通じ難いのは、ストレスだ。その点、グーグルの翻訳は便利だ。ほとんどこれを使った。

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でも、気持ちの深い部分とか、細かいニュアンスを表現するのは無料の翻訳ソフトでは無理だ。やはり、ノートと鉛筆を使ってママさんとコミュニケーションした。紙と鉛筆は最高に便利。発明した人に感謝する。

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うつ症状

ママさんにに出会う以前に、「あなたはうつ症状です。会社を休みなさい。」と診断されたことがある。女神を手伝うようになってから、気持ちは元気になり、「鬱(うつ)」と診断されたことすら忘れてしまった。

今、思うと、会社の人事異動で業務内容範囲が変わる ➡ 慣れない ➡ 失敗をする ➡ 自信を無くす➡ 焦る ➡また失敗する。。多分、こんな感じで自信喪失していったのだと思う。

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ところが、ママさんの店で手伝う内容は、自分の大したことのない能力でも「すごい!」「谢谢」となんでも褒めてくれる。

例えば、売上管理をノートに手書きしていたのを、エクセルで管理表を作って、それをスプレッドシートに変換した。これで、ネット環境があればいつでもどこでも現在の売上や支出が分かる。ママさんと共有データにしたので、スマホからお互いが書込みできる。一般的な会社では普通のことだ。

あとは、様々な日本の業者からママさんに電話がかかってくる、当然ながら僕はちゃんとした敬語の日本語で対応する。ママさんは「あなた、日本語、すごい!」と褒める。当たり前だ。僕は日本人だ。

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とにかく自分は「人の役に立っている」という感覚が、自分に自信を取り戻したのだと思う。それと、毎日、何かトラブルが発生する。あっという間に夜がきて、また次の日になる。何か思いとどまっている時間がない。適度な忙しさは精神的にいいもかもしれない。



自信を取り戻す

自信を取り戻すと、市の会合や、昔の友達ともコンタクトをとるようになった。パソコン修理や、ホームページ制作、動画制作、翻訳、貿易のサポートなど、本来自宅でやっていた仕事も順調に進んでくる。会う人たち全てが、「顔色がよくなった。」「なんかすごい元気だね」と言う。

自信を取り戻す ➡ 元気になる ➡ 笑顔になる ➡ 注文が増える

自分でやっていた仕事が復活して忙しくなると、ママさんには申し訳ないが、僕は「女神」に行かなくなった。毎日行くとは約束はしていないが、気にはなっていた。明日は行こうと思うと、なぜか必ず注文や依頼が入る。

ママさんに電話をしたが、返事が返ってこない。まあ、忙しい証拠なのだろう。


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僕は実際に「うつ病」がそう簡単に治ることはないと思っている。自分がうつ病であることを「忘れる」ことができればラッキーだ。

また、うつ症状が出てくるのが、5年後、10年度と遠ければ遠いほうがいい。そんなふうに気楽に考えるようにしている。



女神2

10日ぶりにママさんのメンズエステ店「女神」に行った。

ママさんはいつものように元気。ミミさんは韓国料理を作ってくれた。2人の話を聞いていると、どうやら、店を増やすらしい。もう1店舗近くのマンションの一室を借りて「女神2」をする。

実は、ママさんはこのとき既に数か所、マンションの部室を借りている。ビジネスで重要なスピード感がママさんには備わっている。

従業員(セラピスト)の手配、店の改装費用、経費、利益がどれくらい出るか、ママさんは話しながらノートに書いた。

ママさんは僕に、「中国人女性のセラピストを2人雇うので、彼女たち名前を考えて欲しい」と言った。

但し、日本人の名前で、日本の男性が好きそうな名前、覚えやすい名前で、短い方がいい。。とママさんの要望は多い。

僕は、「ちょっと、待って、いくつか日本人の名前をノートに書いてみるから。。」と、いつもの会議ノートを開けていると。。。

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包帯の女性

突然、頭、顔全部を包帯を巻いた女性が部屋に入ってきた。

包帯の隙間から片目と口の部分が少し見えるだけ。背丈と体つきから、レイちゃんだと分かった。あのレイちゃんである。整形で顔のパーツ全て取り替えたレイちゃんだ。

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レイちゃんは、無言で畳に座っている僕に近づいてきた。そして握手のしぐさをした。

レイちゃんとはいつもハグをしていたので、僕はハグしようとしたら、拒否された。顔に当たるとすごく痛いことをジェスチャーで示している。よほど痛いのだろう。

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ママさんとミミさんは、驚かない。僕は包帯姿を初めて見たが、彼女たちは数日前からレイちゃんの状況を知っているのだ。

韓国で整形して、帰国後すぐは、もっとひどかったらしい。韓国のその整形外科医は、正式な免許を本当に持っているのかどうかあやしいが、かなり安くしてもらったらしい。

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すごく顔が腫れているのが、包帯が膨れあがった表面から想像できる。そもそも、なぜ整形したのか、理由はシンプルだ。

レイちゃんに限らず、メンズエステ店の女性には必ずと言っていいほどパトロンが存在する。毎月、暮らすには充分なお金をもらっている。ところが、よくある話だが、パトロンさんが経営する会社が倒産して、月々のお手当ももらえなくなり、レイちゃんはそのパトロンさんと形式上、結婚する予定だったが、それもできなくなってしまった。

僕は整形する前から、レイちゃんはのことはよく知っていた。

レイちゃんは「パトロンになってくれるお金持ちの日本人の男性を紹介して欲しい」といつも僕に言っていた。

そのときは冗談かなと思っていたが、今、思うとその時期がレイちゃんの危機だったのかもしれない。

それで、レイちゃんは賭けに出た。思いっきり美人になって、もっといいパトロンを見つけて結婚はできなくても、とりあえずお金を援助してくれる人を見つけようと考えたのだ。それが整形を決心した理由。

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しかし、200万円の貯金が全財産。そのほとんどをつぎ込んで韓国で整形したのだ。

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顔全部、包帯を巻いた状態で、どうやって帰国したのだろうと疑問な点はあるが、それをレイちゃんには聞ける状態ではなかった。


レイちゃんとアメリカンドック

レイちゃんは、明るくて人を楽しませる人。話好きで、日本語も上手。顔は普通に美人だったので、整形する必要があるのか?と僕は考えていた。それよりも、レイちゃんは少しポチャリタイプ。余計なお世話だけど、ダイエットさえすれば。。。と僕は思っていた。

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さて、いつもよく話すレイちゃんがしゃべらず静かなので、変な感じだった。

お昼になって、ママさんたちが何か作り出した。多分、インスタントラーメンのようだ。この暑い夏に熱い食べ物か。。と思っていると、、、

レイちゃんが、「アメリカンドック」を食べたいと紙に書いた。そして、窓から外に向かって指をさした。

僕は、店から歩いて5分の「スーパー玉出」に行って買ってきて欲しいと理解した。

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スーパー玉出に行く途中、僕はレイちゃんの口もまわりも包帯が巻かれているのに、どうやってアメリカンドックを食べるのだろう。。と考えていた。

玉出は本当に安い。ママさんと知り合うまで「スーパー玉出」で買物をしたことがなかった。アメリカンドックは1本75円(税抜)。自分も食べるし、ママさんたちも食べるだろうと、6本買った。一定時間が過ぎると2本で90円(税抜)になる。1本45円になる。

祭りの縁日で売っている350円と同じ大きさ。ほんとに激安だ。


*現在、大阪名物「スーパー玉出」は事業譲渡されている。

昔のように「安さ爆発!スーパー玉手」1個2円、5円(お一人様限り)セールはやってないと思います。

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当時、西成のスーパー玉手が有名で、よくユーチューバーたちが何か買って、動画をアップしていた。


アメリカンドックを食べさせてあげる

店に戻ると、ママさんたちは既にインスタントラーメンを食べていた。

レイちゃんは、顔が痛いので布団で寝て待っていた。アメリカンドックを見せると、跳び起きた。お腹が空いて待っていたのがよく分かる。

レイちゃんは、またジェスチャーをした。アメリカンドックの外側の部分、「ころも」を食べたいようだ。

要するに、ウインナーではなく、周りの部分を食べたい。

そして、「ころも」を小さくちぎってして食べさせて欲しいと言ってるようだ。

レイちゃんの両手は動くので、僕が食べさせる必要はないと思うけど。。。顔が痛すぎて、意気消沈し、子供のようになっているのがかわいそうなので、言う通りに「ころも」部分を小さくして口に入れてあげた。

包帯の隙間から目は少ししか見えないが、喜んでいるのがわかる。

小さな「ころも」を口へ運ぶことを何回かした後、ウインナーも小さく切って、口に入れてあげようとすると、レイちゃんは、びっくりして、「ウインナー嫌い。肉だから。。」と言った。

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な~んだ、喋れるのか。。という驚きより、レイちゃんがアメリカンドックの「皮」は好きだけど、ウインナーは嫌いなことに衝撃を受けた。

残ったウインナーの部分は僕がすべて食べることになるのか。。。 レイちゃんは、日頃、アメリカンドックを買ってもウインナー部分は食べないで捨てているという。


さて、食べ終わると満足したのか、レイちゃんは布団に入って、また無言になった。



4畳に4人

そろそろ家に帰ろうとすると、レイちゃんは力弱そうな手でバイバイをしながら、布団から顔を出して僕を見た。不安そうな顔から涙を流している。

それを見るとかわいそうになって、その日は泊まって看病してあげることにした。ママさんたちは僕が泊まることには迷惑そうだった。

口には出さなかったが、雰囲気でわかる。当然だ。4畳に4人で寝るのは超狭い。実際のところ、僕は壁にもたれて座って寝た。レイちゃんは顔が痛いのか夜中に何回も目を覚ました。

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次の日の昼も同じようにスーパー玉出に行って、アメリカンドックを買って来てあげた。

やっぱり「ころも」部分が好きなようだ。もう食べさせて欲しいとは言わずに、自分でアメリカンドックからころもを手馴れた感じで剥がして食べていた。

昼過ぎに、僕は残ったウインナー部分だけを食べながら自転車で家に帰った。 

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数日後、店に行ったとき、状況が大きく変わっていた。


【私の仕事】 忘備録(5)傷害事件発生 へつづく。。。



*このnoteで書いてある記事はすべて実話です。「忘備録」として自分のために書いています。

◆ご注意:一部の記事はnoteのシステムによって18歳以上向けに分類されていますが、すべて18歳以上向けです。

よい子の皆さまは読まないでくださいね。























































































それと、興味深いことや、びっくりするようなことも毎日起こる。。

その驚いたこと、面白かったこをはたくさんあります。そのうちの1つを紹介します。

整形で顔全部を取り換えたレイちゃんと






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