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#感覚統合療法
伝説のこどもたち ゆかちゃん1
感覚統合療法を始めて、2.3年たったころ、整形の外来から呼び出しがありました。一眼見て、重度の自閉症だとわかりました。
おかあさんは、ゆかちゃんをおんぶしていましたが、診察のため下におろそうとした途端、走りだしてしまいました。道路を横切り学校の校庭まで、一気に走って行きました。おかあさんと私は、車に轢かれたら大変と後を追いましたが、校庭にいくとけろっとして笑いながら立ってました。お母さんは、ほっ
伝説のこどもたち ゆかちゃん2
1年遅れで、養護学校に入学しました。生活面ではできるようになったこともありました。トーストしていないパンが食べられるようになった。下駄箱に靴を入れるようになった。カバンをもてるようになった。というようなことです。
しかし、訓練では、相変わらずでした。机についてくれないので発達検査は、測定不能の状態です。本をパラパラめくることはありましたが、おもちゃでは遊んでくれません。でもブランコに乗ることと、
伝説のこどもたち ゆかちゃん3
ゆかちゃんとおかあさんの毎日は、その日から変わりました。学校から帰ったら、ゆかちゃんの手を持ってその日の出来事をお話しするのです。(書くのですけどね)
わたしたちは、全く気づきませんでしたが漢字や簡単な英語も読めていました。
その日、私は、ゆかちゃんを背にしてお母さんと話をしていました。
「ねぇ、本当ぜんぜんわからなかったね。ゆかちゃんがわかっているということ、ねぇ」二人で愉快な話をしてい
伝説のこどもたち ゆかちゃん4
毎週、ゆかちゃんに会うのは、とても楽しみになりました。最初のうちは、わたしがゆかちゃんの手を支えて文字を綴っていましたが、いつしかそれはおかあさんの役目になり、わたしはもっぱら質問をしていました。
作業療法士としてのわたしは、誰かの手を使って書くのではなく、自分の手で書いて欲しいと思っていたのでペンを持ちやすくしてみたり、一人で持てるようにペンを固定したりと、いろいろなことをしました。結局は、ト
伝説のこどもたち ゆかちゃん5
長崎大学でのカニングハム先生の講義がはじまりました。「きょうは、□□のお話をする予定でしたが、わざわざ岡山から来られている方がおられるので、FCのはなしをします」
えー!わたしのために、わざわざ講義内容を変えてくださるなんて
アメリカでのビデオを基にFC(faciritated comunication)とは何かという話が始まりました。それは、まさにゆかちゃんとわたしたちが見つけたコミュニケー
伝説のこどもたち ゆかちゃん5.5
ごめんなさい。書き忘れていたことがありました。
しかも、これを書いてないと「ゆかちゃん5 」がわからないかもしれないです。申し訳ありません。
ゆかちゃんが、文字を使ってコミュニケーションができるということがわかってから、おかあさんは学校の先生にその話をしました。先生は頭ごなしにそんなことができるはずがないと、ゆかちゃんが知的障害であるということを理解しなければいけないと言われたそうです。この話
伝説のこどもたち ゆかちゃん6
ゆかちゃんとの話は、とても面白くていろんなことを質問しました。不思議なはなしもありました。
お腹の中にいた時の話を聞いたときも、
あかいみずのなかにいたよ かあさんのこえがきこえていたよ はやくかあさんにあいたくてでてきたよ
と言うのです。調子に乗って「その前はどこにいたの?」と聞くと
とうさんのおちんちん
わたしと、おかあさんは、え!と顔を見合わせました。
じゃ、「その前は?」
か
伝説のこどもたち ゆかちゃん7 ゆかちゃんの手紙
うちの施設は、年に1〜2回ほどレンタルスペースを借りてお祭りをしています。子どもたちの作品を販売したり、展示したり。ゆかちゃんの書いた文章は、自由に持って帰ってもらえるように玄関先に置いていました。それを今回、紹介しようと思います。「ゆかちゃん 6」に書いたように、障害のあるこどものおかあさんには、役目があるみたいです。
「いいやくめをもらったおかあさんへ」いい役目を与えられた人には いいごほう