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最小化して伝えることは、最大化して伝えること。

 伝えるためには、伝えることをできる限り少なくするのが良い。なぜならそうするほうが、伝えられる側にとって「何を受け取ればいいのか」がはっきりするからだ。でも、伝えるべきことを少なくする理由の本質は、それではない。
 伝えるために、伝えることを少なくするというのは、そうするためにあなたが考えるから意味があるのだ。つまり、最初から伝えたいことが少ないのではなくて、それは多いけれども、あれこれと思いがあるけれども、できるだけ減らさなければいけないということなのだ。
 そしてそれを減らさなければならない。するとあなたは、きっと初めて考えることになる。「これは必要な情報なのか?」「伝えたいことの根幹は何か?」「この情報量で分かってもらうために、どうすればいいのか?」

 伝えたいことを少なくするというのは、何も闇雲にそうせよと言うのではない。むしろ、伝えたいことを減らせと言われて、一番大事な部分を削ぎ落とすような人はいないはずだ。だからこの行為は、「伝えたいことを少なくする」ということに意識を向けることによって、あなたがむしろ、何を最大化して伝えたいのか、ということを浮き彫りにするためのプロセスである。

 伝えるためには、伝えることを少なくする。それは受け取る側への配慮でもなんでもなくて、結果的にそうなってしまうだけだ。「少なくする」ことは、それ以外の部分を「最大化する」「目立たせる」「伝わりやすくする」のと同義である。
 だから伝えたいことは、できる限り少なくするのがいいのである。

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