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#フェイブルマンズ

『フェイブルマンズ』/映画の情熱とは無縁(映画感想文)

『フェイブルマンズ』/映画の情熱とは無縁(映画感想文)

スピルバーグ監督の『フェイブルマンズ』(23)を観た。とんでもない傑作。

【1】
冒頭、人生初の映画鑑賞から自宅のある住宅地にもどってくる。
どの家にもクリスマスの電飾が楽しそうに飾り付けられている。それを見て技術屋の父親が「飾り付けのせいでどの家か見分けがつかないな」というが、スピルバーグをモデルにしていると思しき主人公サミーはこう答える。
「うちだけ飾り付けがないからすぐに判るよ」
そう、そ

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映画「フェイブルマンズ」感想

映画「フェイブルマンズ」感想

 一言で、スピルバーグ監督の少年時代を描いた自伝的作品で、夢や家族の絆、人々の出会いによって成長する「思春期の普遍性」を伝えています。一方で、彼の成功体験がメインではないため、「賛否両論」なのもわかります。

評価「C」

※以降はネタバレを含みますので、未視聴の方は閲覧注意です。また、一部「障害」や「差別」について記載しますが、当事者の方を傷つける意図はございません。

 50年にわたるキャリア

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「フェイブルマンズ」自伝的な映画に関する映画かと思ったら家族を描いた映画だった

「フェイブルマンズ」自伝的な映画に関する映画かと思ったら家族を描いた映画だった

身近な色々な出来事と、WBCを見ていたこともあり、1ヶ月以上映画館から遠ざかっていた。その中で、映画館も元のフリーダムな状態に戻りつつあるようだ。そして、予告編を見てもそれなりに作品の数は揃いつつあるようにも感じる。そんな中で、先に終わってしまいそうな作品から見ておく必要もあり、まずはこの作品を観る。スピルバーグ作品は最近は、昨年の「ウェスト・サイド・ストーリー」にしても大ヒットにはならず、この映

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衝突から何が生まれるか『フェイブルマンズ』映画感想

衝突から何が生まれるか『フェイブルマンズ』映画感想

『ジョーズ』『ジュラシックパーク』『プライベートライアン』など様々な名作映画を生み出したスティーヴン・スピルバーグ監督の自伝的映画である『フェイブルマンズ』をようやく観てきました。

映画監督の中でも有名な映画監督の1人であり、恐らく誰もが一度は作品を見たことがあるであろう大衆映画としての第一人者である彼が作る自伝的映画は夢と希望が溢れていているであろうと思って見ました。

もちろん、映画の魅力や

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【芸術は時として呪いのようだ 】映画『フェイブルマンズ』感想

【芸術は時として呪いのようだ 】映画『フェイブルマンズ』感想

劇場で初めて観たスピルバーグ映画は『ロストワールド』だ。当時『もののけ姫』と同時期に公開されたこともあって劇場が大変混雑していたことを覚えている。友人数人と2本とも鑑賞し「どちらが面白かったか?」を言い合ったのも懐かしい(ちなみに友達は全員『ロストワールド』を選んでおり自分だけ『もののけ姫』を選んでいた)。

子供の頃、自分にとってスピルバーグこそハリウッドを象徴する人物であり映画の神様だった。

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