ケイティ

趣味は読書、合唱。 読んだ本の内容を忘れてしまう事もあるが、再読した時にまた感動出来る…

ケイティ

趣味は読書、合唱。 読んだ本の内容を忘れてしまう事もあるが、再読した時にまた感動出来るなら良し( •̀ᴗ•́ )و

最近の記事

一線を越える 8

「行こっか!」モモちゃんはニコニコしながら言って歩き始めた。開けた状態の漫画本を片手に、元気に一歩踏み出す。 「また読みながら歩くの~?」と、トモキが呆れた声をだす。 「隙間時間でスキルアップだよ。登校時間も効率重視!」と、モモちゃん。 モモちゃん、隙間時間活用って一般的には電車に乗ってる間に本読んだりする事だと思うよ。徒歩通学は徒歩に集中したらいいんだよ。徒歩の隙間時間とかないから。 「『エジプト文明とヒエログリフ 漫画で完読、全文を判読』」と、トモキがモモちゃんの前から表

    • 一線を越える 7

      お話は数代前に遡る。 つまり、ぼくのひいおばあちゃんの時代だ。 この地には水に恵まれた豊かな村があったんだ。 村の中には何本も川が流れていて、川と川の隙間を埋めるように田畑と家々が広く点在していた。村にはみずみずしい緑の木々が溢れ、田畑を耕す村人のくわ音と、爽やかな川の水音が響いていた。家々からは炊事の煙が空に向かってすっと立ち上り。まるで絵画のような、美しく豊かな村だった。 村に川が多い為に田畑に引く水には困らなかった。しかし、大雨の度に川は何度も氾濫した。大雨で川の水か

      • 一線を越える 6

        男は胸を押さえた。自身のゴツイ胸板の感触が掌を押し返して伝わる。指で掴むように筋肉に圧力をかける。半眼で呼吸を深くし、気を集中する。「筋肉は裏切らない」と低く呟く。自分を落ち着かせたい時や、考え過ぎて熱くなった頭を冷ます時に行う白朗のルーティンだ。掌から伝わる確かな筋肉の拍動とその感触。頭にカッと上がった熱が徐々に冷めていき、冷静な自分が再び戻って来るように感じた。 白朗は刑事だ。正義感が強く、熱血漢の性格で、刑事の仕事は天職だと白朗は思う。趣味は筋トレ。週3日のジム通いは欠

        • 一線を越える 5

          明るい、優しい風の吹く日のことです。 男の子が一人、道をあるいていました。 道はずっとつづく一本道で、道にそって土の壁がつづいています。 男の子は好奇心の強い性格でしたから、この土の壁の向こうには一体なにがあるのだろう?と、しりたくなりました。 男の子は土の壁を手でさわってみました。 サラッと少しの土がおちました。 土の壁にはへそのような、くぼみができました。 男の子はそのくぼみを足でけってみました。 ボトボトと土のかたまりがいくつもいくつもおちました。 土の壁にできた

        一線を越える 8

          近所の本屋さん2

          徒歩2分の場所に新しくできた本屋さん、今日は娘と甥っ子たちを連れてお邪魔した。まだ慣れない気持ちで入り口の引き戸を開ける。白っぽくて清潔な木の床が目に飛び込む。今日も1番に店主さんのちいさい息子さんが飛び出るように出迎えてくれる。「大勢ですみません、また来ました。」店主さんも優しく招き入れてくれた。 子供たちはすぐに打ち解けて、その辺の床の上を転げ回って遊んでいる。一方で大人組はドギマギ、ギクシャク。まだ常連ではない(というか一文も購入していない)し、遠慮がある。 店主さんは

          近所の本屋さん2

          近所の本屋さん

          徒歩2分の場所に本屋さんが新しくできたそうで。早速、母と2人で歩いて様子を見に行った。 私は普段は通らない道沿いなので気づかなかったけれど、先日から平屋を改築していて一体なにができるのかとご近所さん達は興味津々だったそうな。おばあちゃんが、あそこには古本屋ができるのだと、どこからか情報を得てきた。本日10時過ぎるのを待ち(大抵のお店は10時には開く)母(活字を読むと眠くなるそうで読書習慣は全く無い)と共に出掛けるに至った。 その本屋さんは、道に面した三角屋根の平屋に深い青の塗

          近所の本屋さん

          一線を越える 4

          「おはようございます!!」 ぼくは『辻崎』の表札のかかった家の玄関前にいる。モモちゃんは朝寝坊の上にマイペースな子だから、朝ぼくがお家に寄っても間に合うように出てくることの方が少ない。最近はぶっそうだから登下校は出来るだけみんなでするように。って大人たちから何遍も言われているのに。 「先行ってくださーい!」 ほらね。今日も間に合わない。でもぼくは待ってあげる。集合時間までもう少し時間があるからね。ぼくは優しいからさ、人生2周目の余裕だよ。 辻崎家の玄関脇のガードレールに腰を

          一線を越える 4

          一線を越える 3

          暖かく麗らかな良い天気だった。私は外履きのサンダルのままで一本道を歩いている。土の道の両脇には野花が咲き、そよそよと頬に吹きかかる柔らかい風が野花と私を優しく撫でる。とても心地よく暖かい。何も被っていない頭の上からはポカポカと日差しを感じる。 道の片側は私の目線程の高さの斜面になっており、それは川の堤防になっている。堤防すぐ向こうは川で、満々と水をたたえた水面が時折キラっと光って見える。前後の一本道に沿って川の堤防がずっと続いている。私は堤防に沿った一本道を歩いているのだった

          一線を越える 3

          一線を越える 2

          カラン、コロン。喫茶店にしては軽過ぎる音をたててドアベルが鳴る。開いたドアから、淡い紫の長袖長ズボンの小学生くらいの女の子が入ってくる。大きなあくびをひとつ。カウンター席に座って、箸立てと砂糖入れの間にある手書き風カフェメニュー表を広げる。部屋の中は暖かく、コーヒーの香りが漂っている。キッチン奥には女性がフライパンを動かして作業をしており、奥の窓際テーブル席には初老の男性が新聞を読みながらコーヒーを飲んでいる。今朝もいつも通りの朝の風景である。 メニュー表とにらめっこしていた

          一線を越える 2

          一線を越える 1

          寒い。前後左右、上下すらも、真っ暗闇に包まれている。何も見えない。私は感覚だけで一歩づつ前に歩いて進んでいく。頬に風を感じる。つっかけてきた外履きのサンダルの下で、ジャリジャリと一歩毎に踏みしめる砂利の感触が足の裏から敏感に響いてくる。暗闇の中で視界が無い為に、足元からの砂利を踏みしめる音だけで唯一、私が一歩づつ前に進んでいると分かる。いや、辺りが目視出来ない為に前に進んでいるのかどうかは分からないが、ともかく踏み出す脚で風を切る感覚、足裏から伝わる振動で、先刻の位置から一歩

          一線を越える 1

          思った通りに出来るようになる事

          私は「思った通りに出来るようになる」と幸せに感じる。出来るようになっていく過程が楽しいとも言えると思う。これは私が私の人生を生きる為に重要な事なのではないかと気がついた。 事務職の時はExcelを良く使っていた。ショートカットキーで入力作業が劇的に早くなる事に気づき、自分のよく使うショートカットキーを1つづつ調べて覚えて使うのが楽しかった。この作業のショートカットキーってないの?とネットで検索し、痒い所に手が届く、私にピッタリのショートカットキーを見つけてはニヤついていた。

          思った通りに出来るようになる事

          甥っ子の七五三

          妹の子供が2歳になり、祖父母は七五三をしたいようだが、妹夫婦は面倒くさがっている。スタジオアリスで可愛い写真は撮った(支払いは祖父母)が、神社ではお祈りしてもらうのは面倒くさいとの事。日本には子供の成長を喜ぶ節目の行事はたくさんある。お食い初め、お宮参り、七五三など。妹夫婦はどれもやらないようだった。妹の夫の方はそもそもそのような行事がある事を知らなかった。なんと自分もそのような行事はご実家でやっていなかったそう。田舎と都会では違うし、地域によっても差はあると思うが。令和は古

          甥っ子の七五三

          【詩】試験

          受験票を机の端に 鉛筆と消しゴムを机の上に 鉛筆が全部下に落ちたらどうしよう 直前に公式を見ておくのを忘れてた トイレに行きたくなったらどうしよう 始めの合図 いきなり公式使う問題 落ち着け 解ける 2ページ目で見た事ない問題出てきた ダメだ 飛ばそう 後で必ず戻ってくるぞ マークシートに塗るのが手間だ 時間足りるか 計算ミスが煩わしい 確かめで計算し直す え、もう半分時間経ったの?! まだ問題の半分も解けてない 最後まで行った後 飛ばした問題に戻る え、あと10

          【詩】試験

          ト音記号

          健康の為に常温の水を1日に2リットルを飲む事を目標にしています。始めた当初はそんなに沢山飲めるの?と思っていましたが、慣れると問題なく飲めます。なんでも慣れると出来ますね。 ペットボトルで飲むのも味気なく思って、百均で水のボトルを買いに行きました。透明のボディに黒の蓋が付いているやつです。透明のボディ部分にイラストが印刷されているのですが、どのイラストにしようかなと悩んだ結果、ト音記号が大きく描かれているものにしました。 音符とか音楽記号のイラストが付いているデザインを選

          ト音記号

          屋久杉箸

          林業の盛んな地域に行った時、木工品をたくさん売っている道の駅でお土産を買いました。普段から木製スプーンを愛用しているので、良さそうな木製食器があれば財布と相談して購入しようと思いました。 木製のスプーン、お玉、しゃもじ、箸など、デザインや大きさが様々なものが売っていて迷う迷う。色は薄い茶色から黒っぽいもの、べっとりした光沢の艶があるもの、木目が目立った無骨な感じのもの。木の種類によってなのかひとつひとつに違いがあって、どれを買うか迷ってしまいました。 箸のコーナーでは木の種

          屋久杉箸

          読むばかりでなく、書くと良いそう

          ラジオで言っていた。 読むばかりではなく書くと良いそうだ。呼吸のように。息を吸ったら吐くように。息を吸って吸って、吸うばかりだと苦しいから。同じように読むばかりではなんか良くないそうで。書く事は誰かに見せる為に書かずとも、自分の為に書いても良いそう。その理由だとかなんやかんやをラジオで話していたのだが忘れてしまった。そういう訳で私もやってみようかと思ってここに書き始めた。 私は書くことが特別に得意では無いので(読むのは好きである)。私に書くほどの話題があるか?とか、書き続け

          読むばかりでなく、書くと良いそう