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#鍔

鉄鐔は意外に汚れている

鉄鐔は意外に汚れている

鉄鐔は刀の茎同様に赤錆が付きます。
一見あまり見えなくても…

よく見ると赤茶けて見えるところがあります。

こうした所に鹿の角を当てると、赤錆が浮き出てきます。

これをサラシで拭いとると如何に汚れていたかが分かります。

再び鹿の角で擦ると…やはりまた赤錆が。。

しかし今度は赤錆意外にも白い粉も見えます。
これは鹿角の方が削れた粉です。
鹿の角は赤錆は取っても黒錆は取り除かない丁度良い硬さを

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刀装具の入札鑑定や紙上鑑定があってもよさそうな

刀装具の入札鑑定や紙上鑑定があってもよさそうな

ふと思ったのですが刀の入札鑑定は全国各地で開催されていますが、「刀装具の入札鑑定」、もしくは「紙上鑑定」ってないですよね。

鐔だと見える部分に銘があったり、目貫で裏に短冊銘が入っていたりするので入札鑑定となると使える刀装具がある程度選ばれてしまうというデメリットもありそうですが。
紙上鑑定であれば銘を隠せるので出来ない事もなさそうです。
ただ細部までは見れないので特徴やヒントなどを文章ベースで書

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刀装具の市場規模について

刀装具の市場規模について

刀装具がアート界隈で注目され、刀剣以上に需要が広まる時代がもし今後来るとしたら一体刀業界はどうなるだろうか。
刀装具の価格が上がるとき刀の価格も連れて上がるのだろうか。
刀装具は刀とは違い武器としての特性を持ち合わせていない事から刀よりも親しみ持たれやすい可能性もあり、もしかすると刀装具の人気がある時急に爆発的に上がり刀身側の価値が再評価されるという逆の流れが起こる可能性もあるかもしれない。

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土師器

土師器

土師器(はじき)と読むらしいです。
土師器について検索すると以下と出てきます。

部屋に飾る花瓶のような物が欲しいと探していた時に丁度良さそうなものが在ったので買ってみました。直径10㎝、高さ11cmほど。
矢作川(長野県・岐阜県・愛知県を流れて三河湾に注ぐ河川)から上がってきたものとの事。

取りあえずその辺の公園で拾ってきた枝と、赤い実が探してもなかなか見つからなかったので100均で造花を買っ

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新しい素銅鐔は経年で味わいが増して面白い

新しい素銅鐔は経年で味わいが増して面白い

個人的な意見だが、素銅は経年変化してこそ味わいが増すものだと思っている。
銅は空気に触れる事で酸化が進み長い年月を経る事で、「赤褐色→褐色→暗褐色→黒褐色→緑青色」に変化していく。
10円玉の色を見れば分かりやすいが、新しい10円はピカピカだが、30年以上も前に作られた10円玉はくすんで黒っぽくなっている。

昔理科の実験で銅粉末を加熱すると黒くなったが、あれはつまるところ銅を過熱した事で空気中の

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真鍮地の埋忠鐔の色と腐らかしの多様性について

真鍮地の埋忠鐔の色と腐らかしの多様性について

埋忠明寿に代表される皺の入った真鍮地がある。
腐らかし法と呼ばれる手法で付けたと考えられているそうであり、光忠と銘の入った作にも似たような皺が見られる事から、明寿1人の技術でない事が確かなのは自明である。

そして埋忠極めの無銘鐔にも腐らかし法による皺はまま見られるが、同じ真鍮地にも関わらず皺の出方が違う事に最近気がついた。

そして、埋忠明寿と銘の入った鐔と埋忠二字銘の鐔。
これが明寿による作な

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2023年、縁の感じた刀装具を振り返る

2023年、縁の感じた刀装具を振り返る

2023年は刀装具をメインで買った年でした。
色々悩み抜きましたが、4点ほどに絞るとすれば以下でしょうか。

買った物1つ1つに購入にあたっての葛藤だったり思い出が何かしらありますが、今回この4つの中でも特に縁を感じた、「2023年ベストof縁」は何と言ってもこの鐔に感じます。

室町期頃の長巻用の鐔と個人的には思っていますがどうでしょうか。
山金地で外周には銀覆輪が付いており、高級品である様子が

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今年の個人的ベスト鐔

今年の個人的ベスト鐔

来週末が大晦日だなんて未だに信じられません。
気が付けばもう今年も終わりですね。

今年はヤフオクやフリマサイトなどでも鐔を買ったりなどした年でした。
割合で言えば「7(刀剣店):3(オク等)」位でしょうか。
時代の上がる古そうな鐔を中心に買い集めた年でしたが、オク等では基本的に3~5万円程度の物が中心で、一番高い物でも10万円ちょっと、といった感じだったかと。

総じて言えばやはりお店で買った物

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刀装具鑑賞、撮影用に「宝飾トレイ」を買ってみた

刀装具鑑賞、撮影用に「宝飾トレイ」を買ってみた

今まで鐔や目貫などの刀装具を鑑賞する際に桐箱の上で見ることも多かったのですが、安全性や撮影用も兼ねて以下の宝飾トレイを買ってみました。

クッション性が高く、刀装具を落としても安心です。
写真では分かり難いですが、感覚的に大体2mmくらい沈む位のクッション性でしょうか。
マイクロファイバークロスのような肌触りなので、刀装具が磨れて傷つく事もなさそうです。

トレイの色はグレーにしてみました。
今ま

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刀装具の審査に対する要望など

刀装具の審査に対する要望など

今年の2月頃に初めて刀装具を保存審査に出したところ、不合格判定となった鐔がありました。
それが以下です。

上記のように結構特徴が色濃く出ていたという事もあり個人的には桃山頃の埋忠の短刀鐔ではないかと考えていたのですが、残念ながら「製作年代若い」と一言あり不合格。

不合格という結果自体に文句があるわけではないのですが、せめて「製作年代若い」というのが「いつの時代を指しているのか」を明記頂きたかっ

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一呼吸おいて手放す

一呼吸おいて手放す

刀や刀装具を買ってから何度も何度も見ているとその物の良さを充分に理解した気になってくる。
そして暫くすると新たに欲しい物が出てきて、それを手に入れる為に今あるものを手放す。
欲しい物がある度に追加で買えれば何の問題も無いが、資金やスペースの問題からどうしても物の「入替」を検討しなければならない時が来る。

その時にこれはもういいやと気兼ねなく出せる物ばかりであれば良いが、得てして高い授業料を払って

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小さな仏像を手元に置いてみる

小さな仏像を手元に置いてみる

美術館で個人的にあまり見ずにスルーしてしまうのが仏像エリア。
しかし歴史が非常に長く、人々の生活に深く関係していたであろうこともまた事実。
「バガボンド 著:井上雄彦」という宮本武蔵を描いた漫画では武蔵が木の仏像を彫っているシーンもありました。(実際にも彫っていたようで不動明王立像が残っています)
刀や鐔にも南無阿弥陀佛と彫られたり描かれた物は多く、当時の武士の信仰を表している様子も見て取れます。

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刀の茎と鉄鐔をマイクロスコープで比較して時代推定が出来るのか?

刀の茎と鉄鐔をマイクロスコープで比較して時代推定が出来るのか?

鉄鐔は古墳時代から見られ、その後なぜか鎌倉時代や南北朝時代の鉄鐔は現存品がほぼ無いとされ(山銅が主流に)、室町時代になりいわゆる古刀匠鐔と言われる薄造りで簡素な物が登場して、次に少し手の込んだ古甲冑師鐔と呼ばれる物がほぼ同時期に登場すると考えられているようです。
つまり古墳時代から室町時代の間の鉄鐔がポカンと無い事になります。
と言っても古墳時代の物は埋蔵されていたからこそ現代に残っているのかもし

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鐔の所載品は意外に見ない

鐔の所載品は意外に見ない

鐔だけが載った本は刀の本同様に沢山あり、沢山あるという事はそれだけ沢山の鐔が掲載されているという事でもあるが、掲載された「所載品」の売り物の鐔はなぜかあまり見かけない。

例えば以下の2冊だけでも1300品近くの鐔が掲載されています。

他にも数えきれないほど本が出ているので、所載品は3000以上はあるのではないかと個人的に見積もっているが、それにしてはなかなか見ない。
刀も別に押形が所載されてい

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