刀箱師の日本刀ブログ 中村圭佑

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刀箱師の日本刀ブログ 中村圭佑

刀とくらす。マニアックで奥の深いライフスタイルを紹介します。 部屋に飾れる刀の展示ケースを製作中。 刀が三度の飯より好き。 HP https://www.katana-case-shi.com/ ツイッタ https://twitter.com/katana_case_shi

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定期購読マガジン「刀箱師の日本刀note」スタートします!

このnoteも気が付けば630日以上毎日更新している日本刀ブログとなりました。実は1週間ほど前から「刀箱師の日本刀note」という定期購読マガジンをスタートしています。 今回はこのマガジンを定期購読するとどういった記事が読めるのか?について書こうと思います。 ①定期購読すると読めるものについてこちらでは過去に書いた記事を全て無料で見れる他(単体購入記事以外)、定期購読者の方限定で読める公にはあまり書きづらいような事など含めてまずは月に2〜4記事を目標に触れていく予定です。

    • 旧式の「卓上刀箱1.0」を手直し

      現在は製作をしていない旧式の卓上刀箱1.0ですが、4年程前一番最初に制作した試作機のみ手元に残っている状況でした。 最初の試作機ということで問題もあるので個人的には外に出したくなかったのですが、問題点を伝えてもそれでも欲しいという方が現れたのでお譲りする事に。 ライトは当時はまだ電池式のものを使用していましたが、この4年でライトも進化しているので折角なので充電式ライトに替える事にしました。 磁性があるのでケースの天面に貼り付きます。 ライトは左右のボタンを押す事で3色、

      • 行光の変わり出来について

        以前東京都支部で拝見した変わり出来の相州行光短刀について。 確か光山押形などの所載品だったと記憶している。 鑑賞会という場であったので限られた数分の時間を使用して何度か拝見した程度でしかないが、やはり行光という刀工の概念を変えるような作に感じた。 行光といえば新藤五国光の作風(精美で潤いのある鉄に細やかな小沸の付いた直刃、細い金筋がはいる)を受け継ぎつつも、のたれ刃で地景がより目立つ作風という印象が個人的に強い。 無銘大摺り上げの太刀にもこのような特徴が見える事が多い。

        • 秋水美術館で凄そうな日本刀展示会が!

          私自身今更ながら知ったのですが。 富山県にある秋水美術館で何やら凄い名刀展が行われているようですっ…! しかも前期(9/13~12/1)、後期(12/11~3/2)に分かれて半年間の長期間行われる展示会のようです。 ・展示目録(前期)目録はまだ前期しか出ていませんが、昨今刀身の展示の比率が多いのに対して、本展示は刀身29に対し刀装や刀装具が22とほぼ同じくらいの数が展示されるのも好印象です。 刀剣は29点中、重文1振、重美7振、特重7振。 刀装、刀装具は22点中、重美2点、

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        • 刀箱師の日本刀note(初月無料!過去記事も読み放題)
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        • 刀展示ケース製作日記
          162本
        • 刀工について
          46本
        • その他
          907本
        • 刀装具
          206本
        • 鐔鑑賞日記
          79本

        記事

          平安城鐔 鹿紅葉図② 鹿の意匠について

          以前手に入れた以下の室町頃の平安城鐔には鹿が描かれているわけだが、同時期とされる蝦夷や古美濃、金家などの鹿のデザインを見てみることにする。 何か共通性が見られるかも、と期待して。 ①蝦夷鹿の体毛が丸や線で描かれていたりなど敢えて異なる表現をされているのが興味深い。よく見ると角の有るオスは体毛を棒線で、メスは丸で描かれている事が分かる。 ②古美濃金工美濃彫りより抜粋 ・秋草に鹿図小柄(古美濃) 鹿の身体には体毛が描かれていない様子。 ・美濃鐔 以下3枚の鐔は彫が深くなさ

          平安城鐔 鹿紅葉図② 鹿の意匠について

          ぶらぶらと刀剣はしご

          今日は朝から東京交通会館(有楽町駅)で開催されているコレクション情報さんの展示即売会へ。 今回から混雑緩和の為にハガキや会報を取っていない方は入場料が500円掛かるようになったとの事です。 場所柄ふらっと興味本位で入ってくる方も多かったのかもしれないですね。 今回個人的にささったのは何といっても但州法城寺の薙刀直し(といっても実際は薙刀を直したわけではないと思いますが)のような太刀。大擦り上げで無銘ではありつつもとても健全で乱れ映りが鮮明に立っています。 かと思いきや刃中

          いざ、根付の世界へ。

          根付は江戸時代に流行した「着物の帯に提物を吊るすための留具」でいわばストラップのようなもの。 以下のような感じで使うらしい。 今年の5月に東京で行われていた骨董ショーで以下の虎の根付を見つけてからというものの、こういうちょっとデフォルメされた猫のような虎の根付を探していた。(江戸時代は本物の虎を見た事がなく、多くは猫を基に想像で描いたというから猫に似ていると言われている) 以下の根付も数万円なら買いたいなと思っていたのだが、値札を見ると250万円。流石に根付知識皆無でかつ、

          疲れた時に、疲れた日本刀

          ちょっと疲れた時に見る疲れた(研ぎ減った)刀。 …疲れてますなぁ。。似た者同士。笑 そんな仲間意識が、この刀を見ていると芽生えます^^; でも帽子は頑張って残ってます。 地鉄が結構綺麗 地景が面白い。 乱れ映りっぽいもの(疲れ映りかもしれない)が見えて幽玄なところも。 棟焼きっぽいところも面白い。 欠点があっても視点を変えれば良いところもある。 疲れた時、壁にぶつかった時、後ろ向きになる時。 考え方、見方を変えれば意外にそこまで悪い事ではないかもしれない。

          疲れた時に、疲れた日本刀

          成木鐔㉖ 胞山銘の製作年代について

          成木鐔の中でも「胞山」と切られた銘がある。 胞山は成木氏の号である。 成木氏の昭和58年の著書である「自家製鋼による鐔つくり」や、平成25年に行われた企画展「鍔の美 -鍔工・成木一成の挑戦 -」にはこの胞山銘の鐔が 1枚も掲載されていない事から、胞山銘については本当に成木氏のものかと疑心暗鬼になった事が一時期ある。 しかし、その後もう1冊の図録である平成14年の企画展「成木一成の世界」を手に入れたところ、いくつかの胞山銘が確認できたので紹介する。 因みに冒頭の鐔もこの時の

          成木鐔㉖ 胞山銘の製作年代について

          重要や特重審査に出すか否か

          そういえば重要刀剣申請の受付中ですね。 重要や特重審査の時期になると毎回申請するか悩むところです。(なかなか際どい話に触れるので会員マガジンにします) 理由は2つあって、

          重要や特重審査に出すか否か

          第14回刀屋さん見学会レポ

          先日14回目となる刀屋さん見学会を行いました。 刀屋さん見学会とは、刀をまだ手に取った事が無い人や、刀剣店に1人で入るのに抵抗がある初心者の方などを対象に、実際にお店で刀の鑑賞方法やマナーを教えて頂こう、という会です。 場所はいつもながら帝国ホテル内の「霜剣堂」さんです。 ロビーに綺麗な花が飾ってありますがその近くで参加者の方と待ち合わせお店に移動しました。 お店に到着。 店頭には備中守橘康廣の大小と、最上大業物に数えられている三善長道の作が展示されていました。 ①見

          第14回刀屋さん見学会レポ

          現代刀職展2024を見て② 刀装具編

          2024/8/10~10/14まで開催中の「現代刀職展2024」遂に見に行けました。 ①刀編では作刀や研ぎ、刀身彫刻、②刀装具編では拵や鎺、鐔などについて、個人的に気になった作について触れようと思います。 (尚、前期展示は見に行けなかったため、後期展示のみの内容です) ①刀編はこちら ①彫金の部・無鑑査 玉岡俊行氏 似たような図が3枚あり、どういう意味だ?と感じた作だったが、解説を読むと、この難しい透かしをどれくらい小さく作れるか、という挑戦であった事が判明。玉岡氏は九

          現代刀職展2024を見て② 刀装具編

          現代刀職展2024を見て① 刀編

          2024/8/10~10/14まで開催中の「現代刀職展2024」遂に見に行けました。 ①刀編では作刀や研ぎ、刀身彫刻、②刀装具編では拵や鎺、鐔などについて、個人的に気になった作について触れようと思います (尚、前期展示は見に行けなかったため、後期展示のみの内容です) ①作刀の部・無鑑査 長谷堂住恒平作 令和五年五月日 無鑑査である恒平刀匠の薙刀は黒みある地鉄に映りが自然と立っており非常に古色漂う作で現代刀には見えない。(現代刀は地鉄の白く見えるものが多い) 解説を読むと「

          現代刀職展2024を見て① 刀編

          へうげもの鐔

          審査に出していて4ヵ月ほど手もとを離れていた埋忠鐔が戻ってきた。 久々に触ると心なしか艶が無くなりザラザラしているので、さっそく布で磨くと艶とスベスベ感が戻る。 久しぶりに手にしたが、すぐ手に馴染み心が安らぐ。 こうした感情にさせてくれる鐔は非常に稀有で、手持ちの鐔でもこの鐔が随一かもしれない。 鉄でありながら茶器を触っているような、正円のような「均一」を嫌い変化こそが見所なのだとでも主張するような造形美が何とも堪らなく、自身のツボに入ってやまない。 「へうげもの」の世界を

          財布に厳しい五ヶ伝ランキング

          日本刀の中でも古刀と呼ばれる室町時代以前の刀には「五ヶ伝」と呼ばれる大きな区分けがある。 これは地域ごとに作風を大別した言い方であり、例えばこの中に九州地方(筑州)や北陸地方などの刀は含まれていないので五ヶ伝で全ての刀を網羅できるわけではないが、刀の好みを語る際に「五ヶ伝の中で何が好き?」と語られることは愛刀家の中でも多い気がする。 因みに五ヶ伝とは今の岡山県あたりで栄えた備前伝、神奈川県で栄えた相州伝、京都で栄えた山城伝、奈良県で栄えた大和伝、岐阜県で栄えた美濃伝を指す。

          財布に厳しい五ヶ伝ランキング

          刀所有にあたって基礎的な話をざっくりと

          フォロワーの方が少し増えたのと、最近このnoteがマニアック寄りになりすぎているような感じもしたので今回は刀って買えるの?所持は違法じゃないの?と思われている方向けにざっくり刀の所有についてお伝えします。 ①日本刀の所有に免許はいらない日本刀の所持に免許は要らない(そもそも無い)ですし、普通に買えます。 ネットで「日本刀 販売」と検索すれば沢山出て来るくらいにネットでも簡単に買えるくらいです。 買ったら所有者変更のハガキに住所や名前を書いて出したらそれで手続き終わりです。

          刀所有にあたって基礎的な話をざっくりと