刀箱師の日本刀ブログ 中村圭佑

刀とくらす。マニアックで奥の深いライフスタイルを紹介します。 部屋に飾れる刀の展示ケー…

刀箱師の日本刀ブログ 中村圭佑

刀とくらす。マニアックで奥の深いライフスタイルを紹介します。 部屋に飾れる刀の展示ケースを製作中。 刀が三度の飯より好き。 HP https://www.katana-case-shi.com/ ツイッタ https://twitter.com/katana_case_shi

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定期購読マガジン「刀箱師の日本刀note」スタートします!

このnoteも気が付けば630日以上毎日更新している日本刀ブログとなりました。実は1週間ほど前から「刀箱師の日本刀note」という定期購読マガジンをスタートしています。 今回はこのマガジンを定期購読するとどういった記事が読めるのか?について書こうと思います。 ①定期購読すると読めるものについてこちらでは過去に書いた記事を全て無料で見れる他(単体購入記事以外)、定期購読者の方限定で読める公にはあまり書きづらいような事など含めてまずは月に2〜4記事を目標に触れていく予定です。

    • 刀収納箱の製作依頼③

      前回のブログ↓ 設置スペースを改めてお客様に確認した所、収納箱の高さを10㎝程大きく出来ました。 高さが大きく出来たことで引き出しを1段追加出来るスペースが生まれたので、お手入れ道具や鑑定書など入れられるスペースを作ってみました。 重要や特重の指定書も広げて入れる事が出来るので、必要な物は全てひとまとめに出来そうです。(当然鍵が掛かります) こんな感じでお客様の許可も得られたので、もう少し設計を作り込んで製作に移ろうと思います! 初めての製作でどこまで上手く作れるか不安

      • 偽銘の捉え方について考えさせられる②

        このブログを始めてから4年以上が経つが、偽銘については度々書いてきた。 初めて触れたのが2020年の頃であり刀歴でいえば2年目の頃であったが、この時は完全に偽銘の刀は毛嫌いしていた。 理由は人を騙して儲けるという「せこさ」のようなものを刀から感じてしまうからというもので、刀を見る度に刀の出来を純粋な目で見れなくなってしまいそうな気がしてならなかったからである。 2021年の頃(刀趣味3年目)になると更に偽銘嫌いは進行し(自分自身でも当時のブログを読み返すとかなり偽銘を嫌って

        • 金色の鐔について

          色々な図録などを見ていてもなかなか金一色の鐔というのは見かけない。 ありそうでない、のが金色の鐔な気がする。 とはいえ実際に展示会などに足を運ぶと、飾太刀拵や兵庫鎖太刀拵には金の鐔が付いているのをよく見かける。例えば「徳川美樹館蔵品抄③」などにもいくつか金の鐔が載っている。 なので見かけない金色の鐔というのは、具体的には打刀拵や短刀拵に付くような鐔をここでは指している。 以下は半太刀拵に金鐔が付いているが、半太刀拵に金鐔はあまり見ない気がする。 金は昔から非常に貴重であ

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        • 刀箱師の日本刀note(初月無料!過去記事も読み放題)
          初月無料 ¥600 / 月
        • 刀展示ケース製作日記
          154本
        • その他
          877本
        • 刀装具
          189本
        • 愛鐔紹介
          72本
        • 日本刀を購入するにあたって
          180本

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          後藤祐乗の目貫?③

          ①と②は以下から読めます。 考察3回目。 実は今この目貫は審査に出しています。 8月下旬に結果が出る予定なのですが、個人的に写真を見返しているとやはり祐乗ではないというのが個人的な印象であり、そのように客観的に感じた点、引っ掛かる点などを書いていこうと思います。 まず祐乗と見るには引っ掛かる点が以下。

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          刀の理想的な保管環境を「なるほど」な方法で構築されている方

          以前製作を進めていた卓上短刀箱2.0の白ver(特別仕様)品がお客様の元へ無事届いたようで展示した写真を送って頂けました。 左のケースが今回製作させて頂いたものになります。 いや、拵の展示格好良いですねえぇぇっ…! 両方黒系の拵なので映えて良かったです。 因みに刀身も飾って頂けているようです。 気分で変えながら色々楽しんで頂けると嬉しいです^^ またこの方の凄い所は「Switchbot」を利用してケースの照明のONOFFや、ケース内にswitchbotに連動した温湿度

          刀の理想的な保管環境を「なるほど」な方法で構築されている方

          東山御物一覧

          東山御物は室町幕府8代将軍であった足利義政によって収集された絵画や茶器、文具などの称であり、この中には後藤家初代祐乗の作も含まれています。 有名な物では以下の動画で登場する目貫の「韋駄天図」が挙げられるかと思います。 実は東山御物の刀装具は他にももっとあり、それが「東山殿御物祖師祐乗彫物之覚」に記録が残っていますが、その内容が「刀剣史料第35号」に載っていたので抽出してみました。 伝来や特徴なども僅かながら記されているのでもしかしたらまだまだ東山御物はどこかに埋もれているか

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          刀を分かる人が名刀と定めて、初めて名刀になる

          「名刀は誰が見ても美しいと思うから名刀なのだ。」 という言葉をふと思い出す。 言い得て妙に感じた記憶がある。 実際はどんな名刀も100人満場一致で美しいと回答が得られるのは難しいかもしれないから、9割位の人が美しいと思えばそれは名刀なのではないだろうか、と個人的には思う。 一方で刀に興味がなく知識のない100人の素人に対して、綺麗に研磨された特保の新刀あたりを見せて美しいか否かを問えば、9割位は美しいと答えるような刀は割と出る気もする。 次にその刀を玄人10人に見せたとこ

          刀を分かる人が名刀と定めて、初めて名刀になる

          超狭刀剣ルームを作ってみたい

          最近大きめの刀展示ケースをずっと製作していたのですがようやく3台ほど完成し狭い部屋がケースで埋め尽くされました。 なんだか部屋で刀の展示会が出来そうです。 ところでこの真ん中に座ってみたところ意外に落ち着くんです。 刀を飾っているわけではないものの、刀を展示してこの距離感で囲まれていることを想像すると楽しい。 因みにケースに刀を展示すると以下の様になります。 そこでふと思ったのですが、2~3畳くらいの極狭空間で3面にケースを飾って精神と時の部屋みたいな空間を作ってみたい

          超狭刀剣ルームを作ってみたい

          蝦夷目貫⑩ 獅子引韃靼人図

          1年半ほど前に「巨大目貫」と題して目を奪われた目貫があった。 当時の事は上記にまとめているが、この時に蝦夷目貫というものを初めて知り、その廃れたような風合いから長い年月の経年を感じる事が出来るようで気が付けばその魅力にはまっていた。 刀にしても刀装具にしても魅力にはまってしまうと手元に来てしまうので不思議である。 入手した時期はあやふやだが、確か上記ブログを書いてから半年ほど経った時であったように思う。 表目貫:横78㎜、縦19.5㎜、最厚部7.9㎜ 裏目貫:横77.8㎜

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          蝦夷目貫⑩ 獅子引韃靼人図

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          自分にあった刀の長さの求め方

          先日濃州堂さんのポストで非常に面白い投稿がされていました。 それが「自分に合った刀の長さの求め方」。 武道などで刀を用いる際に適切な長さが出せるようです。 計算式はいくつかあるようですが、代表的なもので以下で求められるというのです。 (2024/7/18追記) 濃州堂さんより以下の返信を頂きましたのでブログにも掲載させて頂きます。 ・早速自分の身長で計算例えば私の身長は173㎝です。 「173㎝×0.43÷30.3」を電卓で計算すると、約2尺4寸5分が自分に合った長さと

          自分にあった刀の長さの求め方

          マイナー刀工の存在について

          少し刀工の名前を羅列する。 さてこれらは何かというと「埋忠刀譜」に掲載されていた刀工銘で個人的に聞いた事が無かったものを羅列したもの。 中にはこれ有名だろ、という刀工もいるかもしれないが浅学なのでご容赦頂きたい。 「埋忠刀譜」は刀剣博物館が所蔵する押形集で埋忠家が1605~1660年(江戸時代初期)にかけて仕事の依頼を受けた名刀についてほぼ原寸大で精密に描かれた茎図を中心とした刀絵図が、おおむね依頼を受けた年代順に記載されている。(以前クラファンで手に入れる事が出来ました

          マイナー刀工の存在について

          貞宗の在銘品について

          少し前に徳川美術館で「相模国住人貞宗 建武二年正月日(1335年) 奉納御宝前 生年甲午四十二歳」と切られた小脇差が展示されていると話題になっていました。 なぜ話題になっているかと言えば、相州貞宗の在銘作は皆無と言われてきたからです。 そんな貞宗の在銘作が展示されていたとしたら大発見です。 写真を見ると徳川美術館蔵でかつ、端龍院殿墓所出土、尾張徳川家二代、徳川光友所持の物とのことで信用度がとても高そう。 尾張徳川家二代、徳川光友(1625~1700)↓ 因みに先の投稿を

          「刀が好きな人だけ業界に来ればいい」は順番が違う件

          刀が本当に好きな人だけ業界に集まればいい、にわかは来るな、というような意見や風潮が稀に見られるがこれは行き過ぎた主張で現実的ではないと思う。 これは主に刀剣乱舞をプレイしているユーザーに対して古くから刀業界にいるごく一部の人が向けている傾向があるように感じる。 (古くから刀業界にいる人で刀剣乱舞ブームを歓迎している人が多い事も忘れてはいけない) 刀が好き、というのは主観的であるし第三者がその人の「刀好き度」を測る事が出来ない時点でそもそも破綻してる。 それに刀の売買を生業に

          「刀が好きな人だけ業界に来ればいい」は順番が違う件

          埋忠鎺の特徴を考察する

          名刀を見ると金無垢の鎺が付いている事が多い。 特に短刀であれば台付二重鎺と呼ばれる台座の付いた鎺が付いている事があり、刀趣味をしていると憧れる1つの付属品であるようにも感じる。 戦国期からあったとされる金着せ鎺のように、見た目だけを金にするなら銅に金をかぶせるだけで良いが、あえて金無垢にする事で刀の格調を更に高めた一門が埋忠一門とされる。 そんな埋忠家が製作した鎺を埋忠鎺と呼び始めたのが本阿弥光博で、昭和43年に出版された埋忠銘鑑だと、埋忠展の図録には書かれている。 この

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          埋忠鎺の特徴を考察する

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          刀展示ケースEDGE⑦ 設計完了

          刀展示ケースEDGEの設計がようやく終わり、現在設計図作成の段階に移っています。 一部は既に加工の段階に移っているので、トラブルなどなければ恐らく8~9月頃には組み上がってSNSなどで公開出来るのではないかと思っています。 ミニモデルを以前製作した際は、背面の傾斜の関係で鞘尻が台座部分や背面のプレートに接触してしまったりで下段にしか拵が飾れなかったのですが、その辺りの角度や位置関係を見直しており上段下段、どちらにも拵を飾れるようになりました。 上下どちらにも拵が展示出来

          刀展示ケースEDGE⑦ 設計完了