刀箱師の日本刀ブログ 中村圭佑

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刀箱師の日本刀ブログ 中村圭佑

刀とくらす。マニアックで奥の深いライフスタイルを紹介します。 部屋に飾れる刀の展示ケースを製作中。 刀が三度の飯より好き。 HP https://www.katana-case-shi.com/ ツイッタ https://twitter.com/katana_case_shi

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定期購読マガジン「刀箱師の日本刀note」スタートします!

このnoteも気が付けば630日以上毎日更新している日本刀ブログとなりました。実は1週間ほど前から「刀箱師の日本刀note」という定期購読マガジンをスタートしています。 今回はこのマガジンを定期購読するとどういった記事が読めるのか?について書こうと思います。 ①定期購読すると読めるものについてこちらでは過去に書いた記事を全て無料で見れる他(単体購入記事以外)、定期購読者の方限定で読める公にはあまり書きづらいような事など含めてまずは月に2〜4記事を目標に触れていく予定です。

    • 「刀座2024」いよいよ来週

      西の大刀剣市と言われる「刀座2024」がいよいよ来週末に迫りました。 出展社も公開されていましたので見てみます。 (最新の情報は必ず刀座公式サイトよりご確認ください。) 昨年36店舗→今年42店舗に拡大しています。 新規出展店舗と昨年出ていた店舗で今年でない店舗をまとめたのが以下です。 京都周辺のお店を中心に増えている模様です。 関東のお店でいうと「刀剣はせ川」さんと「慶長堂」さんが新規出展される一方で、「永楽堂」さん「一文字堂」さんは今回は出展しないようです。 ・新規出

      • 成木鐔⑪ 成木氏についての本

        虎徹の刀を買ったら虎徹について書かれた本を買い虎徹の事を詳しく知りたくなるのと同じく、成木鐔を買っているうちにやはり作者である成木一成氏のことを知りたくなってくるもの。 私が成木鐔を好きになった時には残念ながら既に成木氏は他界されていたので、成木氏の事は人伝てであったり本などで追っていくしかありません。 今回はその成木氏に関する本についてですが、成木氏の生涯を通して作品を一同にまとめたような本というのは残念ながらありません。 製作方法や作品については展示会の図録に主に記

        • ここが難しい「小柄」の時代判定

          今日は刀装具の鑑賞会のため、東京美術倶楽部へ行ってきました。 テーマは「小柄」で、古金工や古美濃の古い物から、後藤家の作、町彫の作と室町頃~幕末頃までの全時代の物が並びました。 実は私自身小柄はまだコレクションを1つも持っていません。いや正式に言えば拵に付いている小柄が1つあるのですが。 なぜかまだ欲しいと思える作に出会った事がないのが理由ではあるのですが、ではなぜなかなか触手が伸びないのか考えると、時代を捉えるのに「どこを見れば良いのか良く分からない」という点が自分の中

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        • 刀箱師の日本刀note(初月無料!過去記事も読み放題)
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        • 刀展示会記録
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          もしも国宝や重文の刀を所有している人が刀匠になり刀を作ったら名刀が出来るのか?

          国宝や重要文化財の名刀を所有している人が刀匠になり刀を作ったら一体どのような作品が出来上がるのか? 名刀が出来るのだろうか? こんな疑問を持った事がある。 手元で毎日国宝や重要文化財の刀を鑑賞していたらそれこそ目が肥え審美眼が磨かれるに違いない。 古名刀の真の美しさを理解しているのは古名刀を長い時間をかけて見ているような人達、つまり国宝や重文の所有者はその内の1人に思うが、もともと美しい物を美しいと判断出来る力に長けていたからこそそうした刀を手に入れる事が出来たのだとも感じ

          もしも国宝や重文の刀を所有している人が刀匠になり刀を作ったら名刀が出来るのか?

          「名古屋刀剣博物館(メーハク)」2024/5/1 会館!

          「刀剣美術 令和六年三月号」によると、名古屋刀剣ワールドが遂に5/1にオープンするらしいです! それに伴い開館日前に学芸員の方に事前案内頂けるプレミアムツアー(4/25〜4/26)なるものが用意されているとのこと! さっそく東通トラベルさんのHPを探してみたところ以下の記載がありました。(※記事作成時点の画像なので最新版はリンク先からご確認ください) 4/25~4/26のバスツアーのようで、以下の6か所をまわるようです。 (数字を振っていますが、その順番で周るかは不明です

          「名古屋刀剣博物館(メーハク)」2024/5/1 会館!

          梟鐔

          「かわいい」 ただそれだけで選んだ鐔と言っても過言でもないかもしれません。 刀屋さんで買っても2~3万円位の安鐔とは思いますが、以外と梟が夜たたずんでいる景色に入り込めるというか、趣が感じられたのでつい手が出てしまいました。 梟(ふくろう)の顔も昔のものは大体このような少しデフォルメされた可愛らしい顔をしています。 耳部は段を付けて一見凝っているように見えるのですが、以前全く同じ外形の鐔で別デザインのものを見た事があるので、型で鋳造した量産品の土台に対して地荒らしを行

          祖父刀⑧ 鑑定に出しました。結果は…

          祖父から引き継いだ刀を鑑定に出してみていましたがその結果が出ました。 祖父の刀は以下のものです。 反りは浅めで新刀のような姿、茎は雉子股になっており、なんと「一」の銘があります。 刃は丁子刃で地鉄は杢目にところどころ流れるような肌があり、全体的にとても肌立っています。 そして棒映り(一部地斑映り)のようなものがみられます。 帽子は乱れて小丸に返っています。 この太刀を初めて見た時、一文字にしては新刀のようなあまり反りの無いに姿に違和感がありつつも、地刃が冴えており映り

          祖父刀⑧ 鑑定に出しました。結果は…

          猿猴捉月の鐔② 猿猴促アワビ

          猿が水に映った月を掴もうとして木に登ったものの、木の枝が折れて水に落ちて死んだという故事から転じて、身のほど知らずの事をして元も子もなくす事を例えた画題、「猿猴捉月(えんこうそくげつ)」。 好きな画題の1つで1ヶ月程前にスマホケースをこのデザインに変えたのですが、可愛らしくて気に入っています。 さてこの猿猴促月を画題にした刀装具が多い事は以前①でも紹介した通りですが、気に入ったモチーフの猿猴促月鐔が出てきたので買ってみました。 縦70.3mm×横65.9mmと結構小ぶり

          猿猴捉月の鐔② 猿猴促アワビ

          表参道で「鎚音 vol.12」を見てきました

          日本を代表する金工師である泉公士郎さん主宰で、「泉金工技術研修会」門下生の方々による彫金の展示会に行ってきました。 泉さんは日本刀の拵に使用する鐔を始めとした刀装具も多数製作されている方です。 そんな事もあってか鉄鐔や色金鐔などの展示が想像以上に多く楽しめました。 場所は表参道駅から徒歩5分ほどにある「Gallery CONCEPT 21」です。 遠目からの撮影&SNSはOKとの事でしたので、接写はありませんが雰囲気だけ載せます。 鐔以外にも鐔をモチーフにしたアクセサリ

          表参道で「鎚音 vol.12」を見てきました

          「第4回 刀剣と岡山を知る展」に行ってきました

          今日から3/11まで東京新橋駅を降りてすぐにある「とっとり・おかやま新橋館」にて「第4回 刀剣と岡山を知る展」が開催されているので行ってきました。 イベントは2階で開催されています。 13時オープンのところ13時半ごろに会場に着いたのですが、中に入ると既に大混雑…! なにやら例年以上の盛り上がりが。 宇喜多秀家のNHK大河ドラマ化の実現を目指しているという「宇喜多物語PRプロジェクトチーム」による演劇でした。 終わりには記念撮影もあったので撮って頂きました…! ①刀

          「第4回 刀剣と岡山を知る展」に行ってきました

          時代の上がりそうな鉄鐔について

          前回は「鐔の良い鉄味」について書いたので、その続きで今回は時代の上がりそうな鉄鐔について思う所を書いてみる。 鉄鐔は早くは古墳時代から登場しているが、普通の丸鐔のものは古刀匠や古甲冑師に極められたもので室町時代からという鑑定が通説である。 しかし実際、江戸期頃には大量に写し物が作られたというし、古く見せるためにわざと土の中に埋めて朽ちさせるなどの話も聞く。 故に鑑定書の付いた物の中には江戸時代以降の写し物も沢山あると警戒して見ておくには損は無いように感じる。 時代を捉える

          時代の上がりそうな鉄鐔について

          鉄味の良い鐔をつらつら並べてみる

          鉄鐔を見ていて必ず話題になる事と言えば「鉄味」でしょうか。 「この鐔は鉄味が良いですね」のような感じで使われます。 さてこの鉄味については鑑賞者の主観が多分に入ってくる部分ではあるので判断が難しい所ではあると思うのですが、刀の茎同様に良い鉄味というのは共通の認識があると思われます。 今回は私の主観要素も入ってはしまうのですが、玄人の方も見て大体同じ感想を持つ鐔をいくつか挙げてみようと思います。 まず手に取らせて頂いたもののなかで画像がネットに出ているものから。 個人的に手

          鉄味の良い鐔をつらつら並べてみる

          ソハヤノツルキが間近で見れる?!

          久能山東照宮さんから衝撃のクラウドファンディングが発表されました。 内容はソハヤノツルキを含む徳川将軍家伝来の重要文化財や国宝の刀14振の鞘の新調、並びに真恒の太刀拵の修復(復元模造の製作含)に充てる費用の調達との事。 既に数百年も経過した当時の白鞘は老朽化しており、本身を安全に保管する事を考慮しても、これは新調するのがベストというのは誰もが同意するところでしょう。 対象の14振が以下。 既存の白鞘については、入れ子鞘(白鞘の中に白鞘を入れる二重構造)である事からも今まで如

          ソハヤノツルキが間近で見れる?!

          美術館収蔵の刀装具、細部が見たい

          美術館収蔵品が素晴らしい事は言うまでもないが、どうも見えづらい。 見えづらいというよりも見たい部分が見えない。 例えば目貫であれば、大体3㎝程度の大きさしかない。 故にガラス越しから見ようとするとこんな感じになる。 スマホで撮影して拡大して見た方がよく見えることもある。 しかしそれでも構図がなんとか分かる程度で細部は見えることはない。 そしてそれ以上に側面や裏側はそもそも見えない。 優しい所だと拡大鏡が置いてあり表の細部が見やすく配慮されているので助かる。(以下は美術

          美術館収蔵の刀装具、細部が見たい

          出物獲得は早さと運と縁の勝負

          名刀。 名品。 出物。 掘り出し物。 実際に「出物」や「掘り出し物」と呼ばれる物は安く買えるものを見つける事ではなく、良い物、良品、つまり名品を見つけ買えるような段階、状況にある事を指すような気がしますが、そうした物は足が早いというか自分よりも目利き力のある方がさっそうと さらっていくのでとにかく足が早く、そう機会が何度も訪れるわけではない、という特徴があります。

          出物獲得は早さと運と縁の勝負