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#名刀

名刀は海外へ。大名刀はまだ国内に。

名刀は海外へ。大名刀はまだ国内に。

円安の影響もあり刀が海外で高く売れているようですね。
とはいっても全ての刀が海外で高く売れているわけではなさそうで、完全に2極化しているようです。
例えば清麿や虎徹、村正、正宗という有名工は高いそうです。
五ヶ伝で言えば相州伝は人気だとか。
金筋や砂流し、地景など目に見えて派手さがあり分かりやすいからかもしれません。
一方で日本人が好き?な粟田口などはそこまでの人気ではないと聞きます。
地鉄の奥ゆ

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安い刀を買った事で他の刀の良さを再認識

安い刀を買った事で他の刀の良さを再認識

研ぎ減っている、傷が多い、繕われている、偽銘、再刃である…などなど安い刀には安い刀なりの理由があると実感するが、同時に部分的に光る箇所や面白いと感じる部分が存在する。
それが引き金となって「これはこれで良い味があるな」とどこかスッと穏やかな気持ちで見ていられる、そんな気持ちになる事があるとこの刀を買ってから実感する。

そして何より、この刀を見てから手元にある他の刀を見ると他の刀が今まで以上に良く

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2024年「霜剣堂 新春日本刀展示即売会」へ行ってきました

2024年「霜剣堂 新春日本刀展示即売会」へ行ってきました

新年という事でもはや個人的に風物詩となっている霜剣堂さんの展示即売会。今年で6年目になりますが、ここにお邪魔する事が新年を感じる事に繋がっています。

今日は朝一、10時から訪問。
今年はなんと暖簾が新調されていました。以前は確か黒地だったような。

という事でお店に到着。
今年は雪が積もっていないので有難いです。

店頭には個人的に大好きな古備前の太刀!
しかも生ぶ在銘という凄まじさ。鎌倉時代の

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大名刀はお金だけで買えない話

大名刀はお金だけで買えない話

登録証のついた日本刀は約260万振だが、その中でも国宝や重文、重美、特別重要刀剣に指定されている名刀は無冠のまま眠る名刀を合わせても2000振も無いだろう。
その中には平安期や鎌倉期にも関わらず、生ぶ在銘品でしかも殆ど研ぎ減っていない信じられないような宝刀とも言える大名刀もある。
そうした刀は当然ながら数が残っていないので非常に希少でいわば愛刀家の終着点とも言えるものでもあり、求める人も多い。

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短編小説「うわき国広」を読んで

短編小説「うわき国広」を読んで

個人的に好きな日本刀短編小説に「うわき国広 / 山本兼一」がある。
これは「狂い咲き正宗 刀剣商ちょうじ屋光三郎」という本に収録された一つである。

・「うわき国広」のあらすじ5千石を取る2人の旗本がいた。
虎徹の刀を愛する栗山越前守と、堀川国広の刀を愛する内藤伊勢守。
この2人はいつも虎徹と国広どちらの刀が良いか押し問答をしていた。
2人は刀剣商に頼みそれらの刀を集めては自慢し合っていた。
そん

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刀についての雑談

刀についての雑談

世の中にはとてつもない名品があるのだなあと実感する。
刃の覇気、地鉄の清涼さ、健全さはとても同じ刀とは思えず神々しくすらある。
余程のインパクトがあるからか、鑑定刀などは数日、早ければ数時間後には忘れてしまう私であっても、このような刀は例え短時間の鑑賞時間であっても脳裏に焼きついて日が経ってもなかなか忘れない。
もちろん自身の好みも多分に影響しているとは思う。

その後に手持ちの刀に目を向けてみる

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2023霜剣堂さんの新春展示即売会に行ってきました

2023霜剣堂さんの新春展示即売会に行ってきました

新年といえば、という事で毎年恒例の霜剣堂さんの展示即売会に昨日今日と行ってきました。
毎年名刀が多く並ぶ展示即売会でもありとても楽しみです。
個人的には小太刀や剣を探しているので良い物があれば嬉しいなという気持ちも抱きつつ…。

11時頃到着しましたが、初日は特に混んでおり常連さんと見られる方が沢山。展示即売会の際にだけお会いする方もいらっしゃっており、元気な様子が伺えてなによりでした。

店内に

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刀を買って4年、一向に増えない語彙力

刀を買って4年、一向に増えない語彙力

最初の1振を買ってからはや4年が経つだろうか。
当初は刀を見て「綺麗、美しい、カッコいい」位の感想しか浮かんでこず、刀を見せて頂いた時はその3語だけしか発していなかったように思う。
沸や匂なんて言葉は知らなかったし、どんな刀が好みか自身でも分からなかったのでしょうがない。

4年経った今はどうだろうか。
普通会社で4年目と言えば業務にもすっかり慣れ、第一線で活躍している頃だろう。

それがどうだ。

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刀が日本に留まってほしいと考える理由

刀が日本に留まってほしいと考える理由

11/18の大刀剣市に向けてどんどん日本円の価値が対ドルで下がっています。とはいえこの流れも年内のFRBの利上げが終われば落ちつく気もしますし、150円というラインは直近の為替介入を見る限り日銀もかなり意識してそうなので、このあたりが円安のピークになるような気も個人的にはしていますがどうでしょう。

しかし今年の大刀剣市まであと4週間ほどと言う事もあり、その4週間では流石に大きく円高には振れなさそ

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東美アートフェア2022で名刀に遭遇

東美アートフェア2022で名刀に遭遇

今日たまたま東京美術倶楽部近くに寄ったので、今日から開催中の東美アートフェア(古美術、茶道具、工芸、近代絵画、現代美術品などが販売されている展示)についでがてら寄ってみました。

配布されていたカタログを見ると、実に様々なジャンルのものが並んでいるようだ。個人的には小判が気になる。

会場を見て周ると凄く洒落た絵を発見。
以下の絵が凄く欲しかったのだが、値段を聞くと特別重要刀剣並であり引きつり笑顔

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名品を手に取った時に感じる事

名品を手に取った時に感じる事

どんな刀にも歴史があり尊重すべきだ。←正しい
国宝や重文でなくても名刀はある。←正しい
名刀は美しい。←正しい
自分が美しいと思える刀がその人にとっての名刀だ。←正しい
刀は美しい。←ものによる
刀はどれも美しい。←?

という事で綺麗ごと無しに言えば、全ての刀が美しいとは私は思いません。
しかしどんな刀も大切に受け継がれてきたからこそ現代に残っているわけで今目の前にもし刀があるなら尊重すべき、と

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私は刀剣商には絶対なりません。といううかなれません。

私は刀剣商には絶対なりません。といううかなれません。

刀好きが高じて刀剣商を始める人は多いらしい。
で、殆どは失敗するらしい。
ということで周りの人から時々冗談交じりに「刀屋さんやったら?笑」と言われる事があるのですが絶対やりません。
というか私には絶対出来ません。

言わずもなが、趣味とプロの間にはとてつもない差があり、まして趣味の中でも初心者をギリギリ抜け出したような位置にいる人が安易な気持ちで手を出すことは自滅と同じ。
という事で素人が刀屋をや

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自分が思う出来が良いと、プロの思う出来が良い

自分が思う出来が良いと、プロの思う出来が良い

は違う事が多い。
自分の思う出来が良いとは、やはり自分の知識量の限界の中での良い物であり、知識がない物についての良さはイマイチ分からない。

例えば昔こんな事が。
刀剣店からこれは良い刀だよ、と言われて出された刀を見てみると鉄の表面に白い靄(もや)みたいなのがあって濁って見える。正直何が良いのかわからない。

その時は地鉄が詰んで刃が冴えたようなものだけが良い物と思っていたので、それを遮るような白

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