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EASY ERASER
一度沈んだものにしか辿り着けない場所がある。
其処は現実にある場所かはわからない。
もしも天国があるとしたらその風景がまさしくそれ。
生物はいない。
やさしい風が吹いている。
晴れ渡る空。流れる雲。砂浜。海。無人島。
草原が見える。草原の向こうに丘がある。
丘の頂上に厳粛な雰囲気の床がある。
其処にモノリスのような白い板が複数立っている。
ソレは死んだ人間の骨で出来ている。
遥か大昔にある一人の男
世紀末の世代に想いをよせる太田省吾の世界
太田省吾の世界観とは何か何も知らないがその脚本の舞台が京都の学生劇団によって上演されていた。観に行く。
舞台美術、映像が世界を創る。20世紀末の独自の空気。文庫本の目次と引用。世界に色があるなら灰色にもならない白色。間に繰り広げられる生命や本能や哲学に関する話。日常の何気ないシーンを切り取った、されどあの時代特有のドラマがかった場面進行。肉体の速度が緩やかに進む世界。無邪気に愉しむには分離、場面の
「溶ける魚」はわからない/電車に気をつけましょう
一度は読んでおかないとと思い「シュルレアリスム宣言」に先日目を通した。内容は忘れた。何か共感したり、よくわからないなと思った。覚えているのは同じ本の中にあった「溶ける魚」という話。自動筆記という手法で書かれたというその話はペラペラと読み進めることはできるが内容は全く頭に入ってこない。めくるめく総ての映像と存在が変動していく。何か握りしめるモノに(仮)はなく本質的な、余りにも露わな像。全生命がこのよ
もっとみる赤テントの偉大で愉快な冒険
美しい映画をみたのだと実感するのは見る前と外の世界の明るさが違うとき。同じ色から違うモノを見いだすとき。
唐組「泥人魚」の世界は見出しあぐねる人間観を持つ人々が彼等の倫理観をそのスタイルに圧迫感を前面に押し出してこれでもかと云う程我々は我々の条理を以て世界を裁くという事を語っている。この世界を理解する人たちはどうやらこの世界にいるようで、笑みは客席からこぼれ、人々の眼はキラキラと躍動する役者たちに
吐き捨てるまで── 2
モノにナロカ。
ワタシに掌がアッテ──
掌の中心に空洞がありました。
空洞が有ればナニカを埋めたく思います。
一体何を埋めばワタシの気は済むだろか。
「きっと、気は済まない。」
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「演出をしたいです。」
演出家の先生に紹介いただいたとき、ワタシを緊張を隠すことに必死になりながらしどももどろ想いを伝えた。
「なら裏方を勉強しなあかんな。」
それからワタシは