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こころにしみる 〜元妻とぷんがやってくる!〜

6/11(日)🌧

🎙️夜中に目覚め、急遽、沖縄への格安航空券作戦を思いつく。格安航空券を使って飛行機で沖縄へ飛び、物件を見て帰ってくる。往復の航空券が2万円前後ならどうだろう?


出所後間もなくnoteで公開を開始し、その後手つかずだったコンテンツの続きの執筆を再開する。

読み返してみる。悪くないような気がする。校正もして気がつくと2時間も経っていた。やはりこうして忙しい中でも少しずつ進めて発信していかなければ。。。何より、書くことによって自分も救われていくかも知れない。少なからず書くことによって、読み返すことによってこころが整理されていくような気がする。大切なことを忘れかけていた。

そして、発信することによって、少しずつ何かが変わっていくかも知れない。コンテンツはどんどん公開していこう。そこから何らかの情報が入ってくる可能性もある。今すぐやっていこう。

YMさんから電話あり。保証会社の審査が最後の1社で通ったとのこと。定期借家の件に関しては、10年後の建て替えの話は予定だけで、決定ではないとのこと。ただし、契約としては定期借家としての契約なので、建て替えをしなくても10年後に一から再契約ということになるとのこと。そこで役所向けの話の方向としては、

「自分は数年以内に立ち直り、生活保護からも脱出し、部屋を出ていく予定だという前向きな話をしていけばどうですか?」とのこと。実際私が考えているのはそういうことだし、役所としてもそれはありがたい話なのだからと。

AZさんによると、(沖縄では)3.2万という価格帯だと必ず保証人が必要になってくるため厳しいとのこと。

現地見学なしで契約できる物件に関しては、自社取り扱い物件なら可能な物件もあるとのこと。

AZさんの話を聞いた限りでは沖縄の物件探しは厳しい可能性がある。

元妻とぷんがやってくる!

午後部屋のドアホンが鳴る。台所の窓が空いていたので見てみると元妻の姿が見えた。メッセージを送っていて返信が来なかったので、来るはずがないと思っていたのだが。しかし、万が一来た場合には拒否はしないとこころには決めていた。私はドアを開ける。ぷんの姿も見える。私はふたりを部屋に入れる。まさかぷんも一緒とは。私は不意をつかれた。どうしようもなかった。

昼ごはんを作りかけていたので、

「何か食べるか?」

「何もいらない」元妻が言う。

「今ご飯を食べようと思ってたから」

「食べて。私たち何もいらないから」

仕方がないので私はご飯の用意を続けながら、ふたりのためにお菓子を並べておいた。

「国が面倒見てくれてるんやろ?」

「そうや。お前のお母さんと一緒や」

「いくらもらってるの?」

「お前のお母さんと一緒くらいやろ。だいたい決まってるから」

「部屋代はどうなってるの?ずっと払ってないんやろ?」

「そのへんは話せば長くなる」

「なんやねん。それ」

私が昼食の準備をしている間、元妻とぷんは隣の部屋で私がまとめておいたふたりの荷物を見ていた。ふたりは荷物を仕分けし、必要なものだけをまとめた。

私はシーチキンとご飯とぬか漬けと味噌汁を3人分机の上に並べる。少しして元妻とぷんが隣の部屋から戻ってくる。

「なんもいらんのに」


「何食うとんねんと思うかも知れんけど、これがうまいんやがな」

「体は大丈夫なん?」と元妻が訊く。

「体はどうもないけど、頭が悪い」

ぷんが笑う。


「今度やったら刺したろか思たわ」

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「緊急連絡先は私の電話にして」と元妻が言う。

「この子は忙しいから電話を取れんことが多いし、もうこれ以上この子に迷惑かけんとって」

「わかった」

「この子の顔にもうこれ以上泥を塗らないで」

私はうなづいた。

「私とあんたはもう関係ないけど、この子のために来たの。それだけ。もう絶対に迷惑をかけないで。この子は大切な子やし、私の最高のものやから」

私はうなづいた。何も言うことはなかった。

「ここにはもうおらんとって」

私はうなづいた。

しばらくして・・・・・・

「こんなことになって。。。(悪かった)」

声が出せない。と思った瞬間、自分の意識とは裏腹に勝手に涙が溢れてくる。私は立ち上がって、タオルを手に取る。その後も涙はしばらくの間止まることはなかった。喋ろうと思っても声が出ない。喋ろうとするとさらに涙が溢れてくる。私はタオルで顔をおさえながら、何とかこころを整えようと試みる。情けないと思っても涙を止めることができない。

✏️後で知ったことだが、それは情緒不安定だからということとも関連しているらしい(2024.1.24)。

🎙️長い沈黙が続く。📻ラジオからあいみょんの🎵『愛の花』が流れてくる。

✏️元妻があの日に言った言葉を思い出す。

「泣くのはええことやねん。気持ちがすっとすんねんて」

あの場面でそう言ってくれるのはやさしさだ(2024.1.23)。

🎙️ぷんも泣いていた。

少しずつ意識が元に戻っていく。涙もおさまってくる。

私は何から話せばいいのかわからなかった。あまりにも突然の訪問で、あまりにも久しぶりで戸惑っていた。そして少しずつ思いつくままにこれまでのことを話していった。

話している間に、ふたりが知りたかったことは、

  • お金のことは大丈夫なのか?

  • 今後同じことは繰り返さないのか?

ということだとわかったので、できるだけその部分に的を絞って話をするようにした。取り急ぎ生活保護を受けているので、最低限の生活は保障されているということ。緊急小口資金、総合支援資金は免除になるということ。詐欺被害にあったことをかんたんに話した上で、消費者金融からの借金に関しては、法テラスで弁護士に相談し、自己破産の方向で話が進んでいくことになりそうだということなどを話した。

元妻がこの部屋に何度か来てくれたこともわかった。机が斜めになっていたのは元妻がしたことだということもわかったし、クレジットカードが机の上にあったのも、元妻が気になって見ていたからだということもわかった。

元妻とぷん、そしてぷんの夫までがここへ来て、いろいろと私の借金の状況を調べて心配してくれていたことや、元妻がこの部屋の部屋代を払おうとまで思って悩んでいたことなども初めて知った。私は言葉がなかった。元妻はひと晩泊まっていったという。

みんなに迷惑をかけ、悲しませていた。

今後のことに関しては、自分としては元に戻ったつもりでいるものの、本当のところ、どうなのかということは、死ぬときになってみなければわからないということを伝えた。

「何を言っても、言い訳みたいな話になる。何も言えることはない。親としても失格としか言いようがない」

「ここからは出て行く。できるだけ遠くに引越しする。だから心配はいらん」

「MKにもあやまってたと言っておいてほしい」

「詐欺にあった」ビットコインの話をする。消費者金融の借金の件も。架空の2千万円の話、口座の凍結の話も。自分がバカだったという話も。

事件のことに関して、

「私が結婚したことも関係あるんやろ?」とぷんが訊く。

私は事件に至るまでの経緯に関して、コロナの頃に遡って話をした。病気になって退院してからの日々のことを。病気の再発を考えたときの恐怖心からの寝たきり生活のこと。酒には酔うことができず、タバコもまずくなり、ご飯も味がしなくなり、温泉に行っても5分で上がってしまい、ピアノも弾けなくなり、本も読めなくなってしまったこと。マッチングアプリを始めたこと。そして詐欺に遭ってしまう。それらと今回の一連の事件が関係あるのかどうかはわからないが、とにかく体は異常な状態だったということ。思いつくままに、拘置所や刑務所で考えてきたことを話した。おかんが死んだときに涙も出なかったっていうことも。つまり、ぷんの結婚と私が事件を起こしたこととは何の関係もないということを最大限に説明した。

「なんでこうなったの?」とぷんが訊く。

「人間には誰の中にも悪があるやろ」

私の口から吐いて出たのはその言葉だった。

(人間のこころの中には善も悪も存在する)

✏️ぷんの質問に対する答えとして適切だったかどうかはわからない。

なぜこうなったのか?私は今もそれを考え続けている。つまり今の私はまだスタート地点にいるに過ぎない(2024.1.26)。

🎙️しばらくの間、ふたりは何も言わず黙っていた。

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元妻は、

「これからやり直そうと思ってるんやろ?私はがんばってる人は応援する。だから困ったことがあったら連絡して。おかしくなるくらいやったら必ず連絡して」

「そうやな、わかった。ありがとう」

「友達として応援するから」

「わかった。ありがとう」

こころにしみる。

今のこのような自分にこのような言葉をかけてくれる人間は他にいない。

「お前にはあやまらなあかんことばっかりや」

元妻は母に私が事件を起こしたことを話したという。

「しゃあないやん。他に言う人おらんねんもん」元妻の母は私のことを心配してくれているという。

こころにしみる。

元気にしているという。

「わしのことは、心配かけんように上手に伝えておいてくれ」

ふたりが帰ろうとする間際に思い出し、私は元妻の喪服の着物を見せた。元妻は宅急便で送ると言った。私はふたりの荷物に関して、ぷんに手紙を郵送したことを伝えた。ぷんは届いていないと言った。住所が変わっていたらしかった。

ぷんにおかんの般若絵心経を見せた。宗教は普通の人には必要ないかも知れないけれど、今の私のような人間には必要なものであるということ。これを見ながら暮らしていくから心配はいらないということ。

元妻がアル中だということ。発泡酒を1日に4本飲んでいるらしい。しかし体はどこも悪くないという。しかし私は心配になった。元妻はそんなに酒を飲む方ではなかった。

「私は他人やけどこの子と繋がってる限り縁があると思ってる」

「わしもそう思ってる」

ふたりが帰るとき、私はいつものように駅で見送るのをやめることにした。

「ここでお別れする。そうせんとお前らに迷惑をかける」

元妻は駅の近くのコンビニから荷物を宅急便で送ると言っていたが、よく考えてみると、着物なので重かったのに、自分が後で持っていってやればよかったと後悔した。

隣の駅まで歩き、いつものタバコを1カートンとハイライトを1箱、ジンを1本買う。さっきまでのことが激しく頭の中を駆け巡る。

なんてやさしいんだ。。。今の私にこれほどまでに親身に語りかけてくれる人間など他に考えられない。

深くこころにしみる。

中足骨頭部痛による足の痛みは少し治まったようだ。何とか歩けるようになった。マッサージとチタンテープの効果があったのかも知れない。

💬今日はいろいろとありがとう 情けなかったが 感謝でいっぱいでことばがない からだに気をつけてほしい

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