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雪も散らつく、寒さの折に。 【二十四節気・大雪】

【季節のお便り】二十四節気の香りで四季を楽しむマガジン
 二十四節気・大雪
(大雪の内の七十二候 / 閉塞成冬 / 熊蟄穴 / 鱖魚群)


今年の冬は、何と暖かいことだろう。

そう思っていた日々も束の間、一転して、この凍てつく寒さ。

夏の厳しい暑さも含め、
今年は何かと変化の激しい、落ち着かぬ四季の一年でした。

とはいえ、良いこともございました。

去る12/8(土)東博(東京国立博物館)での香筵では、小春日和ともいうべき穏やかな陽気に恵まれました。

香筵とは、お香(香道)を楽しむ会のこと。
おかげでご参加の皆さんも私も、寒さの心配もなく、和やかに香を聞くひと時を過ごせました。

「全く初めての方も手ぶらで気軽に参加できる、正座なしの本格的な香道体験会を作りたい」という思いから生まれた香道体験会を東京で始めて早数年。

四季折々の魅力を活かして毎回、趣向を凝らした香筵を開く為、年1〜2回の限定開催ながら、ご参加頂いた方々に大変好評を頂いております。

以下に開催当日のレポートもご用意していますので、ぜひご覧ください。香筵当日の雰囲気を、少しでもお楽しみ頂けますように。

東京近郊の方は勿論、日本書紀に香木伝来の伝承が残る淡路島のお香屋さんなど、遠方から来てくださる方も居られます。大変嬉しいことです。
今後も、年齢・性別も様々、初めての方からリピーターの方まで、幅広い方々にお楽しみ頂ける会を継続していきたいと思います。

二十四節気・大雪

「大雪(たいせつ)」は、例年12/7頃〜次の冬至までの12/20頃までの期間。
師走に入り、いよいよ冬らしく、本格的に雪が降り始める頃合いです。

大雪の内、12/13は「正月事始め」と呼ばれる、お正月の準備に取り掛かる日もあります。
京の花街などでは、芸妓さんや舞妓さん達がこの一年お世話になった方々に感謝を伝え、新年に向けたご挨拶参りを行うのもこの時期です。

花街に限らず広く一般に於いても、御歳暮を贈るなど、この一年の感謝をお伝えする時期でもありますね。

だんだん、新しい年が近づいて来ています。

残された日々を大切に、じっくりと過ごしていきましょう。

余談:2018年の「大雪」は、本当は12/7からだったのですが……全国各地で気温25℃を超える夏日を記録するニュースも報じられ、暖かい日が続くなど、「雪」という言葉があまりにもしっくり来ない日々でした。もう少し冬らしさを感じられる頃まで、更新を寝かせて熟成させることにしました。今ではすっかり冬らしくなりました。

大雪の内の七十二候

12/7~12/10頃 閉塞成冬(そらさむくふゆとなる)
高らかな秋の空から季節は移ろい、閉ざされたような鈍色の空に真冬の到来をみる季節です。
12/11-12/15頃 熊蟄穴(くまあなにこもる)
秋にたくさんの餌を食べた熊達が、いよいよ冬籠りを始める頃。寒い日には冬眠する生き物を羨ましく思うものです。
12/16-12/20頃 鱖魚群(さけのうおむらがる)
産卵のために故郷の川を上る魚の群れが見られるという季節。元々は鱖魚(けつぎょ)という中国のサケ科の淡水魚を指していたものを、日本にもいる魚・鮭で代替したようです。

生まれた川の匂いを頼りに、遠い海から戻ってくるという鮭。

お香の目的は、香りを当てることではなく、香りを楽しむことなので、聞き分けられなくても問題はありませんが……

もし魚達が香道の組香(香りを聞き当てるゲーム)をすれば、その結果は人間など足元にも及ばない程になるかもしれませんね。

それではまた次回、12/22「冬至(とうじ)」の頃にお会いしましょう。

いよいよ冬らしくなって来た今日この頃、どうぞ暖かくして過ごしてくださいね。

関連リンク / 参考記事
【季節のお便り】二十四節気の香りで四季を楽しむマガジン
【鱖魚群】見方が変わる?鮭の生き方に注目(ウェザーニュース)

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