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【創作小説】まわれ!今川やきくん!〜プロローグ〜(連載)


「オッチャンよぅ…」

「ん?なんだ?今川やきくん」


-ここは とある一軒家の 昔ながらの今川焼き屋さん-



「オッチャン…。オレなぁ…」

「なんだ?どうしたんだ?」


「なんだか…」

鉄板の横で 熱くなった体を冷ましていた 今川やきくんは オッチャンの右肩に ヒョイッと飛び乗り、 話を続けた 。

「ん。ん〜む…。オレなぁ。なんだか みょーに 気になる女の子がいるんだよなぁ…」


「女の子だって?」

「そう。そう。毎日 ガラスの向こうで、 オレら今川やき達が 鉄板でホクホク焼かれてるとこを 見ている女の子」


「ああ! 小学生くらいの女の子のことか?」

オッチャンは 左肩に あんこの入った 長い筒を乗せて、鉄板の型の一つ一つに ヘラを使って あんこを 入れながら言った。


「あ!そうだよ!その子!いつも ニコニコ たまにビックリ!した顔して 楽しそうにオレ達を見てる子!あの子の笑顔…かわいいよなぁ…」


「ハハ。ヒナちゃんのことだな。 さては 今川やきくん‥ヒナちゃんに恋をしたか?」


「こい?…なんだ それ? 美味いのか?」


「ハハハ! 食べものじゃないよ」


「なんだ。ちがうのか…」


「その子を見ると ドキドキしたり、好き好きー!って思う気持ちが100万倍になることさ。今川やきくんは 今 そんな気持ちが してないかい?」


「あ…。 ん〜む…。ちょっと してるかも…」


「んふふ。今川やきくんの初恋って やつだな。ふふふっ」


「そうか…。そうなのか。これが 恋…初恋…ってやつなのか…」



続く









































































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