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やさしさと暴力/信頼と契約
やさしさと暴力やさしさとはなんだろうか。受動的にやさしさを感じるときと、能動的にやさしさを行使するときで、僕たちはそもそものやさしさのあり方が異なるだろう。
ぼくは非常に消極的な方針でやさしさというものを「感じる側」、つまり受動者の側から考えた。その時に導き出した結論はこうだ。やさしさを恣意的に与えることはできない。やさしさは、ぼくたちが感じてやる必要のあるものだ。
例えば、やさしさというのはどん
生きる意味とはなにか
生きる意味とはなにか、
人間、死んだらチリとなる。数百万年後、ぼくたちの意志は残らないだろう。有限なぼくたちよりも圧倒的に広大で無限な宇宙に対して、ぼくたちはほんとうに戦を仕掛ける必要があるのだろうか。
生きている間にその生の楔をうえつける。作品とは、自らの生を越えてもなお残存するぼくたちの生の記録だ。ぼくたちはそういった「彫刻的なもの」を大地に刻むことで、永久的な生を得る。ハンナ・アレントは『
めぐりめぐる2022年欧州21カ国完全制覇の旅
訳あって、留学生活を終え、僕は日本に帰ることとなった。しかし、帰る前にできるならば、ヨーロッパを概観してみたい、そんな気持ちに動かされ、ぼくは先月から「ヨーロッパ21カ国完全制覇の旅」に出た。旅の趣旨は、とにかくいろんな国を訪れて、見て、話して、泊まって、食べることで文化的な差異を見つけることにある。そして、ただ国を適当に回るのではなく、世界的な知名度が高く、EUの基軸をになっている国家群であると
もっとみる英語圏のドラムンベースについて、ゆるく語る・ゆるく紹介する
2020年初頭あたりから2021年にかけて、コロナ禍に入って人々がゆるやかに家に篭るようになった時期、ぼくはいくつかのきっかけによりイギリスや英語圏のシーンで流行ってるDrum'n'Bassというジャンルに興味をもつようになった。
きっかけはいくつかあったけれど、まず第一に当時からサークルで関わりがあったtellurさんからHospital Recordsの話を聞いたこと、第二にunder_fr
『愛と哲学 EP』に添えて
ぼくは音楽を作っている人間ですが、同時に、理系大学生でもあり、フランスに留学している人間でもあり、西洋近代哲学が好きな人間でもあり、彼女のことを愛している人間でもあります。
そんな僕にとって、「自分の音楽で表現するもの」、というのは多様なかたちがあります。
人には人の歩んできた人生というものがあるわけなのですが、ぼくはその中で、音楽に関わるものをたくさん経験してきました。
その過程で手に入れたも
哲学的生活習慣の変更・実践
すこし前に、右翼系国会議員の杉田水脈氏が「生産性がない」といった趣旨でLGBTを論じた際、各所で相当の批判がおきていた。そんな時、よく「LGBTに生産性はありますよ」みたいな根拠からひっくり返す批判というのをみることがあった。
ぼくは、こういうタイプの批判というものは、あらゆる議論において参考になるし、一考の余地が残される視点だな、と思っている。というのも、概してそういった批判は全く別のイデオロギ
フランス紀行 10月編
ぼくは2021年の8月末からフランスに滞在している。
留学のためにフランスのある大きな街で暮らしているのだが、しばらくここで生活して、色々と気づくことがあった。本稿は日記調で、短文の集積になるが、集めて眺めてみると、フランスでの特異な生活が垣間見えると思う。
暇な時に、布団の上で寝る前にでも読んでもらえれば幸いである。
10月A日滞在先の僕の大学は、しばしば不定期イベントが発生する。今週は、い
内輪ノリと意識高い系について
本来であれば月に一回文章を書くと決めていたのであるが、7月分はしばらく出せていなかった。個人的な事情として、フランス留学が決まり、諸々の準備に忙しかった。しかし、それは別として考えていることというのが減ったわけではない。
ここ最近の日本の世情というのは目まぐるしく変わっていた。特にオリンピックが開催されるということもあり、多くのニュースがコロナの問題を中心に動いている印象だった。
中でも僕が非
LIBEREX楽曲制作の裏側
このページを開いてくださった多くの方には恐縮なのですが、まずはいくつか感謝を述べさせてください。
2021年春のM3、自分としては売り子も出展も初めての経験で、その上でこのような素晴らしいコンピレーション企画に参加できたことを、とても嬉しく思っています。
企画の主催をしてくださったMonarXさん、全楽曲のマスタリングを担当してくださったごはんがかりさん、そしてアルバムジャケットを制作していただ
シン・エヴァンゲリオンを観たので熱の冷めないうちに雑記
シンエヴァを見たので、雑感を述べておく。
決して僕はエヴァの大きなファンではないけれど、その物語に描かれている孤独や葛藤や人生問題のとらえ方に共鳴する者の一人である。
良い作品というのは、細かなディティールにこだわる製作的側面と、価値観を我々に押しつけてくるような芸術的側面が同時に訪れる。ぼくは文章において庵野監督が作り上げた製作的側面、あるいは細かなディティール、雰囲気としての映画的道具の使い方
疑うということへの陰謀論
つい最近から、#clubhouseというサービスが流行しはじめている。
フォローしている人の話している(あるいは参加している)ボイスチャットがラジオ配信のように番組として僕たちのアプリ上に現れ、軽率にもその輪の中に参加できる。自ら配信のルームを作成してラジオ配信のようなものを行うこともできるし、視聴者はそこに挙手することで配信に参加ができる(可能性が生まれる)。コメント欄もなければ、視聴者数も確認