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ボヤキ漫才はドツキ漫才より好き~詩と雑録

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つぶやき、ヘボな詩の、はきだめです。はあ~
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#世界

小詩集~錆びた藤棚の下で、枯れ葉のごとき人(再構成含む)

小詩集~錆びた藤棚の下で、枯れ葉のごとき人(再構成含む)

まだ寒い

弥生のそらにこぬか雨

街はいまだ

成熟の時代を知らず

人は老い衰える

春はただ

惰眠の予感

それもまた楽し

断酒会ではいつも

アルチュウで糖尿病と

自己紹介をする

大酒呑みで糖尿病で死んだ

父と兄の思いでを語る

脳梗塞から片足をえそで喪い

静かな五年の闘病で亡くなった父

いつもベッドに寄り添い

老いを迎えた三毛猫

生への疑念に沈んでいた

私は父のように

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小詩集~宇宙がこわい

小詩集~宇宙がこわい

宇宙のことを考えるとこわいねん

と言って

死んだ同級生がいた

彼がなにを恐れたのか

私は陳腐な言葉にできないから

宇宙のことをあれこれ感じながら

生きてきた

たしかに死にたいほど

孤独でさびしく

膿のように不可解な情念につつまれる

そんな日々もある

無力で金も知恵もなく

ぽつんと虚空にとりのこされる

でもそのうつろさが

命の自由の源泉でもあると

私はうそぶく

何者か

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小詩集~Facebookページ雀の涙、より

小詩集~Facebookページ雀の涙、より

たっぷりお酒をのんで

たっぷり記憶を消した

記憶にあるのは

ハムスターたちの

笑顔のように口もとをむすんだ死に顔

二年の生涯になんの悔いもないような死に顔

お酒をやめて

ハムスターを飼うのもやめた

悲しすぎるから

酔いから覚めて生き延びて

老いてなぜか

子どもの頃の後悔に満ちた記憶が

よみがえるようになってきた

幼児期を生きなおしているように

そして幼い日の時間はあまり

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相互主観性の哲学・雀

相互主観性の哲学・雀

なぜ

雀に会いたいかって

昔のあの人に会いたくてたまらない

深い絶望があるわけではない

毎日会ってるのが同じ雀かもわからない

でも

座っているだけで

僕を認知してくれる

この役立たずの無気力な生き物を

みつめてくれる

哲学の根元をもとめて

論理をつきつめようとした人が

最後に叫んだ

他者とはなにかわからない

他者がわからないと自我もわからない

相互の主観が共有する

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思春期をとりもどせ~不毛な言葉「中二病」

思春期をとりもどせ~不毛な言葉「中二病」

雀は人間の文明が始まって以来の、共生生物だと思われます。付かず離れず生活域を共有し、人間がいなくなった集落からは雀の姿も消える。

だから、日々雀と適度に遊ぶのは、文明人のあかしといえます。

しかしまあ、公園で雀と遊ぶ人というのは、どちらかというと、マイノリティです。

社会にとり意味のない存在。

また、あえて社会的意味など求めない自我の働きともいえます。

日本人は、子どもは半分神様の世界に

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