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ボヤキ漫才はドツキ漫才より好き~詩と雑録

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つぶやき、ヘボな詩の、はきだめです。はあ~
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#詩

七夕~詩3編

七夕~詩3編

母のふるさとは

鳥取県の東の山間の集落

私都と書いてきさいちと読む

川の水が冷たく

うぐいがむれ泳ぐ私都川

木登り上手な猿むすめとよばれた

こがらな少女

都会に呼ばれて嫁入りし

何度も流産を繰り返しながら

やっと私を産んだ

私が心臓神経症の発作におびえ

眠れない夜に語ってくれた

ふるさとの記憶

幼いころたずねた夏を

私もおぼえています

生まれることかなわず

流れさっ

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夜明けの雲が見たくて
わざわざお出かけ
まだ人の気配のない街
どこかで同じ空を
見ている人が
すこしはいるだろう
すこしで
かまわない
空にイイネマークなんかないし

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私説みなづき

水めぐむお空の国のお池では水が減ります
困ります
カエルが言いますありがとう
お空の国はがまんして
どういたしましてと
やせ我慢
空が晴れたら入道雲が
水を返しにまいりましょう

写真Google

公園のなかの散策路
どこからきて
どこへゆくのでもない
ここにやってくるのに
理由はいらない
寒い時もあり暑い時もあり
お彼岸まえの日だまりに
街の雀も元気だ
私には目的はいらない
もうじき桜も咲くでしょう
でもそれが目的でも
結論でもない
始まりも終わりもない
春近い散策路

空の光~詩一編

空の光~詩一編

寒い2月でした

みっかぶりに買い物にでて

空を見上げます

うつむいてスマホばかり

さわっていてはいけません

スマホは空を撮影することもできます

知っていることばかりくりかえして

私たちが無知であることを忘れたら

スマホは腐ります

空に雲

枝に雀

地球に和ヤワラギを

私たちの知性がつかの間のうたかたで

消滅しないという約束はありません

意識を時空に広げ

のちの知性への言

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錆びた藤棚の下で
タバコを吸う
幾山河超えさりゆかば
なお寂しさのわが故郷に回帰する
言葉まずしき国とて
言葉まずしき詩人の住みかなり
老いたる身を嘆くな
常に命はさだめなきもの
年月をへてなお愚昧なり

詩1編~喫茶紫煙

詩1編~喫茶紫煙

#喫茶紫煙

ふるさとの廃墟の街の

崩れたビルの残骸にある

ちいさな駄菓子屋

紫煙

昔とかわらず

はっかパイプをくわえた子供たちが

木の長椅子をきしらせていた

必ず帰ってくるんだよと

ここのお婆さんと約束したような

思い出をたよりに

帰ってきた

満面の笑みにくしゃくしゃになり

僕を迎えてくれるただひとりの人

店先のはっかパイプを手に取ると

本当の煙草は知らないのだねと

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21世紀年代記、など

21世紀年代記、など

百年のねむりひめ

究極の姉さん女房

もしかして僕は彼女の夢に

すぎないのでは

たとえ災厄に満ちた

偽善の悪夢だとしても

彼女にくちづけした瞬間

僕と僕の人生は消滅するかも

それでもかまわない

僕の孤独を

百十五歳の姫に捧げる

21世紀年代記

20世紀最後の年2000年

何人かは頭脳エラー起こして21世紀オメデトウて書いてしまったが心配されていたコンピュータの大規模障害はな

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なくなってゆく方の苦しさ
なにもしてもらえず耐える姿
家族の思い
予想された事態に対処を怠り
漫然と終息をまつ為政者
怒らないマスコミ
あきらめ流される国民
季節性変動のたびに
忘れ去り
繰り返す
深刻な後遺症からはめをそむけ
楽観論に喝采する
そしてやはり
なにもしない

風ときて雀とみまがう木の葉舞う
夜半より豪雨に耐えた雀たち
この街の疾病やまず雨安居
雨だれに大師太子の慈悲ひかり
(21日弘法大師22日聖徳太子の月命日)

あらみたま
にぎみたま
自然の二面性を
神々の心にこめる
我々ちいさな生き物が
神々の裁きの真似をしても
自滅するだけ

明日もまた生きていますよう
ただ祈る