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サブカルこけしの日常

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30歳を過ぎてから男性→女性に性転換した人の徒然なる文章たちです。誰の役にも立ちません。
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#恋愛

あぁ。

人の物が欲しい訳じゃない。人の物だったってだけ。

私に悪気なんてありゃしない。

繋いだ手を振り解こうなんて思えない。

美化なんてしようと思わない。

この気持ちに慣れてしまうのかなぁ?

それはそれで私の生き方にはお似合いな気もするよ。

なんで?どうして?なんて考えても無駄だから。

灰を被って、ガラスのヒールがへし折れても。血まみれになった裸足のままで、終わりの景色がやってくるまで私はこ

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扉は常に開いていない。

勝手に踏み込んできて、勝手に引っ掻き回していく。

皆、そうだ。

あなた達にはちょっとした好奇心なのかもしれないけれど、バカだから次こそはと期待してしまう。

最初は優しい。

皆、そうだ。

慎重に、少しだけ開けた扉に片足を突っ込んで。優しい言葉でチェーンを外させる。そこに目的の物が無かったらすぐに消える。

用件が無いのに掛かってきていた電話も。次のデートの約束までの数日間を待ちきれないとい

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乙女のたしなみ

世の女子達よ。

高級ブランドバッグにペペローションとイチジク浣腸を忍ばせてデートに赴くこのやるせない気持ちが解るか?

解るまい。

君たちにはそれくらいのアドバンテージがあるんだ。

未来は明るい。

頑張れ。

冒頭

「ここが世界の果てだよ。」

あなたは約束を果たしてくれた。自分でも忘れていたような戯言を覚えていてくれた。

それだけで充分。本当はこれが最後の旅になるって、飛行機のチケットを受け取った時から気がついていたの。

この空気の匂いも肌を刺す風も、流れる雲も、何一つ味わう余裕なんて無かった。私は只々、最後の瞬間まで貴方の顔を脳に焼き付けるように見つめていた。

記憶とは脳に蓄積されるものではなく、脳

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ツンデレラ。

心と頭をフル回転。そうやって人生をサバイブしてきたの。

だから頭だって悪くないし、神経は常に鋭敏。大きく間違った選択なんてしないわ。

人の恋愛相談だってたくさん受けてきた。

「恋とか愛なんて普遍的なものよ。自然体でいればいいの。心の赴くままに、素直な心を見せてあげて。」

いつも自分のペースを乱さずに。ホット&クレバーが信条。

でもそんなの一瞬で崩壊。

好き好き大好き。

すきすきだいし

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恋のはなし。

普通の恋を諦めていた。

恋は出来ると思っていたけれど。結末を期待しないものでよかった。

自分を愛する事で精一杯でよかった。

わたしの心と頭の中だけで育めばよかったの。

わたしを必要とする人が現れたって、きっとその人が望むものを与えることは出来ないんだから。

期待しないから。期待させないで。

でも、どうしても心がざわつく。そんな時ってある。

あぁ…どうして深入りしてしまったのだろう。責

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寿命。

人間は環境を変えることにより、長く生きることが出来るようになった。一体いつまで生きればいいんだろう?そんなことすら考えられるくらい長生き出来るようになった。

基本的に人の最後は色々な機能不全で命は朽ちていく。放っておけば腐臭を放つ。そこまで行き着くには当然、痛みを伴う。死は平等だ。

何者でも無いと。何者にもなれなかったと悟ることが出来てから、生きていくには長すぎる。果たされてしまったと気付いた

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愛される努力。

愛される努力をしよう。

そんな努力をしなくても上手いやり方を知ってる人はたくさん居るけれど。

それをあざといと思いながらも羨ましいのであるならば。不器用なりに愛される努力をしよう。

努力をしなくてはならないくらいの人は、自分で思っている以上に愛される資格があるのだから。

やれる事を誇示するよりも、出来ないから助けて。って言える人間に今はなりたい。

ただただ甘えたいやつ。おまえはダメだ。

手紙

とても内気で、でも笑顔が印象に残るお客様でした。

ある日、お見送りに出たわたしに。

「これ。受け取ってください。」それはうすむらさき色の便箋でした。

男の方からお手紙を頂いたのは初めてでした。

美しい文字とは言えませんでしたが、わたしの事を考え思い出しながら筆を進めて下さったと思うと心が温かくなりました。

筆圧高くちょっと歪んだ文字も朴訥な人柄そのものでとても嬉しく思いました。

メール

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ブスの戯言。

2016年。わたしの事を好きだという男性が現れ始めた。

奇特だ。

そして揃いも揃って皆、不器用だ。

たった一人を除いて。

先ず。不器用チーム。

みんな、わたしの何を知って好きになるのだろう。その理由が見えてこないし伝えてもくれない。

お店のカウンター越しに見てるわたしは…24時間×365日のほんの一部分だよ。

ならば顔なのだろうか?顔なら顔と言って欲しい。

わたしは自分の顔が好きで

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ともだち-2。

「自分なんて探したって見つからないよ。」

わたしは最近女性ホルモンを始めた友人に軽口を叩く。

彼女は一人旅が好き。そして一人遊びが上手。

たまにTwitterにおセンチな短文を呟く。そしてここ数年、毎日きちんとブログを更新している。

その度にわたしは彼女の書き記したものを覗きに行く。

わたしは彼女の不器用で一生懸命なところがとても好きだ。

それ以外にもたくさん好きなところがある。

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あの古いメルセデスベンツ。

あなたとの数少ないデート。あなたはなんとも思ってなかったのかもしれないけれど。わたしにとっては大切なデート。

四角くてモダン。とても品が有って、あなたにとっても似合っていたわ。ちゃんと大切にしているんだなって伝わってくるところもズルい。

意外と真っすぐな道が少ない東京。勾配や適度な渋滞。見知らぬ景色。ドキドキし過ぎてどうしていいか分からなくて。でも、ずーっとこの時間が続いたらいいなって思ってた

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