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「国民を洗脳する装置」としての朝日・毎日 〜デジタルコレクションで読める「GHQ焚書」から

NHK党の立花代表は、「テレビは国民を洗脳する装置です」とテレビ朝日で言ったそうですが、マスコミの本質がプロパガンダであるのは昔からです。

特に「朝日・毎日」は、戦前から、その主たる「装置」でした。それは、「GHQ焚書」を通じてもわかる、というのが今回のお話。


GHQ焚書とは


「GHQ焚書」とは、占領軍が昭和21〜23年のあいだにおこなった、戦前・戦中の「プロパガンダ刊行物」の没収・廃棄です。米側では the Confiscation of the Propaganda Publications と呼んでいました。

対象は、昭和3(1928)年から20(1945)年に発行された本、7769タイトルでした。この期間の全刊行点数は約22万点でしたから、全体の3〜4%が焚書されたことになります。(西尾幹二『GHQ焚書図書開封』)

それは、報道や通信の「検閲」とともに、戦後の日本人統制を容易にするための、GHQの思想工作の柱でした。

戦前と戦後の、日本人の思想の連続性を断つ目的です。

戦中の「鬼畜米英」が、2、3年で「アメリカ万歳」に180度転向した光景は、同時代の人にとっても奇妙な体験だったようです。

GHQの「検閲」と「焚書」が機能したのは確かでしょう。

「検閲」と「焚書」の事実は、戦後長らく隠蔽されていました。

「焚書」といっても、すでに個人が買った本や、公共図書館に入っているものは見逃されました。

版元や問屋・書店の倉庫にあるものが没収されたのです。だから、目立たなかったのかもしれません。

しかし、全国で組織的におこなわれ、没収命令に逆らうと罰せられる厳しいものでした。


プロパガンダの主役だった朝日・毎日


現在では、「焚書」された全タイトルが判明しています。

対象となった本の版元の1位は朝日新聞社で140タイトル、2位は講談社(大日本雄弁会講談社)83タイトル、3位は毎日新聞社81タイトルでした。

戦前戦中のプロパガンダをいちばんやっていたのが、これらの会社であったことの、客観的な証明でもあります。

このことから、GHQが去ったあとも、「焚書」の事実が隠され続けてきた理由が、何となく分かります。

「焚書」を命令したのはGHQ、すなわち米国ですが、日本語は読めないので、リストの作成において日本側に協力者がいたのは確実です。西尾幹二氏の調査で、東大文学部の教授陣が関与したいたことがわかっていますが、全貌は不明です。

自社の出版物を廃棄された朝日新聞や毎日新聞は、一見被害者ですが、実際は彼らは協力者であり、加害者側だったのではないか、と私は疑っています。

なぜなら、自分たちが戦争に全面的に協力した証拠を消してくれたわけですから。いちばん助かったのは朝日、毎日、講談社なのです。

独伊の戦犯マスコミは連合軍に取り潰されたのに、なぜ日本の新聞社や出版社は生き延びられたのか、という問題ともつながっていきます。

朝日・毎日は、いわば「魔法」によって生かされています。その「魔法」は、鏡に戦前戦中の自分の姿が映し出されると、たちまち解けて、死んでしまうのです。朝日・毎日は、戦前戦中を否定しないと生きていけない生き物なんですね。

戦中は「鬼畜米英」の「当たって砕けろ」を、戦後はそれを180度ひっくり返して、「9条護憲」の「当たられて砕けろ」を煽る。どっちも無責任だろ。国民の命よりイデオロギーを優先するのは変わりません。

「戦犯企業」が、何の罰も受けず、無責任が許されて、戦後も続けて世論操作を任されたが、日本の言論空間を歪めたのは間違いないと思います。

朝日・毎日以外も含め、ほとんどのマスコミが戦前から続く「共犯者」だったため、マスコミ内で相互批判が効かず、自浄作用が働かなかったのも大きいでしょう。


デジタルコレクションで読める


それはともかく、この春から拡充された国会図書館のデジタルコレクションで、これら「GHQ焚書」がどの程度読めるようになったか、というのがここでの主題です。

図書館の本は没収されなかったので、GHQ焚書の8〜9割は国会図書館が所蔵していることはわかっていました。だから、これまでも、国会図書館に行けば原則読めるはずでした。

しかし、読めない本もあるらしいですし、少なくとも1割は国会図書館でも原本が失われていることになります。

以前、国会図書館で戦前の本を読んでいると、肝心なところでページが破り取られているものがありました。「都合の悪い歴史を消そうとする意思」は常に働いているのです。

GHQ発禁本は、どの程度までデジタルコレクションで読めるのか。

すでに精力的な調査を始めている「しばやん」さんによれば、3分の1ほどが読めるということです。

焚書の全リストは以下。

焚書点数の多い朝日新聞社、毎日新聞社についても、「しばやん」さんは、それぞれ代表的なタイトルを紹介してくれています。

この主題で「しばやん」さんのブログに勝る内容のものはないですから、興味がある方はぜひご参照ください。

戦後に復刊された安全な本は別として、日本の戦前の本を、マスコミは決して読ませたいと思いません。

例えば、読書感想文コンクール(毎日新聞社主催)に、戦前の毎日新聞社刊行物の感想文で応募したら、作文の内容以前でアウト、落とされるでしょう。

ネット企業だって、パブリシティ料をもらえるのは今の出版社からだし、新刊を売るためにカネを受け取るわけですからね。

だから、戦前の本は、それぞれが自力で探して読むしかない。デジタルコレクションは、そのための強い味方です。

私自身の関心は、歴史そのものを追求する「しばやん」さんとは少し違ったところにあります。

前のブログでも書きましたが、「ウクライナ」後の日本における愛国心に関心がある。

戦後思想だけで愛国心は築けないのは自明だと思いますが、戦前思想だけで無理なのも自明だと思います。

戦前と戦後の連続性を日本人が取り戻さないと、本当の愛国心は生まれないと思うんですね。

そういう観点から、これからも折に触れて戦前の本を紹介していきたいと思います。

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