アカデミー賞と「アジア人差別」
きのうは米アカデミー賞での日本映画受賞の快挙が報じられたが、もうひとつ盛り上がらない自分を感じていた。
「ゴジラ」や「宮崎駿」が趣味でないこともあるが、視覚効果賞やアニメ賞はしょせんメインの賞ではない。
韓国は作品賞をとっているのに。
中国人は主演女優賞をとっているのに。
宮崎駿は2度目だし。「監督が視覚効果賞をとったのはキューブリック以来55年ぶり!」とか、「ジブリの受賞は21年ぶり!」とか煽られても、
「そんな、ムリに『〇年ぶり』にせんでも・・」
とシラけてしまう。
しかも、式典のさいちゅうに、アジア人に無礼な振る舞いがあったというではないか。
ロバート・ダウニー・Jrとエマ・ストーンのアジア人に対する態度、露骨すぎて草も生えない。 これを国際的なステージでやるっていうね。。。。
(症候群 3月11日16:20)
ロバート・ダウニー・Jr、オスカーを手渡したキー・ホイ・クァンを無視する…
グーニーズ、インディジョーンズのレジェンド、エブエブで素晴らしいアクションを披露したホイ・クァンさんを無視とは悲しい。しかし白人圏では似たようなことがよくある。東洋人差別は根強い
(谷本真由美 3月11日19:44)
アカデミー授賞式での件、とても悶々とする。 あれは本当にアジア人差別の典型的な事例が公の場で露呈してる。 そんなことなくない?と言ってる人は現地であの「空気のように扱われる」感覚を味わったことのない人だと思う。 そもそもわたしは映画Oppenheimer 自体、不快感が残って、この受賞自体も
(北口梨沙 3月11日20:34)
アイアンマンのほうはもう見えてすらいないって感じですな…
(栗原裕一郎 3月11日23:58)
けしからん!
日本人は明治以来、白人のマネをし、「名誉白人」にされて喜んでいたら、「お前らは別だから」と差別されて傷つく、というのを繰り返してきた。
「あなたたちにあこがれて、必死で追いかけて来たのに、ひどい・・」
三国干渉、人種差別撤廃要求(の否決)、排日移民法を、戦前の「三大侮辱」という。
こうしたことが起こるたび、右から左まで、全日本人が憤慨し、アジア主義が広がる契機になった。
明治に真っ先にキリスト教徒になり、欧化主義の先鋒だった徳富蘇峰も、「白閥打倒」を叫びだす。
わたしが若かった1980年代にも、経済で世界一と言われたら、同時に「ジャパンバッシング」があった。
「おれたちのマネをして、おれたちより下だったら、頭をなでてやるけど、おれたちより上をいくのは許さん。しょせんアジア人だからな」
と思われてるんだわ、きっと。
それでも、1980年代の「ジャパンバッシング」のなかに、ちょっと遠慮や媚びがあったのは、日本は英米とマジで戦争したという実績があるからですね。白人にも、まだその恐怖心が少し残っている。
アカデミー賞で頭をなでられて、喜んでいる場合か!
直前には、猿真似の「日本アカデミー」なんてのまでやっていた。恥を知れ!
わたし自身は、ゴジラがアメリカでポップカルチャー的に受け入れられているのも、なんとなく気に入らない。
最近戦争してないから、またナメられとるぞ。
ーーと精神がたかぶるのも、きのう書いた「毎日新聞の満州工作」という記事の関連で、松岡洋右の演説「日本精神に目覚めよ」を聴いていたからだと思う。
松岡も、最初は冷静な外交官だったのに、英米とつきあううち、アメリカ留学時代に差別された記憶がよみがえって、キレて国連脱退したのだと思う。
宮崎駿がアカデミーの式典に出席し、
「ばかやろう、なにがアニメ賞だ! 作品賞を、日本まで持ってこい!」
と叫んでオスカー像を床にたたきつけ、横にいるロバート・ダウニーJrとエマ・ストーンを無視し、キー・ホイ・クァンとゴジラ(の着ぐるみ)と肩をくんで、意気揚々と退場する場面を夢想した。
<参考>
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