罪悪感を植え付けるDV男
別々に住んでいた時、彼は会社に行く時間が合えばよく私のアパートに迎えにきた。
外国人あるあるなのか、彼の職場が緩かっただけなのか、彼は朝食を食べに行こうとよく言った。
私は朝、誰かと朝食を外食する余裕など全くない。
海外に住んですでに10年以上が過ぎたが、朝食を外に食べに行く余裕などあったことがない。
私が
”朝は無理”
と言ったら、彼はよく朝食を買ってきて、私たちは通勤途中にある公園で食べた。
私は何度も彼に
”朝食はガッツリ食べないから、こんなに食べられない”
と言って、いつも残してしまったが、彼は気にしていない様子で残ったものを近くのゴミ箱に捨てていた。
後々、これも
”俺の買ったものは食べられないというのか?!”
という、なぜか被害妄想に変わるのだ。
この時は、私は知らなかった。
それでも彼はいつも’彼の思う私が食べる量’を買い続けて、朝家に持ってくるのだった。
その国の物価はとても高くて、カフェで朝食のセットを買えば一人1500円はするものだ。
私はいつも朝食を残して捨てることに罪悪感を感じるほど、彼はしょっちゅう持ってきた。
彼はランチにしても夕食にしても大量にオーダーした。
私が何度もそんなに食べられないと言っても
”カイが食べて喜んでる顔が見たいんだ、だからそんなことを言わないで”
そう意味じゃないんだけどな…
私たちは毎日のように外食し、大量に注文しては残していた。
私は、その事に罪悪感を持ち、何度言ってもわかってくれない彼にイライラしていた。
彼は
”カイは痩せ過ぎだから、もっと食べなければ健康になれないよ”
私は確かによく体調を崩すが、何か重病を持っているわけではない。
何でもいいから何かを大量に食べたからと言って解決するという問題ではないのだ。
周りのみんなは
”なんていい彼氏なんだ、毎日外食なんて食事を家で作らなくていいんだから楽でいいじゃん!”
困った時はいつでも仕事を抜けて飛んできてくれて、家事もしてくれて、私にいっさい支払いをさせたこともない。
私も家事をやったり、プレゼントを買ったりしてお返ししようと頑張った。
ただ私には、記念日でもないのに毎日のように外食にプレゼント、花束、お迎え、、
彼はリッチだが、それは彼が寝る暇も惜しんで働いているのだ。
そんな彼を見ている私からすると、罪悪感でいっぱいになり、彼を見ていると私はとても疲れるのだった。
私は断りきれずに、罪悪感だけを植え付けられていく。
それは私に罪悪感を植え付けるための罠だったのか?
ただ本当に私の気持ちが理解できないだけだったのか?
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